エデルマン・ジャパン、「ブログと政治的活動」をテーマにした調査結果を発表
世界最大の独立系PRコンサルティング会社エデルマン
日本を含む世界主要国における
「ブログと政治的活動」をテーマにした調査結果を発表
-ブログの閲覧を契機に政治的活動を行う割合は、日本では他国に比べて低い-
-その一方で、ブログはインフルエンサーに影響を与える手段-
日本におけるプレミアム・インターナショナルPRコンサルティング会社であるエデルマン・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ロバート・ピカード、以下:エデルマン)は本日、「ブログと政治的活動」をテーマにしたブログ利用動向調査(Edelman International Blogging Study)の結果を発表いたしました。本調査は、エデルマンの調査コンサルティング子会社StrategyOne社の協力の下、日本をはじめとする主要国を対象に実施しました。
なお、調査概要については、本リリースの末尾をご参照下さい。
日本国内では公職選挙法の規定により、選挙期間中のインターネットを利用した選挙活動が制限されており、候補者はウェブサイトの更新や電子メール配信を自粛しているのが現状です。その一方で、昨今のブログの隆盛により、ブログを通じた政策論争や世論形成を行おうという動きが一般市民の間にも見られはじめ、ブロガーとのコミュニケーションを積極的に図っている政党も出てきています。
こうした状況を踏まえ、エデルマンではブログの閲覧が、その後どのように政治的行動を促すのかを把握することを目的に調査を実施しました。
【 「ブログ利用動向調査」 結果サマリー 】
・日本ではブログ閲覧を機に何らかの政治的活動に参加する人の割合が低い(18%)
・インフルエンサー(※1)の中で、ブログ閲覧を契機に政治的行動をとる人の割合は、普通の人に比べどの国でも高い(日本では11ポイント差)
・政治的活動への参加率はブログ閲覧者のほうが高い傾向にある・日本のインターネット利用者の大多数が最低週一日はブログを閲覧している(※2)
・日本においては「若年層」、「女性層」がブログを閲覧している割合が高く、若年層ほど政治的活動への参加率も高い
●ブログ閲覧が政治的活動に結びつく契機となる割合は日本が最も低い
ブログを閲覧した結果、何らかの政治的行動を起こしたことがあるかどうかについて質問したところ、日本の回答者の約2割(18%)がブログの閲覧後に何らかの行動を起こしたと回答しました。この数字は韓国(19%)に近いものですが、イギリス(28%)、フランス(27%)、米国(28%)等と比較すると非常に少ないと言えます。
●ブログはインフルエンサーに効果的に影響を与える手段
一方、インフルエンサーに目を向けてみると、ブログ閲覧後に何らかの政治的行動を起こしたことのある回答者の割合は日本では29%となり、一般回答者より11ポイント高い結果が得られました。また海外では韓国(41%、22ポイント増)、イギリス(48%、20ポイント増)、米国(49%、21ポイント増)と、日本と比較して非常に高い数値を示しています。
●ブログ閲覧者は比較的政治的活動に積極的
過去12ヶ月間で回答者が参加したことがある活動としては、日本では「署名にサインした」(18%)が最も多く、次いで「市民集会に参加した」(9%)が上位に挙がりました。同じ質問に対し、ブログ閲覧者はそれぞれ「署名にサインした」(21%)、「市民集会に参加した」(11%)と回答しており、ブログを閲覧している回答者が政治的活動に参加した割合は、ブログを閲覧していない回答者に比べて高いことが分かりました。同様の傾向は海外でも見られ、フランスでは、ブログ閲覧者の56%が「署名にサインした」ことがあり、ブログを閲覧していない回答者の37%を大きく上回る結果が得られました。
エデルマン北アジア地区代表も兼務するロバート・ピカードは次のように述べています。
「欧米では立候補者の選挙活動におけるインターネット活用が認められていることもあり、オンラインでの活動がオフラインでの政治的行動に結びつきやすい傾向が強くありますが、日本でもブログ閲覧が政治的行動を促す効果があることはこの調査結果から窺うことができます。今後日本でも政治に関する話題がインターネット上でこれまで以上に盛んに行われるようになり、ブログという情報発信手段を得た個人の力(=メディア化)によって、政治活動でのインターネットの活用の考え方そのものが、変化を余儀なくされる日は近いかもしれません。それは様々なオンライン上の変革の過程と同じであるといえます。」
●日本のインターネット利用者の大多数が最低週一日はブログを閲覧している
