フリースケール、光速での「トリプル・プレイ」を実現するVoIP対応のSoCを発売
フリースケールのGPON(Gigabit Passive Optical Network)、光速でトリプル・プレイを実現
CPU、DSP、およびデータパス・エンジン技術を統合した初のVoIP対応SoCを市場に投入し、IPパケットと光ネットワークのコンバージェンスを実現
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:高橋恒雄)は、業界初のVoIP対応GPON(Gigabit Passive Optical Network)SoC「MSC7120」を発表しました。MSC7120は光ファイバを介した家庭や小規模オフィスへのリッチ・デジタル・コンテンツ配信の実現を加速させます。
マルチコアのMSC7120は、Power Architecture(tm)テクノロジに基づくプロセッサ、StarCore DSP、およびデータパス・エンジンを統合し、完全なPONサブシステムをシングル・デバイスで実現しました。このデバイスは、家庭や小規模オフィス向けの「トリプル・プレイ」(音声、映像、およびデータ)ブロードバンド・サービスの配信などで求められる高速データ転送のニーズに対応します。
フリースケールのデジタル・ホーム・ディビジョンのディレクタ兼ジェネラル・マネージャであるリトゥ・ファブレは次のように述べています。「業界をリードするインテグレーション技術、高い処理性能および高い量産化対応力により、MSC7120は、光ファイバ技術によるブロードバンド・データ配信を新たなレベルへと引き上げます。この新しい製品は、フリースケールの強力な業界リレーションシップおよびPON分野での実績ある歴史と共に、フリースケールがGPON市場で早期のリーダーシップを確立するための原動力となるでしょう。」
MSC7120は、世界をリードするGPON機器サプライヤであるAlcatel-Lucentとの協業によって開発されました。今回の開発は、互換性、相互運用性、そしてコストパフォーマンスに優れたGPON技術の製品化を目指す協業に両社が合意した2005年に開始されました。
Alcatel-Lucentのアクセス部門担当上席副社長であるMike Dobbs氏は、次のように述べています。「GPON市場をリードする当社は、今回の発表をGPON技術の進化と成熟の実例と捉えています。フリースケールは、実績ある技術を持っており、今回の重要なステップによってネットワーク機器コミュニティは業界互換性を持つGPON機器を低価格で提供できるようになります。」
GPON技術は、光ネットワークへのIPパケットのコンバージェンスをサポートし、現在のDSL (Digital Subscriber Line)やDOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specifications)ベースのネットワークをはるかに超える通信速度を可能にするため、HDTV(高精細テレビ)やビデオ・オン・デマンドなど、帯域幅を大量に消費する「トリプル・プレイ」の実現に大きく貢献します。
市場調査会社のIDCでは、世界中の家庭および小規模オフィスのブロードバンド加入件数が、2010年までに4億件に達すると予測しています。
ブロードバンド加入者が世界中で増大し、「ラストマイル」のインフラにおいてリッチ・コンテンツをエンド・ユーザに提供することが困難になりつつある現状で、GPONは、この問題を解決する新しいソリューションとして注目を集めています。
IDCのシニア・リサーチ・アナリストであるAileen Arcilla氏は、次のように述べています。「これから数年のうちにGPON技術は、現在のアクセス・ネットワークの帯域幅増大という要求に対応し、“トリプル・プレイ”サービスの中でも特に映像への要求に通信業者が対応するための重要なソリューションとなるでしょう。」
MSC7120について
MSC7120は、フリースケールのMSC711x DSP製品が持つ高い音声チャネル密度に、PowerQUICCIIProプラットフォーム、GPONメディア・アクセス・コントローラ(MAC)、そしてフリースケールのデータパス・エンジンによる高速ネットワーキング能力を組み合わせています。このデータパス・エンジンにより、ギガビット・レベルのワイヤレートのパケット転送速度を実現します。この製品は、G.984 GPON GEMプロトコルをサポートし、ITU-T標準に準拠するよう設計されています。
開発ツールおよびソフトウェア
MSC7120には、開発ツール、ハードウェア・プラットフォーム、ソフトウェア構築ブロック、および特定用途向けソフトウェア・ソリューションが用意されています。ソフトウェアには、StarCore DSPおよびPower Architectureコアのリアルタイム・オペレーティング・システム・サポートや、さまざまなアプリケーション・ソフトウェア(DSPボイス・フレームワーク、シグナリング・スタック、およびGPONソフトウェア・スタックなど)が含まれます。
Alcatel-Lucentとフリースケールとの提携により、端末ベンダは、Alcatel-Lucentの7342 ISAM FTTU(Fiber-To-The-User)製品ファミリに準拠したGPON用リファレンス・デザインおよびサポートなど、重要な技術のライセンス供給を受けることができます。2007年2月に発表された両社の提携は、共同開発されるGPON技術や相互運用性の仕様によって、FTTH(Fiber-To-The-Home)技術の導入を促進します。その結果、量産に対応した標準準拠のGPON ONT用リファレンス・デザインによって、製品の開発がスピードアップします。
またフリースケールは、他のお客様の協力も得て、さまざまな仕様と相互運用性の保証に努めています。さらにフリースケールは、2007年5月に開催されるFull Service Access Network(FSAN)グループ相互運用性イベントにも参加します。
価格と供給
フリースケールは、MSC7120(456ピンのTEPBGAパッケージ)のサンプル供給を開始しています。価格についてはフリースケール営業所にお問い合わせください。
フリースケールのStarCore DSPについて
フリースケールのStarCore DSP技術は、業界最高クラスの先進的で柔軟かつパワフルなデジタル信号処理デバイスに採用されています。
この技術は、現在および今後の市場要求に対応できる高度なDSP製品の開発を可能にします。StarCore技術は、低消費電力、より少ない部品数、およびコストで、より多くのアプリケーションの動作を可能にします。フリースケール・セミコンダクタは、StarCoreアーキテクチャの今後のロードマップを積極的に作成しています。
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ・インクは、自動車用、民生用、産業用、ネットワーキングおよびワイヤレス・マーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界30カ国以上の国で、半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。フリースケールは世界的な大手半導体メーカーです。2006年度の売上高は64億ドル(USD)でした。
詳細は、http://www.freescale.com (英語)、またはhttp://www.freescale.co.jp/(日本語)をご覧ください。
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