小野薬品、急性肺障害治療薬「注射用エラスポール100」を韓国で発売
全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害治療薬「注射用エラスポール(R)100」を韓国で新発売
韓国 東亜製薬株式会社(本社:ソウル市、社長:金 源培)は、小野薬品工業株式会社(本社:大阪市、社長:是金 俊治)と2003年11月に締結したライセンス契約に基づき、「注射用エラスポール(R)100」を本年12月20日から新発売することになりましたので、お知らせいたします。なお、本剤の製造は小野薬品が担当し、完成品(バイアル製剤)として東亜製薬に供給します。
「注射用エラスポール(R)100」は、小野薬品が開発した世界初の好中球エラスターゼ阻害剤で、日本では「全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害の改善」の効能・効果で2002年4月に製造承認を取得、同年6月から販売してきております。
全身性炎症反応症候群は、感染症や手術侵襲、熱傷、外傷、膵炎などが原因となり全身的に炎症反応が起こっている状態をいいます。このような状態が持続すると、肺を始めとして肝臓や腎臓などの臓器に障害が起こり、場合によっては複数の臓器障害(多臓器障害)に至ります。
このような全身性炎症反応症候群に伴う臓器障害の中でも特に初期に起こる急性肺障害には、肺局所に集積した好中球(白血球の一種)から放出される酵素である好中球エラスターゼが深く関与しており、この好中球エラスターゼが肺組織に損傷を与え、呼吸機能が急速に悪化し死亡することもあるといわれています。
「注射用エラスポール(R)100」は、好中球エラスターゼを選択的に阻害し、低下した呼吸機能を改善し、人工呼吸器からの早期離脱やICU(集中治療室)からの早期退出を可能とする薬剤です。
以 上
*2003年11月に締結したライセンス契約
東亜製薬が韓国において注射用エラスポール(R)100を開発・販売するための独占ライセンス