米IBM、「プロダクト・デベロップメント・インテグレーション・フレームワーク」の計画を発表
SOAを活用してPLMを拡張し、経営層の意思決定を支援
- 主要ソリューション・プロバイダーがIBMのPDIFに参画 -
IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は14日(現地時間)、プロダクト・デベロップメント・インテグレーション・フレームワーク(Product Development Integration Framework:PDIF)の計画を発表しました。PDIFは製品の設計と開発を、コア・ビジネス・プロセスとより緊密に連携させることにより、PLM(Product Lifecycle Management)や開発を、エンジニアリング中心の職務から、企業における経営層の意思決定を支援する戦略的ビジネス・プロセスへと高めます。
IBMは、SOA(サービス指向アーキテクチャー)において業界をリードするとともに、25年に亘ってPLMソリューションを提供してきた経験を活かし、統合に関するお客様の困難な問題に取り組んでいきます。
IBMは、PLMアプリケーションおよびインテグレーション・ソリューションの主要プロバイダー8社から、この新しいフレームワークへの支持を得ました。これらのプロバイダーはすでに、製品開発領域で複数ベンダーから提供されるアプリケーションの相互運用性に重点を置いた、今回の新しいオープン・スタンダード・ベースのフレームワーク・プラットフォームを軸とするソリューションの構築に同意しています。オープンな新しいフレームワークとビジネス・パートナーのPLMアプリケーションが一体となることにより、お客様はバリュー・チェーン全体に渡って設計とビジネス・コラボレーションを容易に拡張することが可能になります。
IBM(R) WebSphere(R) Software担当ゼネラル・マネジャーのロバート・ルブラン(Robert LeBlanc)は、次のように語っています。「組織全体に渡って幅広く関与し、企業の成功と収益性に重大な影響を与える製品開発分野は、SOAのアプローチを通してのみ可能となる柔軟性が必要です。IBMはお客様の製品開発プロセスがより良いものとなり、最大の効果を上げるために全力を尽くします。PDIFは重要な役割を果たすことになるでしょう。」
新しいIBMフレームワークを支持するアプリケーション・プロバイダーは、アジャイル・ソフトウェア社(Agile Software Corp)、セントリック・ソフトウェア社(Centric Software Inc.)、エンジニアス・ソフトウェア社(Engineous Software Inc.)、ジオメトリック・ソフトウェア・ソリューションズ社(Geometric Software Solutions Co. Ltd.)、MSCソフトウェア社(MSC Software Corporation)、プロステップ社(PROSTEP AG)、パラメトリック・テクノロジー社(PTC)、UGS社(UGS Corp)の8社です。他のベンダーに対しても、各社のアプリケーションをフレームワーク対応にするために必要な技術的基準を評価するように働きかけています。
IBMは10月3日、WebSphere Business Services Fabric対応の新しいSOAテクノロジー・プラットフォームなど、SOAを構築・拡張するための新規ソフトウェアおよびサービスに関して、過去最大規模のラインナップを発表しました。IBM のPDIFは、このプラットフォームの延長線にあり、ビジネスパートナーアプリケーションやビジネスサービスやその他SOA資産に加え、製品開発および関連するビジネス・プロセスに特化したものです。PDIFはSOAを活用して複数の企業システムおよびアプリケーションの統合を支援します。これにより、ハードコードされた柔軟性のない接続に依存せずに、再利用可能なサービスを基盤とする柔軟なビジネス・プロセスを実現できます。
IBMの市場調査によれば、企業は2008年までに、自社のビジネス戦略を製品開発に対応させるためのソリューションに800億ドルほど投資するとみられます。企業としての成功を、製品の成否に大きく依存している企業は、PDIFを用いて、企業のビジネス・プロセス(顧客サービス・マネージメントから、エンタープライズ・リソース・プランニングやサプライチェーン・マネージメントまで)に製品開発を連携させることにより、製品のイノベーションをビジネス全体の中心に据えることができます。
PDIFはSOAを基盤としており、企業の経営層は企業情報を直ちに入手して、ビジネスに対する施策の改善に取り組むことができます。PDIFは、迅速かつ簡単に変更できる、柔軟で再利用可能な製品開発プロセスを企業が形成、実行を支援します。また、すべての企業アプリケーションが同調して動作できるIT基盤を提供し、企業全体に一貫した方法で結果を表示しながら、プロセスと情報の共有と再利用を可能にします。
タレス・エンジニアリング&プロセス・マネージメント(Thales Engineering & Process Management)のバイス・プレジデント、イブ・ボコン-ジボッド(Yves Boccon-Gibod)氏は次のように語っています。「当社自身のベスト・プラクティスと原則を支援するであろうPLM SOA標準テクノロジーとの統合フレームワークにIBMが着手していることを嬉しく思います。Thalesのコア・ビジネスは、航空防衛産業向けに複雑なシステムを提供することです。当社は過去12年間にわたり、エンドユーザに対して様々なエンジニアリング分野とパーツ/モデルの管理をサポートするための、サービス指向ソリューションを用いたシステムの定義、開発、適用をおこなってきました。当社はPLM領域におけるSOAベース・ソリューションの価値を信じており、その価値をすぐに実証できます。」
前述の主要インフラストラクチャーISVならびに従来のPLMアプリケーション・ソフトウェア・ベンダーはこのフレームワークと足並みを揃え、各社のソフトウェアがIBMの全てのソフトウエア・ブランド(WebSphere、Information Management、LotusR、RationalR、TivoliR)の機能を生かしながら、広範な業界のお客様が抱える問題に対処していきます。IBMはこうしたベンダーと協力してPLM標準に関する提言を策定し、総所有コスト(TCO)の削減と投資収益率の改善を実現するために、お客様の統合や相互間に持つ問題を解決していきます。
また、企業の製品におけるソフトウェア活用度が増加するに伴い、全エンジニアリング分野における製品ライフサイクルのガバナンスを改善し、より高品質な製品を市場に提供することを目的として、他のPLMアプリケーションおよびインテグレーション・ソリューション・プロバイダーは、自社のオファリングをIBM Rationalのソフトウェア・オーサリングおよびシステム開発ソリューションと統合する取り組みを進めています。こうした取り組みを支援するために、2006年12月5日、ソフトウェアとシステム・アーキテクチャーの設計、開発、実装、提供管理を促進・改善するRational Software Delivery Platform 7.0が発表されました。
IBM PLMソリューションの詳細については、http://www.ibm.com/solutions/plm(US)をご覧ください。
以 上
IBM、Lotus、Rational、Tivoli、WebSphereは、IBM Corporationの商標。
その他の製品名および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標。