J.D.パワー、「2006年日本ホテル宿泊客満足度調査」結果を発表
ホテルの宿泊客満足度、
ザ・リッツ・カールトン、リーガロイヤルホテル、ロイネットホテルが各部門で第1位
2006年日本ホテル宿泊客満足度調査
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D. パワー)は、2006年日本ホテル宿泊客満足度調査の結果を発表した。
当調査は、日本全国のホテルグループ・チェーン91ブランドを対象に、宿泊客のホテルにおける経験やサービスに対する満足度を調べるもので、今年初めて実施した。直近1年間に宿泊したホテルについて2006年10月にインターネット調査を実施し、全国の18歳以上の男女19,793人から回答を得た。
当調査では、ホテルの提示する正規宿泊料金や客室面積をもとに「1泊35,000円以上」、「1泊15,000円~35,000円未満」、「1泊15,000円未満」の3つの部門に分け、それぞれにおける宿泊客満足度を測定している。各部門の詳細は次のとおり。
・1泊35,000円以上部門:正規宿泊料金の最多価格帯35,000円以上もしくは最多客室面積35m2以上
・1泊15,000円~35,000円未満部門:正規宿泊料金の最多価格帯15,000円~35,000円未満
かつ最多客室面積35m2未満
・1泊15,000円未満部門:正規宿泊料金の最多価格帯15,000円未満かつ最多客室面積25m2未満
また、当調査によって、宿泊客の総合的な満足度が8つのファクター(要素)によって構成されていることと、総合的な満足度に対する各ファクターの影響度が明らかになった。8つのファクターは「料金」、「客室」、「ホテルスタッフ」、「ホテル施設」、「チェックイン/チェックアウト」、「F&B(料飲施設)」、「ホテルサービス」、「予約」となっている。なお当調査では、各ファクターの詳細評価項目に対する宿泊客の評価をもとに、宿泊客満足度スコアを算出している(1000ポイント満点)。
◆支払った料金に見合った宿泊体験が顧客満足を上げる◆
宿泊客の総合的な満足度に影響を与える8つのファクターのうち、影響度が最も高いのは、宿泊料金の高低に関わりなく「料金」(宿泊料金のみならず滞在中に費やした費用)であることがわかった。各部門の「料金」の総合満足度に対する影響度は、「1泊35,000円以上」部門が21%、「1泊15,000円~35,000円未満」部門が28%、「1泊15,000円未満」部門では36%となっており、価格帯が低くなるほど「料金」の影響度が高くなっている*。
(*全てのファクターの影響度(%)の和は100%となる。)
しかしながら、宿泊料金が安ければ「料金」の満足度が高くなるという単純な構図とはならない。特に中・高価格帯のホテルにおいては総合満足度の高いホテルほど、実際の宿泊料金は高い傾向が見られる。さらに各部門共に総合満足度の高いホテルほど「客室」と「ホテルスタッフ」の満足度評価が高い。
このことから、宿泊客の満足度を左右しているのは、ホテルに対して実際に支払った料金の高低より、むしろ施設やスタッフによるサービスが料金に見合っているかどうかであることがわかる。厳しい競争環境の中で優位に立つためには、低価格競争に走るのではなく、宿泊客の支払う料金に対してどれだけ価値の高い宿泊体験を提供できるかが重要となる。
各部門における総合満足度ランキングは次のとおりとなった。
<1泊35,000円以上部門>
ランキング対象となった16ホテルグループ・チェーンのうち、ザ・リッツ・カールトンが767ポイントを獲得し、第1位となった。「客室」、「ホテルスタッフ」、「ホテル施設」、「チェックイン/チェックアウト」、「F&B(料飲施設)」の5つのファクターで業界トップの満足度評価を得ている。第2位は帝国ホテルで、スコアは752ポイントだった。「料金」、「ホテルサービス」、「予約」の3つのファクターでトップとなった。第3位はフォーシーズンズホテル(747ポイント)、第4位は同率でパンパシフィックホテルとウェスティン(701ポイント)が入った。今年の当部門の平均スコアは696ポイントとなった。
<1泊15,000円~35,000円未満部門>
ランキング対象となった19ホテルグループ・チェーンのうち、リーガロイヤルホテルが第1位となった。スコアは675ポイントだった。総合満足度への影響度が高い「料金」と「客室」でトップの評価を得た上、「ホテル施設」でもトップとなっている。第2位は671ポイントでホテルグランヴィアが入った。「ホテルスタッフ」、「チェックイン/チェックアウト」、「F&B(料飲施設)」、「予約」の4つのファクターでトップの評価を得ている。第3位はホテル日航(663ポイント)、第4位は小田急ホテル(660ポイント)、第5位は東急ホテル(658ポイント)だった。当部門の平均スコアは639ポイントだった。
<1泊15,000円未満部門>
ランキング対象となった15ホテルグループ・チェーンのうちロイネットホテルが686ポイントで第1位となった。「客室」、「ホテルスタッフ」、「チェックイン/チェックアウト」、「ホテル施設」、「ホテルサービス」、「予約」の6つのファクターでトップの評価を得ている。第2位は650ポイントでドーミーが入った。総合満足度に対する影響度が最も高い「料金」で高い評価を得た他、「チェックイン/チェックアウト」でも満足度が高かった。第3位はコンフォート(641ポイント)、第4位はホテルJALシティ(633ポイント)、第5位は三井ガーデンホテル(628ポイント)となった。当部門の平均スコアは607ポイントだった。
< 株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて >
当社は米国J.D. パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト www.jdpower.co.jp まで。
< J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて >
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D. パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
< ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて >
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズは、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D. パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界38カ国に290カ所以上の拠点を有し、2005年の売上高は60億ドルにのぼる。詳細はウェブサイト www.mcgraw-hill.com まで。