JT、英たばこ大手ガラハーの買収手続きを開始
英国Gallaher社の買収手続き開始の合意について
当社は、英国大手たばこ会社Gallaher Group Plc(以下「Gallaher社」)と、Gallaher社発行済及び発行予定全株式を現金にて取得し、完全子会社化(以下「本件買収」)する手続きを開始することに合意致しました。
本件買収は友好的なものであり、Gallaher社の取締役会は本件買収につき、全会一致で賛同しております。
なお、当社は、英国の法制度に基づく公表も2006年12月15日(現地時間午前7時)に英国において行っております。
1.買収提案の背景
当社は1999年のRJR International買収以来、海外において積極的に事業展開を行い、世界トップクラスのグローバルたばこ会社となるべく諸施策を実行してまいりました。その結果、当社は4つのグローバル・フラッグシップ・ブランド(キャメル、ウィンストン、マイルドセブン、セーラム)を基軸とした強固なブランド・ポートフォリオを構築し、世界の中核市場に配置するとともに、製品品質及び製造コストの大幅な改善に成功いたしました。
こうした中、本年策定した当社の中期経営計画「JT2008」においても、海外たばこ事業を「JTグループの利益成長の牽引役」として位置づけており、今般、外部資源の獲得による更なる規模の拡大及び市場の拡大が、グローバルたばこ会社としての立場をより強固にするとの結論に達しました。
Gallaher社はシガレット販売数量において世界第5位のたばこ会社であり、Benson&Hedges、Silk Cut、Memphis、Sobranie、LD、及びSovereignに代表される強力なブランド群を製造・販売しております。これらのブランドを中心に、ヨーロッパ主要各国と、昨今成長著しいCIS地域等において高い市場シェアを誇っております。
本件買収の意義は、以下のように集約されると考えます。
第一に、規模の拡大によるスケールメリットの享受です。本件買収により、両社の販売数量(2005年度実績)は単純合計で約6,000億本規模となり、当社は世界第3位のたばこ会社としての地位をより強固なものとすることができます。
第二に、両社の相互補完性です。
Gallaher社は、英国、アイルランド、オーストリア、スウェーデン、カザフスタンにおいて市場シェアNo.1、No.2の地位を占め、ロシア、ウクライナでも魅力的な市場ポジションを有しております。当社は、日本、台湾、CIS、スペイン、フランス、イタリア及びイランで強固な市場基盤を有しており、本件買収により、高い成長機会を持つ地理的バランスのとれた新たなグループへと変貌いたします。
また、Gallaher社は、幅広い価格帯で強力なブランド群を有しており、当社のグローバル・フラッグシップ・ブランドとの融合により、市場及び価格帯においてバランスのとれた競争力のあるブランド・ポートフォリオを構築できることになります。
第三に、技術、流通インフラの強化です。本件買収により、当社は、Gallaher社が持つバージニア・ブレンド製造技術やスヌース(かみたばこの一種)を含むシガレット以外のたばこ製品製造における専門技術を新たに獲得することになり、プロダクト・ポートフォリオの拡充が可能となります。さらに、欧州・CIS市場においてGallaher社の持つ強力な流通インフラを活用することで、流通力の強化が可能となります。
加えて、両社の事業を統合することで、売上の増加と事業の効率化が図られ、多大なシナジーを創出できるものと考えます。
両社の2005年度実績を単純合計しますと、たばこ販売本数は約6,000億本、税抜売上高は約2兆6,103億円、EBITDAは約6,062億円となります(注)。
(注)当社の2006年3月期実績、Gallaher社の2005年12月期実績の単純合計であり、日英両国の会計基準の相違についての調整は行っておりません。本資料では英国ポンド・日本円の為替レートを便宜上1英国ポンドあたり231.12円で換算しております。以下同様です。
2.買収金額
Gallaher社とは、同社株式1株当り1,140ペンス(約2,635円)で合意しました。買収総額は約74.9億ポンド(約1兆7,310億円)、純有利子負債を加えた合計で約97.5億ポンド(約2兆2,530億円)を予定しております。当社は英国上場企業として開示されている情報ならびに、買収監査等を通じて、Gallaher社の資産内容、事業内容等について、慎重に分析及び検討を重ねた上、今回の買付価格が公正でかつ妥当なものであると判断いたしました。
