横浜ゴム、日本道路と共同開発の「多機能型弾性舗装」で高い騒音低減効果を実証
廃タイヤを利用した舗装で騒音を10分の1に低減
座間市役所前の市道にテスト施工
横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、騒音対策のため日本道路(株)と共同開発を進めている「多機能型弾性舗装」を、神奈川県座間市役所前の市道17号線に試験施工し、高い騒音低減効果を実証した。現場測定では既設の密粒度アスファルト舗装に比べ時速40キロメートルで10デシベルを超える騒音低減効果が得られた。車両通行量が約10分の1に減少したのと同じ効果がある。従来の低騒音舗装(排水性舗装)の場合、同じ時速での騒音低減効果は2~3デシベル程度だった。
「多機能型弾性舗装」は廃タイヤを粉砕したゴム粉と珪砂を骨材に使い、これらをウレタン樹脂で接着固化させる舗装技術。減音効果が大きいのは、舗装内部の空隙が多く(空隙率20~30%)弾性があり、タイヤに起因する騒音(振動音)が抑えられると同時に高い吸音効果が得られるため。そのほかにも多機能を備え、弾性により車両の重さで氷が粉砕され路面が凍結しにくいのも特長。空隙率が高いことから排水性にも優れ、雨天時のスリップや水はね防止の効果も期待できる。
今回施工した「多機能型弾性舗装」は、弱点であったウェット時の耐滑り性や耐摩耗性などの耐久性を多孔質弾性舗装研究会(独立行政法人土木研究所、財団法人土木研究センター、民間ゴム会社5社、民間道路会社7社からなる研究会)の研究成果を基に大幅に改良した。このタイプの舗装には1メートル四方のパネルを現場で下地に接着させるパネルタイプと、従来のアスファルト舗装のように現場で材料を混練し下地に敷設する現場施工タイプがある。横浜ゴムが開発しているのは現場施工タイプ。