トランスコスモス、農工大などとの産学共同研究で「対話の構造解析技術」を開発
トランスコスモス
東京農工大学およびニイウス金融エンジニアリング・グループとの
産学共同研究で”対話の構造解析技術”を開発
デジタルマーケティングサービスおよびコンタクトセンターサービスを展開するトランスコスモス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼COO:奥田 昌孝、以下、トランスコスモス)は、東京農工大学工学部 情報工学科小谷研究室(以下、農工大)および株式会社ニイウス金融エンジニアリング・グループ(以下、NIWS-FEG)と産学共同研究を実施し、”対話の構造解析技術”の開発に成功しました。今回の研究成果を、コンタクトセンターにおけるコミュニケータの教育、対話戦略立案、自動ナビゲーションシステムなどの実際の業務へ活用していくために、今後も実用化に向けた研究を継続していきます。また、本研究に参加し、自社データの分析を希望する企業を広く募集します。
トランスコスモスでは以前より、コンタクトセンターにおける顧客とコミュニケータとの会話を分析し、その結果をトークスクリプトの改善やコミュニケータに対する教育に活かす取り組みを行ってきました。その取り組みが評価され、本年11月のThe Contact Center World Awards世界大会において、Best Outbound Campain部門で最優秀賞を受賞しました。トランスコスモスでは、同取り組みを用いた会話分析手法を、より科学的な見地に裏付けられた技術へと発展させるべく、自然言語処理研究で実績のある農工大、金融分野を中心とした数理分析で実績のあるNIWS-FEGと共同で、2005年より”対話の構造解析に関する研究”を実施し、その結果、「顧客プロファイル自動抽出システムの作成」と、「アウトバウンドコールにおける対話の構造解析」という2つのテーマにおいて、一定の成果を得ました。
《研究の概要》
本研究の目的は、顧客対コミュニケータの対話データを分析することにより、対話の構造を明確化し計量・評価可能なものにすることです。2005年8月より研究内容の検討を開始し、同年12月に対話実験を行いました。その後本年3月から本格的に研究を開始し、同年9月末を持って技術開発が完了しました。
研究対象とした対話は、トランスコスモスのコミュニケータから被験者に対して、英会話スクールの体験スクールを案内するという設定で行われ、その対話の内容を収集し、音声データをテキスト化し、同データを基に、対話相手(顧客)に関するプロファイルの自動生成システムの作成と対話の構造解析を行いました。研究の成果については以下の通りです。
《研究成果1:顧客プロファイル自動抽出システム》
コンタクトセンターにおいてアフターコールワークにかかる時間を削減することは、コスト削減に向けた重要な課題となっています。対話内容を自動的に記録できるようになれば、コミュニケータが書き留める等の属人的な方法を取る必要がなくなり、アフターコールワークにかかる時間を削減することができます。さらにデータの収集精度も向上し、コンタクトセンターのコスト効率や生産性の向上にも繋がります。そこで、本研究では、顧客とコミュニケータとの対話データから顧客の情報(プロファイル)を自動的に抽出するアルゴリズムを作成しました。対話の大きな流れを話題の内容によって5つの談話ステージに分類し、発話文に含まれる単語の発生確率、発話が含まれる談話ステージ、疑問文や説明などの発話の文形式に基づき、ベイズ推定によってプロファイル項目を判定しました。その結果、80%を超える判定精度を得ることに成功しました。
*以下、詳細は添付資料をご参照ください。