タカラバイオ、米国遺伝子工学用試薬メーカーのNEB社にLA-PCR法のライセンス供与
米国遺伝子工学用試薬メーカーの大手であるNEB社にLA-PCR法のライセンスを供与
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と、米国ニューイングランド バイオラボ社(New England BioLabs Inc., NEB社、マサチューセッツ州)は、当社が保有するLA-PCR技術に関する特許の全世界における非独占的実施権をNEB社に供与するライセンス契約を、2006年12月19日付で締結しました。NEB社は、当社がLA-PCRの実施権を供与した世界で第18番目の企業です。なおこの特許は米国で2013年2月まで、日本と欧州諸国では2014年2月まで有効です。
本契約の締結によりNEB社は全世界においてLA-PCR法を利用する製品を製造・販売することができます。また、本契約に伴い、当社はNEB社より契約一時金及びライセンス対象製品の売上げに応じたランニングロイヤリティーを受け取ります。
LA-PCR法は、遺伝子工学の基幹技術であるPCR法の能力を飛躍的に向上させた画期的な技術で、「長く正確なポリメラーゼ連鎖反応(Long and Accurate Polymerase Chain Reaction)」を意味します。従来のPCR法では1万塩基をこえるDNAの増幅は困難でしたが、LA-PCR法により数万塩基の長鎖DNAを安定して正確に増幅することができるようになりました。LA-PCR技術がPCR法の欠点を補完し、ゲノム解析や長鎖フラグメントのクローニングおよび変異導入等のPCR法の応用分野をさらに拡大しました。
本技術はウェイン・バーンズ(Wayne M. Barnes)博士によって開発されましたが、当社は、この技術の有用性を予見し、1996年4月に当時ワシントン大学準教授であったバーンズ博士とLA-PCR法の特許譲渡契約を締結し、同氏が保有するLA-PCR法に関する特許権を譲り受けました。
LA-PCR法は遺伝子工学分野の基盤技術の一つとして世界中に広く認知されており、さらに需要は高まっていくものと期待しています。当社は、今後もLA-PCR法のライセンス活動を積極的に行っていく予定です。
なお、本契約締結による当社連結及び単体の業績予想(2006年11月14日発表)の変更はありません。
*参考資料あり。