富士キメラ総研、世界のLED関連市場・光センサー市場調査結果を発表
世界のLED関連市場・光センサ市場調査を実施
LED・光センサ材料市場は2010年に1兆4,171億円(2006年比31%増)
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 表 良吉03-3664-5841)は、モジュール・ユニット6品目、発光素子6品目、受光素子・光センサ5品目、LED・光センサ材料6品目、関連部品材料5品目、計28品目の世界市場を調査分析した。その結果を報告書「2006 光産業予測便覧 Vol.3 LED関連市場・光センサ編」にまとめた。
LED・光センサ市場は数量が多く、低価格品が多い。青色LEDの開発により製品のバリエーションが増え、デジタル機器への搭載が進み、最近は高輝度化、高機能化が要求されてきた。そして、白色LEDの開発によりLEDは照明分野でも注目されるようになった。家庭用一般照明向けには今後も、高光量化、演色性、低価格化などを進めていくと予測される。また、LEDは、赤外光・可視光の光無線通信でも期待されている。
<調査結果の概要>
LEDは表示、光源、照明、通信の幅広い分野で使われ、青色LEDの製品化により新規用途が増え再注目されている。また、青色LEDに黄色の蛍光体を使って白色LEDが作られるようになり急速に白色LEDの市場が拡大している。例えば携帯電話用では、LCDバックライト向けに使われ、着信表示用、フラッシュライト向けにも白色LEDが使われるようになった。可視光LEDはここ数年AlInGaP(アルミニウム・インジウム・ガリウム・リン)などで高輝度化が進み全体の50%以上を占めるようになったが、そのため搭載個数が削減されている。また、携帯電話向け市場も飽和状態になりつつある。数量ベースでLED全体の約70%を占める可視光LED市場がここ数年減少傾向にあるため、LED全体でも数量ベースでの市場は減少している。そこで、LEDメーカー各社は、高輝度LED、白色LEDの新規市場開発に注力している。自動車の外装(ライト等)、内装(インパネ等)、アミューズメント機器、大型・中型バックライトなどの市場に注力しているが、最も注目されるのは家庭用一般照明である。LED家庭用一般照明では、当初2009年ごろまでに100lm/Wの白色LEDが製品化され、2012年ごろ照明市場が立ち上がると見られていたが、2006年に100lm/Wの白色LEDが製品化されたため、市場の立ち上がりが早まると期待される。
<製品分野別市場>
添付資料をご参照ください。
■モジュール・ユニット
光データリンク(光源にLEDを使用した光インターフェースモジュール)は、デジタルオーディオ、車載用、FA用が大きな用途である。デジタルオーディオはMD用が減少したがDVDプレーヤ用が増加している。車載用は欧州市場向け中心に拡大し、FA向けは堅調である。透過型フォトインタラプタ(発光素子と受光素子が向かい合う構造の1パッケージの光センサ)は、コピー機、FAXなどに8~10個搭載され、また、デジタルカメラのズーム、オートフォーカス用でレンズの位置あわせなどにも使用されている。自動車のハンドル用にも使用され市場は順調に拡大している。反射型フォトインタラプタ(発光素子と受光素子が同方向を向く構造を持つ1パッケージの光センサ)は、OA機器の用紙検知用が多い。今後は、火災報知器設置の義務化により、煙センサ用途の需要拡大が見込まれる。フォトカプラ(発光素子と受光素子の組み合わせで構成される絶縁素子)はFA・家電の電源周りに使われており、今後は、携帯電話の充電器用途において絶縁素子として拡大が期待されている。
■発光素子
対象6品目の2005年の市場は、前年比2.3%減の4,909億円となり、5,000億円を下回った。可視光、短波長、長波長、紫外光、白色のLEDトータルでは、数量は横ばい推移しているものの低価格化が進み市場が落ち込んでいる。可視光LEDは、高輝度化が進んでいるがセット製品における搭載量が減少しており、今後も金額ベースでは横ばいから微減とみられる。短波長LEDと長波長LEDを合わせた赤外光LEDは、リモコン、IrDA、フォトカプラ、フォトインタラプタ、光データリンク向けは拡大しているが、低価格化が激しく金額ベースでは当面微減が続くとみられる。白色LEDは、数量ベースでは増加しているものの、金額ベースでは低価格化が進み減少している。製品改良が進みアプリケーションが増えつつあるが、ニッチなものが多く、家庭用一般照明市場が立ち上がる2010年頃までは現在の状態が続くと考えられる。
