STマイクロ、フラウンホーファーIISと「DRM」専用ソリューションを共同開発
STマイクロエレクトロニクスは、フラウンホーファーIISと
Digital Radio Mondiale専用ソリューションを共同開発
デジタル・ラジオ技術のリーダーであるSTマイクロエレクトロニクス(http://www.st-japan.co.jp/、NYSE: STM、以下ST)とフラウンホーファー集積回路研究所(Fraunhofer IIS)は、据置型および携帯型ラジオ、カーラジオ、ソフトウェア・ラジオ、および携帯情報端末(PDA)などのDigital Radio Mondiale(TM)(DRM(TM))アプリケーション専用の低消費電力特定用途向け集積回路(ASIC)の共同開発契約に合意したことを発表しました。このASICによって、リスナーは放送局名またはIDを使って自分のラジオでDRMを受信することができます。
このASICはDRMのサービスを高音質で、さらに、データおよびテキストを音に統合して提供することができます。
Digital Radio Mondialeとは、国際電気標準会議(IEC)および欧州電気通信標準化機構(ETSI)により標準化された、世界共通のオープン・スタンダード・デジタル・ラジオ・システムで、FM同等の音質を得ることができます。また、長波(LW)、中波(MW)、短波(SW)の周波数を使用し、世界中で利用することができます。極めて優れた高品質のオーディオを提供し、インタフェースを選ばず受信が可能であることに加え、DRMシステムでは曲名、アーティスト名、放送局名などの新しいマルチメディア・コンテンツがリスナーに提供され、これらがDRM受信機に表示されるため、ラジオを聴く楽しみが増えます。
DRMでは、新たな周波数分配が必要なデジタル・ラジオ・システムと異なり、既存のAM放送周波数帯(30MHz以下)をより効率的に使用します。DRM信号はAM放送用周波数帯の計画に適合しており、多くの既存AM送信機で容易に伝送できるため、従来の送信インフラストラクチャを低コストで簡単にアップグレードできます。
フラウンホーファーIISの通信システム用集積回路グループ・マネージャ兼デジタル放送システム・プログラム・マネージャであるMichael Schlicht氏は次のようにコメントしています。「ラジオ・メーカ、放送局、そしてリスナーは、STのような業界をリードする企業とフラウンホーファーIISが共同開発を行うことにより、さまざまなメリットを享受できます。STは、フラウンホーファーIISのDRM受信機技術とCoding Technologies社が提供するオーディオ・コーディング・ライブラリを使用し、DRM用の完全なソリューションを製造するために必要な全てのコンポーネントを供給できます。」
STの車載用製品グループのデジタル放送ラジオ部門ジェネラル・マネージャであるRiccardo Ferrariは、次のようにコメントしています。
「DRMベースバンド処理におけるフラウンホーファーIISの技術と知的財産権を組合わせて最終的な集積回路の専用プラットフォームを製造することにより、STはフランス放送通信公社(TDF)によるシステム検証サポートを受けた上で、今後数年のうちにラジオ市場を活性化する最先端のインフォテインメント・ソリューションを提供します。」
Digital Radio Mondialeコンソーシアムの会長Peter Senger氏は、次のようにコメントしています。「これらのDRMメンバーが、互いの能力を補完し合いながら、技術革新をもたらす製品の共同開発に合意したことを嬉しく思います。
オーディオ(音)とデータ(文字)の両方に対応するDRMの機能により、従来のラジオ市場に新たな命を吹き込み、高品質の音声放送と共に、ニュース、天気、交通、その他の情報を広い範囲でデータとして送信するという新しい世界が広がります。」
Digital Radio Mondialeの詳細については、http://www.drm.org.をご覧ください。
フラウンホーファー研究機構およびフラウンホーファーIISについて
フラウンホーファー研究機構は、ヨーロッパ最大の応用技術研究機構です。
ドイツ国内の56の研究所のほか、ヨーロッパ、米国およびアジアに多数の国際研究センターおよび連絡事務所があり、卓越したトップクラスの応用研究開発で高い評価を受けています。約1万2,500人の職員は、その多くが資格を持つ科学者と技術者であり、10億ユーロを超える年間研究予算で研究業務を行っています。
エルランゲン(ドイツ バイエルン州)にあるフラウンホーファー集積回路研究所(IIS)は1985年に設立され、現在職員数は480名で、人数および予算においてフラウンホーファー研究機構の中で最大規模の研究所です。
フラウンホーファーIISは、オーディオ・コーディング方法MP3の開発により、世界的認知度を確立しました。
フラウンホーファーIISは、オーディオおよびビデオのソース・コーディング、マルチメディアのリアルタイム・システム、デジタル・ラジオ放送およびデジタル・シネマ・システム、ICおよびセンサ・システム、設計自動化、無線/有線および光ネットワークローカライゼーションおよびナビゲーション、画像システムおよびナノフォーカスX線技術、高速カメラ、医療用センサ・ソリューション、および輸送/流通における通信技術の分野で、契約条件およびライセンス技術による調査業務を行っています。5,800万ユーロの予算は主に、業界および公共機関のプロジェクトにより提供され、州および連邦政府の資金による助成は20%未満です。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。
2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com
◆お客様お問い合わせ先
〒108-6018 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟18階
STマイクロエレクトロニクス(株)
Automotiveグループ
Digital Radio製品部
TEL:03-5783-8260 FAX:03-5783-8216