キリン、中国のビール会社「千島湖社」に資本参加
中国のビール会社 杭州千島湖■(*)酒有限公司への資本参加について
キリンビール株式会社(社長 加藤壹康)は、当社の中国における統括会社である麒麟(中国)投資有限公司(以下KCI社、上海市、董事長 大島仁志)を通じて、中国のビール会社である杭州千島湖■(*)酒有限公司(以下千島湖社 浙江省杭州市、董事長(とうじちょう) 鄭暁峰(ていぎょうほう))に資本参加することを合意しました。
KCI社は、千島湖社と2006年12月14日に合弁契約を締結し、同社の資本の25%にあたる3億351万8千人民元(約45.1億円※)を出資するとともに、将来的には49%まで出資持分を買い増す権利を取得しました。今後、同社の経営に積極的に参画することで、中国での重要な地域である長江デルタ地域におけるビール事業の基盤づくりを加速します。 ※1人民元=14.87円(2006年11月末時点のレート)
地域ごとの独自性が高い中国市場の中で、中国最大の経済都市である上海や南京、杭州を含む長江デルタ地域(上海市、浙江省、江蘇省)は、高い経済成長を背景に今後もさらに市場拡大が期待できる地域です。すでに世界の有力ビール会社による投資が一巡した同地域において、千島湖社は生産規模が年間10万klを超える企業の中で海外資本を受け入れていない唯一の企業で、2006年の生産量は14万kl(前年比+36%)と見込まれ、浙江省を地盤に急成長を遂げています。現在、良質な水源として評価の高い千島湖の水を用いた「千島湖」ブランドのビールを販売しており、中国では地元中心に販売を拡大するビール会社が多い中、その高いブランド力で浙江省の省都杭州(こうしゅう)市はもとより、千島湖周辺以外の上海市南部や温州(おんしゅう)市、寧波(ねいは)市といった都市部で急速に売上を拡大させています。
当社は、中国市場の中で、東北三省、長江デルタ地域、珠江デルタ地域を重要な地域と考えています。珠江デルタ地域では、2006年に拠点である麒麟■(*)酒(珠海)有限公司(広東省珠海市、総経理 宮原富士樹)を100%子会社化し、さらに2007年には事業拡大にともなう新工場竣工を予定しています。また、東北三省では大連大雪■(*)酒股有限公司(だいれんだいせつビールかぶしきゆうげんこうし)(遼寧省大連普蘭店市(りょうねいしょうだいれんふらんてんし)、董事長 王明瑞(おうめいずい))を拠点に同社ローカルブランドに加え、2006年7月には東北三省における初のキリンオリジナルブランド「最麒麟(さいきりん)」を発売するなど、着実に事業基盤を強化しています。
今回の資本参加によって長江デルタでも事業基盤の確立を目指し、現地の「千島湖」ブランドの販売拡大を図るとともに、今後は同地域向けのキリンブランド商品の製造販売も進めていきます。また、当社の製造や品質管理に関する高い技術力とマーケティング力を投入し、より一層の品質向上や商品力強化を支援します。
中国のビール市場は年々拡大し、2005年のビール消費量※は約3,049万klで世界1位となっています。当社はグループシナジーの拡大による積極的な事業展開を進めることで、中国における事業基盤づくりから次の成長に向けた新たなステージへ向かいます。
※ 「2005年世界主要国のビール消費量」 キリンお酒と生活文化研究所調べ
■印の*:口へんに「卑」の文字です