住友商事、南アフリカの鉄鋼原料資源会社の権益を約80億円で取得
住友商事株式会社、南アフリカ共和国へ約80億円を投じ、
鉄鉱石、マンガン資源会社Assmang(アソマン)の権益を確保
住友商事株式会社(社長:岡 素之、以下住友商事)は、1月10日、南アフリカ共和国(以下南アフリカ)の鉄鋼原料資源会社であるAssmang社の権益保有持ち株会社であるOresteel Investments Limited(以下 Oresteel(オアスチール))の株式20%を、同国のOld Mutual グループ(以下Old Mutual)より、総額約80億円にて取得しました。
本件は、日本企業による同国の資源事業への投資額としては過去最大級の規模となります。
Assmang社は、南アフリカにて鉄鉱石、マンガン鉱石、クロム鉱石、マンガン系合金鉄及びクロム系合金鉄の生産を行っている資源鉱山会社で、OresteelはAssmang社の権益保有持株会社です。
今回の当社による株式取得の結果、Assmang社の創業家の一つであるサッコ家が60%、Old Mutualが20%、当社が20%の資本構成となりサッコ家と当社の関係が強化されます。(Assmang社を巡る資本関係は、下記のグループ組織図を参照)
<Assmangグループ組織図>
添付資料をご参照ください。
Assmang社は、高品位鉄鉱石、高品位マンガン鉱石及びクロム鉱石の3つの鉄鋼原料資源を保有する世界でも類を見ない資源鉱山会社です。
現在年産600万トンの鉄鉱石は、2008年に新規クマニ鉄鉱山の生産を開始し、2015年には1600万トンまで年間1000万トンの増産を予定しており、今後鉄鉱石事業の飛躍的拡大が見込まれます。クマニ鉄鉱山開発は、既存の鉄道及び港湾の拡張を行い、開発コスト及び操業コスト面での相対的競争力のある案件です。
また、同社の高品位マンガン鉱石の埋蔵量は、世界でも最大規模で、鉄鋼業には不可欠なマンガン鉱石を保有する同社の将来のマンガン事業のポテンシャルに大いに期待できます。
<Assmangグループの事業拠点位置図>
添付資料をご参照ください。
住友商事は、独立系ソースであり、また貴重な塊鉱ソースであるAssmangの権益確保への投資を通じ、鉄鉱石需要の拡大の続く中国及び需要堅調な日本の鉄鋼業に寄与できると考えています。
また、資源の上流権益確保のポートフォリオとして、石炭に次ぐ鉄鋼原料資源を確保できること、並びに今後の経済成長が期待されている南アフリカへの大きな投資という点で、意義があると考えています。
住友商事はAssmang社とは、過去30年以上に亘り、鉄鉱石の日本向け輸入を皮切りに、マンガン鉱石及び合金鉄のビジネスを通じ取引関係があり、合金鉄では合弁事業もおこなっております。1994年には黒人新政権となった新生南アフリカ共和国への日本からの最初の投資としてAssmang社の株式を1%取得し、その後の同国の経済発展に注目し、今後の更なる経済成長地域であると捉え、今回の投資を実行したものです。
今回の株式取得により、創業家と戦略的パートナーシップとしての新たな関係を構築し、今後Assmangグループと多岐に亘る事業分野での関係強化を目指して行きます。
(注)BEE企業:Black Economic Empowerment の略。南アフリカ政府は黒人の経済力向上を目的として、業種ごとに一定比率でのBEE企業の所有権の保有を義務づけています。