出光興産、米ＵＤＣ社と有機ＥＬ材料の共同開発に合意
米国ＵＤＣ社と有機ＥＬ材料の共同開発に合意
～青色りん光材料開発を加速～
出光興産株式会社（社長：天坊 昭彦、本社：東京都千代田区、以下「出光」）と米国のユニバーサル ディスプレイ コーポレーション（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ、社長：Ｓｔｅｖｅｎ Ｖ． Ａｂｒａｍｓｏｎ、本社：米国ニュージャージー州、以下「ＵＤＣ」）は、２００６年１２月１２日に、共同で有機ＥＬ材料（蒸着用りん光青色発光材料）を開発することに合意しました。本共同開発は契約締結後、すみやかに開始されます。
フルカラー有機ＥＬディスプレイは、携帯電話向けなどへの用途展開が進んでおりますが、本格的な市場拡大のためには、一層の性能向上が必要です。両社の共同開発により、発光効率や寿命といった材料性能の飛躍的な向上を図り、有機ＥＬディスプレイの普及に大きく寄与してまいります。
有機ＥＬ材料の発光技術には蛍光発光技術とりん光発光技術があり、蛍光発光技術による発光材料はすでに商品化され、普及しています。
一方、りん光発光技術は、蛍光発光技術と比較し理論上約４倍の発光効率を得ることが可能となる有望な技術であり、次世代型の材料技術として材料メーカー各社で研究開発が進められております。出光・ＵＤＣ両社は次世代型材料の早期開発のためには両社の協業が重要と判断し、今回の合意に至りました。
ＵＤＣはりん光発光技術の基本技術の特許を保有し、りん光発光材料の開発及び商品化を行うリーディングカンパニーです。ＵＤＣは、りん光発光技術による有機ＥＬ材料の供給を行っており、赤色発光材料は有機ＥＬディスプレイの商業生産に使用されています。また最近、りん光発光技術による青色発光材料の開発に大きな進歩があったと発表しています。
出光は、蛍光発光技術を用いた材料の開発・商品化を中心に、全世界のディスプレイメーカーに材料を供給しています。なかでも、蛍光発光技術による青色発光材料の開発・商品化に最大の強みを有し、青色発光材料では世界トップシェアの販売を行っています。さらに、次世代高性能材料開発の観点から、近年はりん光発光技術の開発も強化しています。
有機ＥＬ材料の中でも青色りん光発光材料の開発は最も難しいといわれております。有機ＥＬディスプレイの普及のため、青色発光材料開発に実績を持つ出光とりん光材料開発に強みのあるＵＤＣが、両社が持つ材料技術を結集し、有機ＥＬ材料を共同開発することで、青色りん光発光材料の開発成功に向け、大きな前進があると期待しています。