日本では、本調査に参加した回答者の約4分の3(74%)が毎週最低1日はブログを閲覧していと回答しました。この数字は半数未満の韓国(43%)、4分の1強の米国(27%)、4分の1未満のイギリス(23%)、フランス(22%)と比較して圧倒的に高い数値といえます。(※2)
●日本においては「若年層」、「女性層」がブログを閲覧している割合が高い
日本におけるブログ閲覧頻度に関しては、回答者が若ければ若いほど(特に35歳以下)ブログを閲覧する頻度が高く、18歳~24歳の世代は平均的に週5日以上ブログを閲覧しており、年齢が強く影響していることが分かりました。同様の状況は他国でも見られ、これは世界共通の傾向であるといえます。特に、18歳~24歳のグループの約4割(38%)は毎日ブログを閲覧していると回答しています。ブログ閲覧の頻度に関しては日本では女性が男性より高いという結果が得られました。
●若年層のブログ閲覧者ほど政治的活動に積極的
ブログの閲覧を契機に何らかの政治的行動を起こしたという回答者を年代別にみると、18歳~34歳が22%、35歳~54歳が20%、55歳以上が11%と、若年層ほど政治活動にも積極的であることが分かります。これはアメリカでは年代が高くなるほど政治活動への参加率が高くなっている(18歳~34歳が25%、35歳~54歳が29%、55歳以上が32%)のとは逆の傾向にあるといえます。
エデルマン・ジャパンのデピュティ マネージングディレクターである熊澤啓三
は次のように述べています。
「昨今日本においては、無党派層に代表されるような若年層の取り込み重要性が高まっています。その意味においては、政治的活動に関心の高いブログ閲覧者への積極的な働きかけは重要であり、今後の選挙結果を左右する大きな要因になりうることも予想されます。また春の統一地方選挙や夏の参議院選挙などにおけるブログやインターネット上のコミュニケーションがどのような影響を及ぼすか、特に政治に携わるすべてのコミュニケーション担当者は注視する必要があります。」
【 ブログ利用動向調査(Edelman International Blogging Study)について 】
ブログ利用動向調査(Edelman International Blogging Study)は、エデルマンの子会社である調査会社、StrategyOneによって行われました。日本における調査は、調査パネルからサンプルを抽出するオンライン調査方式で実施し、本調査結果レポートにおいて参照している他の国々の調査に関しては、一般属性におけるオムニバス調査方式で実施されました。本調査は、日本をはじめとする主要国(日本、韓国、イギリス、フランス、アメリカ、ポーランド、ベルギー、中国、ドイツ、イタリア)の合計9,917名を対象に、2006年11月に実施されました。
日本におけるサンプルは1,000人の回答者から構成されています。
(※1)インフルエンサーとは、ここでは以下の政治に関する活動のうち最低3つに関与した経験のある人を対象としています。
・政治家に手紙・電話したことがある
・政治集会・討論・集団抗議に参加したことがある
・地域問題に関する市民集会に参加したことがある
・政党事務局を開催・運営したことがある
・地域団体の運営委員会に参画したことがある
・政治的組織の役員・幹事を務めたことがある
・新聞・雑誌・ラジオ放送・テレビ番組などに投書したことがある
・署名にサインしたことがある
・政党のために働いたことがある
・公衆演説を行ったことがある
・雑誌もしくは新聞に記事を書いたことがある
・政府・行政に働きかけを行う団体で活動したことがある
(※2)日本における調査は、一般属性とは異なり、インターネット利用者のサンプルを対象とするオンライン調査方式で実施されたため、ブログの閲読率が(他の国と比較して)高い等、調査結果の一部に影響を及ぼしている可能性があります。
【 エデルマンについて 】
エデルマン( www.edelman.com )は1952年に創立され、現在世界24カ国47拠点、2,500名以上の社員を擁し、年間売上収益約3億3千7百万米ドル(約400億円)を誇る、世界最大の独立系PRコンサルティング会社です。日本におけるプレミアム・インターナショナルPRコンサルティング会社であるエデルマン・ジャパン( www.edelman.jp )は、日本市場における国際的な企業や海外市場での飛躍を目指す日本企業に、CSR(企業の社会的責任)関連のコンサルティング、クライシス・コミュニケーション、新興のブログやパーソナルメディアにいたるまでの包括的サービスの提供を通じて、新時代のPRのスタンダードを確立に向け、日々プロフェッショナルな活動しております。