■受光素子・光センサ
Si(シリコン)照度センサ、CdSセル、PbSセル、光電子増倍管、太陽電池(単結晶、多結晶、アモルファスシリコン、化合物)を対象とした。Si照度センサ市場は、CdSセルからの代替需要と、液晶バックライトの輝度制御や携帯電話用途等に需要を拡大していく見込みである。CdSセル、PbSセルはRoHS指令の影響により市場を縮小している。太陽電池市場は、環境問題、エネルギー問題などの観点から高成長が続く見通しである。原料となるSiの不足から需給が逼迫しているが、供給体制が整う2008~2009年頃には市場の拡大に拍車がかかると考えられる。タイプ別では変換効率やコストの問題から引き続きアモルファスシリコンが主流となる見込みである。
■LED・光センサ材料
化合物半導体(GaAs、GaP、GaN、その他)、単結晶シリコンウェハ、多結晶シリコン、LED封止材料、ダイボンド材料が対象。2005年のワールドワイド市場は、金額ベースで前年を8%上回り1兆円を超えた。化合物半導体は、セット機器の需要の低迷や最終製品価格の値下がりによるLED価格の下落から、GaAsやGaPの分野が減少した。GaNは青色LEDや白色LEDの好調な需要に支えられ、市場を拡大した。単結晶シリコンウェハは、材料となる多結晶シリコンの供給不足により、価格が上昇し市場が拡大した。多結晶シリコンも同様で、太陽電池向けの需要が旺盛なことから売り手市場となり、価格が高騰し、市場が拡大した。ダイボンド材料及びLED封止材料に関しても、白色LEDをはじめとしたLED需要が好調で市場を拡大している。
■関連部品材料
プラスチック光ファイバ、プラスチック光ファイバ材料、光導波路用ポリマー、リフレクタ、光触媒が対象。2005年のワールドワイド市場は、金額ベースで前年比18%増の136億円となった。プラスチック光ファイバは、ライトガイド向けと通信向けが好調で順調に市場を拡大している。通信向けでは、自動車内通信向けが欧州市場を中心に好調である。光導波路用ポリマーは、現状では研究開発向けで市場が小さいが、2008年に光インターコネクション市場が立ち上がり急拡大すると予測される。光触媒は、公共機関向け市場が拡大していたが、コストが高く、効果を測りにくいこと、そして清浄機器向けなどの需要が一段落したため、2005年に大きく落込んだ。しかし、外壁や窓ガラスコーティング向けなど他のアプリケーションは好調で、今後は急拡大すると予測される。
<調査対象>
●モジュール・ユニット:光データリンク(光源LED)、IrDAモジュール、リモコン用赤外線受光モジュール、フォトインタラプタ(透過型)、フォトインタラプタ(反射型)、フォトカプラ
●発光素子:可視光LED、赤外光LED、紫外光LED、白色LED、有機EL(照明用)、VCSEL(非通信)
●受光素子・光センサ:Si照度センサ、CdSセル、PbSセル、光電子増倍管、太陽電池
●LED・光センサ材料:化合物半導体、単結晶シリコンウェハ、多結晶シリコン、LED封止材料、蛍光体、ダイボンド材料
●関連部品材料:プラスチック光ファイバ、プラスチック光ファイバ材料、光導波路用ポリマー、リフレクタ、光触媒
<調査期間>
2006年9月~10月
<調査方法>
(株)富士キメラ総研専門調査員による調査対象・関連企業に対してのヒアリング取材及び(株)富士キメラ総研社内データベースの活用による調査・分析
以 上
資料タイトル:「2006 光産業予測便覧 Vol. 3 LED関連市場・光センサ編」
体 裁 :A4判 240頁
価 格 :95,000円(税込み99,750円)
調査・編集:株式会社 富士キメラ総研 研究開発本部 第一研究開発部門
TEL :03-3664-5815 FAX:03-3661-5134
発 行 所 :株式会社 富士キメラ総研
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