STマイクロ、グルノーブルに拠点を置く「CIIS」を拡張
STマイクロエレクトロニクスは、グルノーブルに拠点を置く
Innovation and Systems Integration Centerを拡張
同センターでは、先進的なナノテクノロジーにより、携帯電話、カメラ、
マルチメディアなどのコンスーマアプリケーション向けに
革新的なシステム・オン・チップ・ソリューションを設計
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、フランス、グルノーブルにあるシステム・オン・チップ(SoC)ソリューションを専門とするInnovation and System Center(CIIS)を拡張したことを発表しました。
グルノーブル科学クラスタ(Polygone Scientifique)の中心に位置するCIISは、新たに2つの施設を拡張し、その総面積は13,000m2におよびます。これは、既存の32,000m2のオフィス、8,000m2のクリーンルームと研究室および1,800m2のテスト施設に付加されます。この拡張は、600人の社員を収容する設計になっています。STは、1970年代初頭にグルノーブルに初めて進出して以来、継続してグルノーブル地区へ貢献してきました。現在、STのグルノーブル・サイトは、ヨーロッパで最も優れた集積回路(IC)設計施設として世界中に知られています。
この施設は、グルノーブル地区マイクロエレクトロニクス産業の主要な推進役として、現在、2300人を超える社員を雇用しており、うち80%は技術者と管理者です。少なくとも25カ国出身の社員が、世界クラスの専門知識を活かして、多種多様な専門分野チームに参加しています。CIISは、携帯電話、データ・ネットワーク、コンピュータ、デジタルカメラ、HDTV、マルチメディアなどのアプリケーション専用に、新しく高度で複雑なIC設計を常時行っています。
これらのICは、STのクロル施設で開発された最新のCMOS 90nmまたは65nm技術によって設計され、300mmウェハとして製造されます。
CIISは、製品のバリューチェーン全体をカバーしており、製品管理チーム、マーケティング、ICのハードウェアとソフトウェアの開発、および組立を同じサイトに結集しています。
このセンターの主要な専門分野は、次のとおりです。
【画像チェーン】
技術者は、画像チェーン内のあらゆるステップ、すなわち、生成、デジタル処理(カメラモジュール)、表示と描画、データ記憶、および送信/受信(エンコード/デコード)のためのソリューションを設計および開発しています。
STは、超高解像度(2Mピクセルおよび3Mピクセル-オートフォーカス)かつ小型化の制約条件に適合するICおよびカメラモジュールの開発と製造を行っており、携帯電話用カメラモジュール製造に関しては世界第1位のメーカーです。
その年間成長率は40%で、2005年以来1億個を超えるカメラモジュールを製造しており、この分野では引き続き成長が予測されます。
このセンターでは、HDTVデコーダ、ビデオ信号処理、デジタル・ビデオ・レコーダ/プレーヤ、およびディスプレイ制御装置(プラズマ、OLED、LED、CRT、その他)用のICを開発しています。これらのICは、復調器/デコーダの機能を備え、世界各地のほとんどのデジタルTV規格に適合しているため、メーカーおよび通信事業者は、世界中のあらゆる消費者の要求を満たすことができます。
STは、MPEG(MPEG2、MPEG4、H.264、VC1、その他)デコーダ・チップで世界第1位のサプライヤです。また、HDTVデコーダ・チップについても有数のメーカーです。
【携帯性と接続性】
STのグルノーブルCIISチームは、Nomadikプラットフォームのアーキテクチャおよび設計において中心的役割を果たしました。このプラットフォームは、携帯電話や携帯情報端末(PDA)などのモバイル機器でオーディオ・ファイルの読み取り、写真撮影、ビデオ撮影およびリアルタイム・ビデオ会話のセットアップを可能にする、モバイル・マルチメディア・アプリケーション・プロセッサです。このプロセッサは、高機能アクセラレータを使用した革新的アーキテクチャを採用することで、消費電力を低減しコストを最小限に抑えながら、卓越したビデオ品質を提供します。
STは、無線通信用コンポーネントで市場をリードするメーカーとして、携帯電話、BluetoothおよびWiFi用ソリューションの包括的な製品ラインを提供しています。
【コンバージェンスと通信】
STは、高速通信技術とデジタル・デコーダの2つの専門知識を活用して、家庭での高解像度ビデオへのアクセスを容易にすることを目指しています。これらのソリューションは、複数のサービス(音声、データ、ブロードバンドTV、その他)を提供することによって通信事業者のニーズに対応するとともに、消費者のニーズにも対応しています(無線ブロードバンド・ゲートウェイ、オンデマンド高解像度ビデオおよびテレビ電話用のデジタル・デコーダ)。
STのグルノーブルのチームは、アプリケーションのコンバージェンスに貢献し、これらのアプリケーションのユニバーサルなアクセスを実現します。
CIISは、Minalogic競争力クラスタにおいて進行中の複数プロジェクトにも積極的に参加しています。これには、組込みソフトウェア・オン・チップ(Embedded Software on-Chip)を開発するEmSoCプロジェクトや、小型化された次世代画像処理製品の開発に向けてSTのイメージング部門が推進しているその他の主要プロジェクトが含まれます。
最後に、STのInnovation and System Integration Centerは、同社のクロル・サイトとともに、グルノーブルに拠点を置く他の研究施設(とりわけMINATEC、INRIA、Verimag、CEA-Leti、CEA-Liten、CNRS、UJF、INPGおよびESRF)との緊密な関係を構築しており、、パートナーからも高い評価を受けています。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2005年の売上は88.8億ドルで、純利益は2億6600万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com