三菱重工、シンガポール陸上交通庁からERPシステム用の新型車載器70万台を受注
シンガポール ERPシステム用の新型車載器70万台を受注
陸上交通庁(LTA)と7年間の供給契約を締結
三菱重工業は、シンガポールの陸上交通庁(LTA:Land Transport Authority)から、同国で導入している電子式道路課金(ERP:Electronic Road Pricing)システム用の新型車載器70万台を一括で受注した。世界で初めて接触式/非接触式ICカード双方の利用を可能にした車載器で、供給期間は7年間。2008年以降順次納入していく。
今回の供給契約は、当社のシンガポール現地法人であるMHI Engine System Asia Pte. Ltd.(MHIES-A)を通して受注したもの。当社は1995年に同国から世界初のERPシステムを受注して以降、現在までに同システム用車載器累計約220万台と51箇所のガントリーを納入した実績を持つ。今回はこれらに続く成約となる。
シンガポールのERPシステムは、都心部に入る車両に課金して渋滞の緩和をはかるシステム。自動車両判別技術を採用しており、準マイクロ波帯(2.45GHz)の電波を利用して、車両(車載器)と地上側(ガントリー)のアンテナとの間で通信を行うことにより、ガントリーの下を走行する車両に対し、走行車線による制限なくノンストップの状態で自動課金を行うことができる。
シンガポールにおいて当社およびMHIES-Aは、ガントリー機器の納入、据付け、メンテナンスを行うだけでなく、同国の車両の99%以上に装着されている車載器を全数供給するなど、ERPシステムに関する主要業務を一手に引き受けている。また、2002年からは、ERPの技術と車載器を組み合わせて駐車料金の決済を行う電子式駐車課金システム(EPS:Electronic Parking System)も手掛けている。今回の受注は、これらの豊富な納入実績と良好な運転実績が高く評価されたことによる。
今回受注した新型車載器の主な特徴は、
(1)接触式ICカードと非接触式ICカード双方の利用が可能(世界初)、
(2)双方のICカード残高不足時の残高自動積み増し機能を追加、
(3)大幅なコンパクト化(従来に比べ体積比で30%以上)を実現、
などで、これまで以上に、シンガポール市民の利便性向上に貢献する。
ERPシステムは、シンガポールのほか、ロンドン、ストックホルムなどでも採用され、さらに、交通渋滞で悩む他の幾つかの大都市でも現在、導入が検討されている。当社は今後も、多様な顧客のニーズを取り込みながら製品・システムの高度化を推進、シンガポールはもちろん、渋滞緩和を目指す他の国々においても積極的な営業活動を展開していく。
(※ ERP用次世代車載器のイメージ図は関連資料を参照してください。)