TDK、米イメーションにTDKブランド記録メディア販売事業を譲渡
TDKブランド記録メディア販売事業の譲渡
-米イメーションへ3億ドルで-
TDK株式会社(社長:上釜健宏、本社:東京都中央区、以下「TDK」)は、本日開催した取締役会において、TDKブランド記録メディア販売事業をイメーション・コーポレーション(社長:Frank Russomanno【フランク・ルスマノ】、本社:米国ミネソタ州オークデイル、以下「イメーション」)に譲渡し、かつ記録メディア製品を対象としたブランド「TDK」の使用をイメーションに許諾することを決議し、合意しました。
譲渡対象は、TDKブランド記録メディア製品販売事業に限定して、記録メディアの研究開発、製造部門はTDK社内に残し、OEM販売は継続いたします。
譲渡対価はイメーションの普通株式と現金にて3億米ドル(約360億円)です。両社の合意に関する主要点は次の通りです。
1)TDKはイメーションにTDKブランド記録メディア販売事業を譲渡すると同時に、ブランド「TDK」の使用を許諾します。TDKブランドの使用許諾範囲は、現在および将来の磁気テープ、記録型光ディスク、フラッシュメモリー製品およびその他のアクセサリー製品などです。
2)TDKはその対価として、イメーションの普通株式、約280百万ドル(約336億円)相当(イメーションの発行済株式の約17%)、および20百万ドル(約24億円)の現金を取得します。なお、TDKのイメーション株式保有については、完全希薄化後の保有比率が22%を越えないことおよびその他の付帯条件があります。この合意により、TDKはイメーションの筆頭株主となり、イメーションの取締役会へ取締役候補を1名派遣することができます。
3)TDKはTDKブランド記録メディア販売事業を欧州、日本、米国及びアジアなど世界各地で展開しています。原則として、一定数の販売及びマーケティング事業に従事する従業員は譲渡の完了と同時に、イメーションに移籍します。
譲渡は、規定の要件を満たすことを条件に、2007年度第2四半期(7月~9月)に完了する見込みです。
4)TDKはオーディオカセット、ビデオカセット、データストレージテープ、ブルーレイディスクなどの記録メディア製品の研究開発と製造事業を継続し、他のOEM顧客と同様、イメーションへも製品を供給する予定です。
5)TDKとイメーションはTDKブランド製品を従来どおり安定的に供給するために、製品供給契約を締結しました。
【本件合意の背景と目的について】
この合意は、イメーションにTDKの販売・マーケティング事業を統合、一体化
することにより、TDKブランドの記録メディア製品販売事業の強化、及び成長を目的とするものです。
記録メディア事業を取り巻く環境は、通信技術の進化、インターネットの普及などにより、急速なテンポで変貌してきました。いわゆるデジタルコンバージェンス時代の記録メディア事業においては、デジタル情報の保存、携帯などの欲求を先取りする製品を絶え間なく開発、提供できる事業体制が必要になり、また、事業環境の変化により、競争条件、競争相手も従来とは異なったものになりつつあります。
このような認識の下、TDK、イメーション両社は新しい記録メディア事業のあり方を検討してまいりましたが、両社協議の結果、個々の企業の枠組みを超えた組織再編が必要との結論に至りました。両社の持つ強み、弱みが地域及び製品の観点から総合的に検討した結果、最適の組み合わせであるため、それらを合わせることで、今後、市場の要求に的確に対応し、成長する組織を形成することができます。
【今後のTDK記録メディア事業について】
本合意の対象はTDKブランド製品の販売事業であり、記録メディア製品の開発、製造は従来通りTDK内に残し、OEM販売も継続いたします。
今後はTDKの強みである開発力、製造技術力を活かした製品開発、OEM販売に特化し、ブルーレーザーディスク、データストレージテープを核として本事業の競争力を一層強化してまいります。
<イメーション・コーポレーションの概要>
1.社名:Imation Corporation
2.所在地:米国ミネソタ州オークデイル
3.代表者:Frank Russomanno(フランク・ルスマノ) 社長兼CEO
4.連結売上高:約US1,585百万ドル(約1900億円)
5.連結従業員数:約2,100名
6.事業の概要:
1996年、米3M社の情報と画像を扱う事業部門が分離独立
ブランドはImation とMemorex
主要4製品
(1)磁気記録メディア
(2)光記録メディア
(3)フラッシュメモリ
(4)リムーバブルHDD
以上