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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.26.Tue
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2007'06.02.Sat

ルネサステクノロジ、PFC回路向けに臨界モードの力率改善制御ICを発売

業界初、インターリーブ動作を実現した臨界モードの力率改善制御ICを製品化

~小型、低ノイズ、高効率の電源ユニットを実現可能~


 株式会社ルネサス テクノロジ(本社:東京都千代田区、会長&CEO 伊藤 達)は、このたび、デジタル家電などの電源ユニット等における力率改善(PFC)(注1)回路向けに、臨界モード(注2)PFC制御ICで、業界で初めてインターリーブ(注3)動作を実現した「R2A20112」を製品化しました。2007年2月よりサンプル出荷を開始します。
 本製品を使用することで、外付部品点数の削減などが図れ、小型で低ノイズ、高効率、薄型の電源ユニットを実現することが可能であり、かつ設計の容易化が図れます。


<製品化の背景>
 機器の電源回路の初段部は、AC(交流)電圧からDC(直流)電圧に変換するAC/DCコンバータ回路で構成されています。一般的に、単なるチョークインプット方式(注4)整流等の電圧変換では、AC入力電圧が正弦波形であるのに対し、AC入力電流の波形は、回路部品の影響により、電圧波形と位相がずれたり、波形自体が正弦波にならず、この原理により、無駄な電力(電圧と電流の積)を発生させることになります。また、力率が悪い機器は無効な電力を消費するばかりではなく、電流波形のズレがAC電源を揺らがせ、他の機器の誤動作や故障につながる可能性もあります。PFC回路は、このようなずれたAC入力電流の波形を、AC入力電圧と同様な位相や波形に整形するように制御することで、無駄な電力を低減するための回路です。
 そして、近年は、標準化団体のIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)やJIS等で定めた規制が法令化されてきており、各種機器は、PFC制御の電源回路を搭載することが必須となる状況にあります。
 一方、フラットパネルTV等のデジタル家電機器では、小型化や薄型化、またファンレス化への対応が求められています。しかし、PFC制御を行うためには、コイルやコンデンサ等の外付け部品、またノイズや発熱への対策等が必要です。
 当社は、既にインテリジェントタイプの電流連続モードPFC制御IC「HA16174」及び「R2A20111」を製品化しています。しかし、市場の更なる高効率かつ電源回路の小型化等へのニーズに対応するため、インターリーブ動作の臨界モードPFC制御IC「R2A20112」を製品化しました。


<特 長>
 本製品の特長は、以下のとおりです。

(1)臨界モードPFC制御ICでは、業界で初めてインターリーブ動作を実現
 PFC制御ICは、AC入力間にある外付けのスイッチング用MOSFETを駆動して制御します。従来は、1つの信号で、複数の並列接続された外付けMOSFETを駆動するシングルモードですが、配線の長さやインピーダンスの差により、個々のMOSFETの動作タイミングにばらつきを生じます。本製品では、2つの信号(マスターとスレーブ)として制御することで、動作タイミングのばらつきを低減するインターリーブ動作を、臨界モードPFC制御ICでは、業界で初めて実現しました。これは、独自に開発した臨界モードにおけるスレーブ制御回路によるもので、電流の分散を高精度に行えます。これにより、入力フィルターや昇圧コイル、入出力コンデンサなどの部品の小型化が図れます。

(2)各種ノイズ低減により、システムの簡素化を実現
 本製品を使用することで、電源ユニットの各種ノイズ低減を図れ、システムの簡素化が可能です。
 本製品は電流ゼロを検出してからスイッチングするZCS(Zero Current Switching)(注5)機能を搭載しており、スイッチング用MOS FETの発熱を低減できます。ZCSやインターリーブ動作により、昇圧ダイオードのリカバリー電流など余分な電流の流れの防止や適切な電流の流れを制御することを可能とし、電源ラインのノイズやリップル電流の低減を実現します。これにより、電源ユニットにおけるAC入力フィルターの簡素化や輻射ノイズのピークレベルを低減でき、シールドなどのノイズ対策の簡素化が図れます。

(3)電力変換効率を当社従来品に対して5%向上
 当社従来品の「HA16174」に対し、スイッチング損失やリカバリー損失、導通損失の低減を図って高効率化を実現しており、電力変換効率を5%以上向上しています。これにより、発熱量を低減でき、スイッチング用MOSFETのファンレス化やヒートシンクの簡素化に貢献します。
 パッケージは、従来製品と同様に、面実装パッケージ「SOP-16」と挿入タイプの「DILP-16」を揃えています。
 当社は今後、出力電力やアプリケーション別用のPFC制御ICを開発し、大電力機器向けのkwクラス、小電力機器向けの50Wクラス等の製品ラインアップを揃えていきます。


■注記
(注1)力率改善(PFC:Power Factor Correction):
 交流は電圧と電流が、常にプラス側とマイナス側を行き来しており、電圧波形と電流波形が時間的にずれる(位相がずれる)ことがあります。また、単なるチョークインプット型では電流波形が正弦波ではなく、パルス的になります。このときに無効な電力が生じるのを改善することです。
 力率改善はIECやJIS等の標準規格で定められた高調波(商用電源である50Hzまたは60Hzの整数倍の正弦波)規制達成のための手段です。

(注2)臨界モード:
 昇圧コイル電流がゼロであることを検出してから、外付けのMOSFETをスイッチングするモードです。

(注3)インターリーブ:複数のスイッチング素子(FET)を交互に動作させる方式です。
 通常は1つの制御信号で行うシングルスイッチングであるが、インターリーブはスイッチングとスイッチングの間を別のスイッチングラインで補完していく方法です。

(注4)チョークインプット方式:
 整流回路で整流した波形を平坦にする平滑回路の方式のひとつ。ある負荷電流以上では電圧変動率は小さいが、重量は大きくなります。

(注5)ZCS(Zero Current Switching):ゼロ電流スイッチング。
 ZCSはスイッチングMOSFETのラインの電流値を監視し、電流値がゼロになってからスイッチングを行う手法です。


*記載の製品名、会社名、ブランドはそれぞれの所有者に帰属します。


■応用機器例
 AC入力電源用途:フラットパネルTV、ゲーム機、PC、複写機等


■価格、仕様
 添付資料をご参照ください。


■お客様からの問い合わせ先
 株式会社ルネサス テクノロジ 汎用製品統括本部 MSIG事業部 製品技術部
 〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル)
 電話 03(5201)5256(ダイヤルイン)


以 上

*このニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
*発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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