NIWS-FEGと日本IBM、住宅ローン事業の金融リスク計算をグリッドで高速化を実現
住宅ローン事業の金融リスク計算をグリッドで高速化
-従来比最大約50倍の処理能力を実現し、金融機関の競争力向上を支援-
ニイウス金融エンジニアリング・グループ(代表取締役:中林三平、以下NIWS-FEG)と日本IBM(社長:大歳卓麻、NYSE:IBM)は、NIWS-FEGが金融機関向けに提供する、住宅ローン事業等の金融リスク計算について、分散するコンピューター資源を共有して一つの高性能なシステムとして利用するグリッド・コンピューティング技術と、IBMのブレードサーバーである「IBM (R) BladeCenter (R) 」を活用することにより、従来比最大約50倍の高速化を実現しました。これにより、従来よりも高度なシミュレーションが実現可能となり、金融機関の事業の安定化や競争力向上をさらに支援できるようになります。
金融機関が住宅ローンなどの貸付業務を行う際に、金利動向や繰上げ返済、貸付金額が戻らない可能性など、さまざまなリスクを想定したシミュレーションを行う金融リスク計算の重要性が増しています。住宅ローンには債務者自体のデフォルト・リスクに加えて、繰上返済によって残高や元利返済額が変化するプリペイメント・リスクが存在します。さらに金利タイプや固定期間が多種多様であり、融資期間も長期にわたるため、将来のキャッシュフローを推計するには高度な技術が必要となります。
また、キャッシュフローの推計結果をリスク管理や営業活動に活用するためには、その目的に適した評価指標の設定と算出(アウトプット設計)が必要となります。市場の変化が激しい中で、精緻なシミュレーションを活用した高速で高度な金融リスク計算サービスが競争力の鍵となっており、そのニーズが高まっています。
NIWS-FEGでは、金融業務への知識と金融リスク計算のノウハウを活用して、銀行などの金融機関向けに各事業の金融リスク計算を代行するサービスを提供しています。同時に、豊富な審査モデルの構築・導入コンサルティングの経験とそれに裏打ちされたノウハウを活用し、各金融機関のニーズに応じたシステムとアウトプットの設計・導入をサポートします。
今回グリッド・コンピューティング技術を活用することによって大幅に高速化した「住宅ローン・ポートフォリオ評価モデル」では、確率金利モデル(契約期間内で金利が変動していくモデル)とハザードモデル(契約後の経過期間によってリスクが発生する確率の違いを考慮したモデル)を組合わせたモンテカルロ・シミュレーションを採用し、住宅ローンのキャッシュフロー推計を実現します。
今回の検証では、NIWS-FEGのプログラム実行にIBMのブレードサーバーである「IBM BladeCenter」を使用し、プラットフォーム社のグリッド用ソフトウェア「Platform LSF」を採用したグリッド・コンピューティング・システムを構築しました。その結果、通常の複数台の高性能PCを使用した金融リスク計算に比べて、最大約50倍の高速化を実現しました。これにより、例えば56台のBladeCenterを使用した場合、360カ月の月次キャッシュフロー・シミュレーションを10,000シナリオ辺り約4.5時間で実行することが可能となり、より高度な金融リスク計算に対応できるようになります。これらの検証は、日本IBMの検証センターである「東京イノベーション・センター」(東京都渋谷区)を活用して実施しました。
NIWS-FEGでは、今回の検証結果を活用し、より高度な金融リスク計算を求めるお客様ニーズに対応し、金融機関のお客様向けサービスを拡充していきます。
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