ノエビア、生体内たん白質の育毛に作用する効果など研究成果を発表
生体内たん白質の育毛に作用する効果
ノエビアは、Wnt5a(生体内たん白質の一種)が低栄養条件下の毛乳頭細胞死を抑制することを発見しました。また、精油成分(フェニルエチルアルコール)がWnt5aの遺伝子レベルでの発現を増加させる作用を見出しました。
この研究成果を応用して、今夏、育毛剤を発売する予定です。
日本薬学会第127回年会(富山)にて発表
(株)ノエビア(最高執行責任者:大倉俊(たかし))は、慶應義塾大学医学部(松岡正明 同大学医学部助教授)との共同研究により、Wnt(ウィント)(生体内にあるたん白質)が毛乳頭細胞へ及ぼす影響について研究を進めてきました。その結果、生体内成分Wnt5aの育毛に作用する効果を発見し、さらに、精油成分がWnt5aの遺伝子レベルでの発現を高める作用を見い出しました。この研究成果は2007年3月28~30日に富山で行われる「日本薬学会第127回年会」にて発表します。
【 研究の背景 】
Wntは生体内にあるたん白質で、主に生物が生まれる前後の器官の形成に関与することが知られています。現在19種類見つかっているWnt の中の数種類は毛包の形成に関わっていると考えられていますが、それらの機能はまだ十分に解明されていません。
毛乳頭細胞は、毛の伸長に関わる毛母細胞の機能を調節し、発毛・育毛に重要な役割を果たしています。そこで、ノエビアでは慶應義塾大学医学部と共同研究を行い、毛乳頭細胞に影響するWntを調べました。
【 低栄養状態における毛乳頭細胞死に対するWnt5aの保護作用 】
低栄養条件では毛乳頭細胞は死んでしまいますが、この条件下で各種のWntたん白質を作用させたところ、Wnt5aに細胞死を防ぐ効果のあることを発見しました(図1)。Wntはこれまで、特に生物の生まれる前後の器官形成に大きく関与することは知られていましたが、各種Wntの機能は十分に解明されておりません。今回のWnt5aの毛乳頭細胞死に対する保護作用は、育毛研究に大きく貢献したものと考えます。
また、Wnt5aの遺伝子レベルでの発現に影響を与える化合物を調べた結果、フェニルエチルアルコール等の精油成分にWnt5aの発現を増加させる作用が認められました(図2)。
この研究成果を応用して、今夏、育毛剤を発売する予定です。
(※参考資料あり)