東京電力、石炭灰を再生利用した「ヒートアイランド抑制ブロック」の実証試験を開始
石炭灰を再生利用した「ヒートアイランド抑制ブロック」の実証試験開始について
~東京都千代田区様と共同で、冷却効果の持続性と耐久性を検証~
当社は、本年4月17日より、東京都千代田区様と共同で、同区大手町の歩道において、石炭火力発電所で発生する石炭灰を再生利用して保水性を高めた「ヒートアイランド抑制ブロック」の実証試験を開始いたします。
路面アスファルトの高温化は、ヒートアイランド現象の一因とされており、その解決が喫緊の課題となっております。
こうした中、当社は、従来から土地造成材やセメント原料として100%リサイクルしている石炭灰のさらなる有効活用を検討してまいりましたが、平成17年7月、東電環境エンジニアリング株式会社(当社の100%子会社)とともに、これを再生利用した「ヒートアイランド抑制ブロック」を開発いたしました。
開発したブロックの原料は、ブロックを硬化させるセメントを除き、火力発電所から出る石炭灰など再生材を有効利用しております。また、製造にあたっては、「無焼成レンガブロック製造技術(注)」の特許実施権を所有する東電環境エンジニアリングが担当し、製造に伴うCO2排出量の抑制を実現しております。
当社は、本ブロックについて、技術開発本部でフィールド試験を実施し、高い冷却効果と舗装材として十分な強度を有していることを確認しておりますが、引き続き、冷却効果の持続性と耐久性を検証するため実証試験を行うこととしたものです。
具体的には、東京都千代田区様にご協力をいただき、同区大手町1丁目の区道に、2種類の「ヒートアイランド抑制ブロック」と一般的なアスファルト舗装を敷設して、それぞれの表面温度を自動計測するとともに、日照条件の影響を検証いたします。あわせて、歩行者の往来などによる摩耗や劣化状況など耐久性についても検証を進めてまいります。
詳細は、別紙のとおりです。
当社は、早ければ平成19年度中の実用化を目指して実証試験を進めるとともに、今後とも、循環型社会の実現およびヒートアイランド対策に貢献してまいります。
以上
(注)無焼成レンガブロック製造技術
粘土や砂などの原料に、セメントと水分を加えて混合したものを、真空吸引に
より脱気しながら押し出し成形することにより、焼成せずに固形化する技術。無
焼成のため、製造に伴うCO2の排出量を抑制できる。
【 添付資料 】
・別紙1:「ヒートアイランド抑制ブロック」の概要
・別紙2:「ヒートアイランド抑制ブロック」の実証試験の概要
・参考:「ヒートアイランド抑制ブロック」のフィールド試験の概要