JT、米メディミューン社と抗体医薬候補品の導出に関するライセンス契約を締結
メディミューン社と
抗体医薬候補品について導出に関するライセンス契約を締結
JT(本社:東京、社長:木村宏)は、当社創製で現在前臨床試験段階にある抗体医薬候補品について、米国メディミューン社(MedImmune,Inc.)と導出に関するライセンス契約を、本日締結しました。
今回導出する医薬候補品は、免疫反応において重要な働きをするT細胞の活性化に関与するタンパク質であるICOS(Inducible costimulator)に対するヒトモノクローナル抗体です。
リンパ球中のT細胞は、抗原を認識し活性化する際に副刺激受容体からのシグナルによりその活性化が調節されます。この副刺激受容体のひとつがICOSであり、活性化T細胞やメモリーT細胞で強く発現が誘導されます。
今回導出する医薬候補品は、ICOSに結合し、ICOSの働きを阻害することにより活性化T細胞やメモリーT細胞によって起こる免疫反応を抑制する作用を持ち、免疫・炎症、アレルギー領域の疾患に対する抗体医薬品としての開発が期待されます。
今回の契約により、メディミューン社は、本抗体医薬候補品について日本を除く全世界での独占的開発・商業化権を有するとともに、全世界におけるその他の抗ICOS抗体の開発に関する一定の権利を有することになります。
なお、本契約締結に伴い、当社はメディミューン社から契約一時金を受領するとともに、今後の開発の進捗と一定の売上達成に応じたマイルストーンおよび上市後には売上高に応じたロイヤリティを受領することになります。
*ヒトモノクローナル抗体
ウイルスなどのある種の抗原に対して反応(結合)するヒト由来の単一の抗体のこと。ヒト由来であるため、拒否反応を受けにくい。
*副刺激受容体
T細胞上に存在し、抗原刺激と共にT細胞を活性化させたり、或いはその抗原に対して不応答の状態を起こす。
*メモリーT細胞
活性化T細胞の多くは死滅するが、一部のものは生き残りメモリーT細胞として長期生存する。メモリーT細胞は、抗原との再会によって迅速で大きな免疫反応を誘導できる性質を有している。
<メディミューン社の概要>
名称 : MedImmune,Inc.
本社 : 米国メリーランド州
発足 : 1987年6月
CEO兼社長 : David M. Mott(デイビッドM.モット)
売上高 : 1,244百万USドル(2005 年)
社員数 : 約2,500人
事業内容 :
医療用医薬品の研究開発、製造、販売を実施。感染症、免疫疾患、癌領域に集中した事業展開を行っている。