ミック経済研究所、エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望の調査結果を発表
エンベデッド・マーケット市場におけるソフトウェア開発技術者数の伸びは、2005年度2.8%に留まっており、リソース不足に対する取り組みが急務となっている。
今、注目を浴びるエンベデッド・マーケットの実態を捉えたマーケティング資料
「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望2006年度版」発刊
情報・通信分野専門の市場調査機関である株式会社ミック経済研究所(本社:東京港区、社長:有賀 章)は、エンベデッドシステム・マーケットの市場実態を捉えたマーケティング資料「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望2006年度版」を、2006年11月に発刊した、と発表しました。これは、同2005年度版のアップデ-ト版です。
この調査は、昨年度同様、エンベデッドシステム関連ベンダー102社を対象として、面接取材を中心に、アンケート、電話調査を併用しながら調査を実施、主要ベンダー46社の個別実態と残り56社の全体トレンドをベースに、エンベデッドシステム・ソリューション市場全体の推定及びリソース(ソフトウェア開発技術者)不足と対策の実態を調査した資料となっています。
調査結果の概要は、以下のとおりです。
<リソース(ソフトウェア開発技術者)不足とその対策の実態>
調査企業46社に見るエンベデッドシステム・ソリューション市場の売上の前年比は、2005年度114.2%であるが、リソース(技術開発要員、プロパー+協力会社)の前年比は、102.8%であり、リソース不足が懸念される。
また、経済産業省は『2006年版 組込みソフトウェア産業実態調査報告書』の中で、不足技術者数は、7万1千人から9万4千人になり、32%増加したと推定している。
リソース不足は、単に人を増やせばよいという問題でなく、人材育成、外注化、品質管理、プロジェクト管理、技術開発等々、総合的に対応していく必要がある。
今回のプロジェクトでは、リソース不足対策の実態を、調査企業46社を対象に調査した。
この結果、人材育成面では、スキル標準の体系を、組込みスキル標準ETSSを取入れて運用中の企業が26%、ETSSベースに変更中の企業が39%あり、人材育成に本格的に取り組む各企業の姿勢が顕著となっている。しかし、スキルレベルを客観的に評価する仕組みについてはまだ不十分であり、今後の課題である。
外注化の面では、別表のように、国内の協力会社の技術者数が前年比4%の増加、海外(オフショア)のそれが59%の増加であった。外注化は、今後ますます増加、とりわけ、オフショア開発の増加傾向が注目される。2005年度のオフショア開発の技術者数構成比は1.6%であった。
品質管理及びプロジェクト管理の面ではCMM/CMMIレベル3以上の取得企業が39%、ISO9001取得企業が84%、PMBOKを活用している企業が64%であった。
組込みソフト開発においては、制約条件が多く個人の技量に頼る傾向にあるが、ソフト開発量の増大に対して、品質管理及びプロジェクト管理に、国際規格を取入れ、組織的に対応しようとする各企業の姿勢がうかがわれる。
また、技術的には、端末や機種が変化しても一からソフトを開発する必要のないようなプラットフォームの開発や、プログラミング自動化等の開発環境の整備が今後の課題とされる。
調査したどの企業においても、現状の対応に満足している企業はなく、リソース不足をカバーするための今後の施策、取組みによって、市場における雌雄が決せられることになろう。
●ETSS:経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)が、組込み業界の「人材の育成」や、「人材の有効活用」のための指針として作成した、『組込みスキル標準』。
●CMM/CMMI:CMM/CMMIは、組織におけるソフトウェア開発等の能力を向上させるためのモデルであり、その能力を客観的に判断するための指標として利用されている。CMMは、ソフトウェア開発のみを対象としている。また、CMMIは、統合型であり、ソフトウェア調達や製品開発を含む。
●PMBOK:プロジェクト管理に必要とされる知識体系であり、国際標準になりつつある。
なお、同資料の体裁はA4版327頁のファイル製本で、価格は199,500円(消費税含む)です。(CD-ROM版399,000円もご用意しております)
*添付資料あり。