帝人ファーマ、喘息治療用吸入ステロイド剤「オルベスコ」の製造販売承認を取得
医療用医薬品 喘息治療用吸入ステロイド剤
『オルベスコ(R)』の製造販売承認取得について
帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大八木 成男)は、4月18日、成人気管支喘息治療用の吸入ステロイド剤としては日本で初めての1日1回投与製剤である「オルベスコ(R)」(一般名:シクレソニド)の製造販売承認を取得しました。
「オルベスコ(R)」は、当社がドイツのアルタナ・ファーマ社(欧州のニコメッド・グループ)より日本での開発・輸入販売権を取得し、国内開発を行ってきた定量噴霧式エアゾール剤です。新たな合成ステロイドであるシクレソニドを主薬としており、欧州では2005年から発売され、既に世界の40カ国で承認されています。
現在、喘息に罹患しているのは、世界で約3億人、日本で300~400万人と言われています。また、喘息は「気道の慢性炎症」という捉え方が深く浸透しており、抗炎症作用を持つ吸入ステロイド剤の投与が、喘息予防・管理ガイドラインにおいて推奨されています。当社では、これまでにない新規吸入ステロイド剤「オルベスコ(R)」の提供により、軽症から重症までの喘息患者さんの呼吸機能および喘息症状の長期コントロールに貢献していきたいと考えています。
なお、当社では近く本剤のプロモーション活動を開始し、薬価収載後は速やかに発売する予定です。
【 「オルベスコ(R)」の主な特徴 】
1.成人用として日本初となる1日1回投与の吸入ステロイド剤です。
「オルベスコ(R)」は、主薬であるシクレソニドの薬理学的および薬物動態学的特性により肺内に長時間滞留することから、成人用としては日本で初めての1日1回の投与で高い有効性を示す吸入ステロイド剤として承認されました。
また、「オルベスコ(R)」はシクレソニドが溶液となっているエアゾール剤であり、微細粒子の割合が高いことから、薬物の肺内到達率が約52%(海外データより引用)と高いのが特徴です。
(但し、1日800μgを投与する場合は、朝・夜の1日2回に分けて投与することになります。)
2.肺で活性化される局所活性化型の吸入ステロイド剤であり、口腔咽頭部の副作用軽減が期待されます。
本剤は吸入投与後に、主薬であるシクレソニドが肺でエステラーゼという酵素による加水分解を受けて、活性代謝物に変換される局所活性化型の吸入ステロイド剤です。また、薬剤の口腔内付着率が低いことから、吸入ステロイド剤で発現しやすいと言われている口腔咽頭部の局所副作用(嗄声、口腔内カンジダ症など)の軽減が期待されます。
さらに、タンパクへの結合親和性が高く、全身性の副作用を起こしにくいという特徴があり、肝臓での代謝も速いことからタンパクに結合した分子がすばやく不活性化して体内から排出されます。
【 承認内容の概要 】
■承認取得日:2007年4月18日
■製 品 名:オルベスコ(R)50μgインヘラー112吸入用
オルベスコ(R)100μgインヘラー112吸入用
オルベスコ(R)200μgインヘラー112吸入用
オルベスコ(R)200μgインヘラー56吸入用
■一 般 名:シクレソニド
■効能・効果:気管支喘息
■承認取得者:帝人ファーマ株式会社
< 参考 > ニコメッド(Nycomed)社について
欧州を基盤として、循環器、消化器、骨粗鬆症、呼吸器、疼痛を含む疾患領域に注力しているグローバルな製薬会社。病院・専門医・一般開業医といった医家向けの製品だけでなく、OTC薬(大衆薬)も手がけている。新薬は、自社創製とパートナーからの導入の2本柱。全世界50カ国でプレゼンスを有し、欧州全域ならびに南米・ロシア・アジア太平洋といった成長市場で事業を展開している。従業員は約12,000人、売上高は34億ユーロ(共に連結、2006年実績)。
以 上