日立マクセル、最大容量1.6TBのLTO Ultriumデータカートリッジを発売
世界初*1の技術適合認定を取得した
世界最大*1容量1.6TBのLTO Ultriumデータカートリッジ
「マクセルUltrium 4データカートリッジ」新発売
日立マクセル株式会社(執行役社長:角田 義人)は、大容量コンピュータデータのバックアップなどに使用されるUltrium(ウルトリウム)フォーマットの第4世代において、LTO認証機関より世界初*1の技術適合認定を取得した世界最大*1容量1.6TB(テラバイト)の記憶容量を実現する大容量コンピュータテープ「マクセルUltrium 4データカートリッジ」を、5月より発売いたします。
IT社会の発達による急激なデータ量の増加により、データストレージシステムにおいて、さらなる大容量化の要求が高まっています。
マクセルは、微粒子化・高保磁力化した独自のセラミックアーマメタル磁性体などを採用したことにより、カートリッジ1巻当たりの記録容量1.6TB(圧縮時。データ非圧縮時800GB)、最大転送速度240MB/sec(圧縮時。データ非圧縮時120MB/sec)の大容量化と高転送速度化を実現したLTO Ultrium 4データカートリッジを開発いたしました。磁性体の耐腐食性と物理的な強度を向上させるとともに、優れたサーボ特性やテープ耐久性を得る独自のテープ技術などにより、高い信頼性を確保しています。さらに、磁性塗膜のサブミクロンレベルでの均一薄膜化や高精度のテープ平滑性により、高出力で安定した信号特性を実現しています。
LTO Ultrium 4フォーマットは、法規制等による各種データの長期保存義務や、保存データの改ざん防止策として、膨大なデータをより効率的かつ安全に保守管理するための、書き換えができないライトワンス追記型(WORM:Write Once Read Many)データストレージシステムとしての運用も可能です。さらに、データカートリッジの紛失、盗難などが起きた際のデータ流出防止策として、データ暗号化によるセキュリティー機能にも対応します。
マクセルは、各ドライブメーカーとの共同開発を積極的に進め、独自のNeoSMART(Neo Super Maximum-capacity Advanced Reliability Tape)技術*2を活用することにより、データバックアップに求められるドライブとの高い互換性と高信頼を確保するデータカートリッジを製品化してきました。これまでLTO Ultrium 1、LTO Ultrium 2、LTO Ultrium 3データカートリッジ、 Super DLTtape(R)I、Super DLTtape(R)II、DLTtape(R)S4データカートリッジの認定をいずれも世界で初めて取得し製品化しています。
今後とも、マクセルは、カートリッジ1巻当たりの記憶容量で10TBクラスを可能とする独自の新球状磁性体「NanoCAP」(ナノキャップ:Nano Composite Advanced Particles)技術を活用したデータカートリッジの開発を進めるなど、大容量化が進むデータストレージ市場をリードしてまいります。
*1 2007年4月25日現在。LTO Ultriumフォーマットにおいて。マクセル調べ。
*2 NeoSMART(Neo Super Maximum-capacity Advanced Reliability Tape)技術:テラバイト記録の実現に欠かせない、マクセルがこれまで培ってきた7つの独自技術(超微粒子メタル磁性体技術、高密度分散技術、薄膜重層塗布技術、表面平滑化技術、高精度スリット技術、高密度サーボトラック記録技術、高性能カートリッジ技術)を結集させた高信頼・最先端技術。
■主な特長
LTO Ultrium 4データカートリッジは、マクセルの先進のNeoSMART(Neo Super Maximum-capacity Advanced Reliability Tape)技術により製品化を実現しました。
1.高保磁力セラミックアーマメタル磁性体の採用により大容量1.6TBの記憶容量を実現
従来サイズより更に微粒子化した高保磁力セラミックアーマメタル磁性体を採用し、高エネルギー、高S/N(信号対ノイズ比)を可能としたことで1.6TB(圧縮時。データ非圧縮時800GB)の大容量を実現しました。また、数ナノメータのセラミック薄膜で磁性体を覆うセラミックアーマ技術を採用し、耐腐食性を向上して長期間の保存を可能にすると同時に、物理的な強度も向上させ、テープ走行時の高耐久性を実現しました。
2.高密度磁気サーボ記録技術により優れたサーボ信号特性を実現
サーボ信号記録工程において、サーボ信号をより高精度に記録する独自の技術を開発し、データトラック密度が増加したUltrium 4フォーマットにおいても、優れたサーボ信号特性を実現しました。
3.高耐久バインダシステムの採用によりテープ耐久性を向上
機能の異なる2種類のバインダ(主バインダと副バインダ)を架橋剤で巧みに結合させる独自の磁気テープ塗膜を形成。特に主バインダには、特殊アンカーセグメント(CBセグメント)の導入により磁性体を強固に固定し、磁気テープの耐久性を向上いたしました。
4.寸法安定性に優れたベースフィルムにより信頼性の高いデータ記録・再生を実現
ベースフィルムには、寸法安定性に優れたPENフィルムを採用し、高密度記録や長期保存(アーカイブ)においても安定したデータの記録/再生を実現し信頼性を向上しています。
5.薄膜化技術の採用と特殊カレンダ技術の採用により高出力で安定した信号特性
磁性塗膜をサブミクロンの厚みで均一に薄膜化する技術を確立。また特殊カレンダ技術でテープ表面をさらに平滑にし、高出力で安定した信号特性を実現しました。
6.ユーザー利便性の高いカートリッジ
従来比2倍の高容量非接触型メモリ(8キロバイト)カートリッジに搭載し、高速データサーチやライブラリにおけるカートリッジの管理をサポートします。また、マクセルのUltrium 4データカートリッジはブルーイッシュグリーンを採用し、大規模なバックアップシステムでの使用時などにおいてカートリッジの識別を容易にしました。
7.環境適応ラベルの採用
環境効率の向上を目指し、資源の有効活用と地球環境への負荷に配慮した再生材100%ラベルを採用。
■発売日
2007年5月
■マクセルUltrium 4データカートリッジ特性表
(※ 関連資料を参照してください。)
*DLT、DLTtape、DLTSAGEおよびそれらのロゴは、米国その他におけるQuantum社の商標または登録商標です。
*Linear Tape-Open、LTO、LTOロゴ、UltriumおよびUltriumロゴは米国その他におけるHP社、IBM社およびQuantum社の商標です。
*NanoCAPおよびnanoCAPロゴは、米国その他における日立マクセル株式会社の登録商標です。
*UltriumとはHP社、IBM社、およびQuantum社が共同開発したLTO(リニアテープオープン)テクノロジーに基づいて設計された大容量高速テープフォーマットです。この規格は公開されており、テープカートリッジ1巻当たり100GB(圧縮時:200GB)の第1世代から3.2TB(圧縮時:6.4TB)の第6世代までのロードマップが計画されています。
(※ 製品画像、マクセルUltrium 4データカートリッジ特性表は関連資料を参照してください。)