3.買収手法及び手続き
本件買収は英国法に基づく、スキーム・オブ・アレンジメント(Scheme of Arrangement)により実施される予定です。スキーム・オブ・アレンジメントとは、英国法上の買収手続きで、Gallaher社取締役会の同意に基づき、競争法当局、同社の株主総会及び裁判所の承認を満たすことにより買収が成立する、友好的な買収手法です。
Gallaher社株主承認決議につきましては、株主総会出席株主の過半数が承認し、かつ、かかる承認株主の所有に係わる議決権数が議決権行使総数の75%以上であることが議決要件となります。この手続きを通じて当社はGallaher社既存株主への対価を支払うことで、Gallaher社の株式を100%取得します。なお、Gallaher社株式の取得は、当社が100%出資で英国に新規設立した買収主体法人(JTI(UK) MANAGEMENT LTD)を通じて行います。
スケジュールに関しては、今後速やかに手続きを開始し、2007年上半期を目処に完了する見込みです。
4.資金調達
本件買収のための買収資金は、当社及び当社子会社が保有する手元資金、及びメリルリンチグループからの新規借入により充当する予定です。
5.業績への影響
当社の今期(2007年3月期)の業績(連結、単体)に与える影響は、買収資金調達に伴う費用等によるものです。具体的な影響額については、適切なタイミングにてお知らせする予定です。
(将来に関する記述等についてのご注意)
本資料には、1933年の米国証券法(その改正を含みます。)のセクション27A及び1934年の米国証券取引法(その改正を含みます。)のセクション21Eに定めるところによる、「forward-looking statements(将来の見通しに関する表現)」が含まれています。本資料に含まれている、当社の属する業界、当社の事業、計画及び目標、財務状態、業績その他に関する表現(歴史的事実に関する表現を除きます。)のうち、「~を目指して(aims)」、「~が期待される(anticipates)」、「~と思われる(believes)」、「引き続き~(continues)」、「~と見込まれる(estimates)」、「~と予想される(expects)」、「~する意向である(intends)」、「~する予定である(plans)」、「~を目標としている(targets)」、「~できるだろう(could)」、「~するであろう(would)」、「~するかもしれない(may)」、「~するつもりである(will)」などの表現や、それに類似の又はその否定形の表現が含まれているものが、ここでいう「将来の見通しに関する表現」です。このような表現は、将来の予測を論じ、戦略の説明をし、市況を論じ、当社の業務や財務状態に関する予測を含み、又は他の将来の見通しに関する情報に言及するものです。このような将来の見通しに関する表現は、様々な既知又は未知のリスク、不確定要素、その他の要因によって左右され、実際の結果が将来の見通しに関する表現により示唆された結果とは大きく異なることがあります。当社は、将来の見通しに関する表現に関する情報の更新を行い、又はその基礎となっている前提事実や要素の変更について助言する責任や義務は一切負いません。
実際の結果が、将来の見通しに関する表現に示された結果と大きく異なる原因となり得る、リスク、不確定要素その他の要素としては、以下のものが挙げられます(但し、それらに限定されません。)
(1)喫煙に関する健康上の懸念の増大
(2)たばこに関する国内外の法令規則による規制等の導入・変更(増税、たばこ製品の販売、マーケティング及び使用に関する政府の規制等)、喫煙に関する民間規制及び政府による調査の影響等
(3)国内外の訴訟の動向
(4)国内たばこ事業、海外たばこ事業以外へ多角化する当社の能力
(5)国際的な事業拡大と、日本国外への投資を成功させる当社の能力
(6)市場における他社との競争激化、銘柄嗜好の変化
(7)買収やビジネスの多角化に伴う影響
(8)国内外の経済状況
(9)為替変動及び原材料費の変動
*添付資料あり。