住友商事、石炭改質事業で米Evergreen社と戦略的パートナーシップを締結
住友商事が石炭改質事業でEvergreen Energy Inc.と戦略的パートナーシップを締結
住友商事株式会社(本社:東京都中央区、社長:岡 素之、以下住友商事)は、石炭改質技術を保有するEvergreen Energy Inc.(本社:米国デンバー、社長 Kevin R. Collins、以下Evergreen社)と同社傘下で海外での石炭改質事業の展開を図るEvergreen Energy Asia Pacific Corporation(本社:米国デンバー、社長:榎本 英治、以下Evergreen Asia社)と戦略的パートナーシップを締結した。今後、インドネシア、米国等で両社と炭鉱開発を含めた石炭改質事業を進めていく。
住友商事はEvergreen Asia社の株式(4%)も取得する。
【 経緯と背景 】
発電用石炭の中でも良質な瀝青炭資源(*1)は限られており、旺盛な発電需要を背景に徐々に優良な瀝青炭資源は減少傾向にあると言われている。一方、高水分で低熱量の亜瀝青炭(*2)や褐炭は豊富な埋蔵が確認されていながらも従来の技術では用途が限られていることから充分には開発が進んでいない。全世界的に高品位、低コストの石炭の埋蔵量が限られており、今後低品位炭の有効活用が課題と考えられている。Evergreen社は亜瀝青炭や褐炭を瀝青炭並みの発熱量に向上させる独自の石炭改質技術K-FuelR技術を開発し、世界で唯一米国Wyoming州で75万トン/年規模の石炭改質の商業規模プラントを操業している。住友商事は両社と戦略的パートナーシップを組むことで、K-FuelR技術を利用し、アジア環太平洋地域を始めとする亜瀝青炭、褐炭資源の開発を展開する。
K-FuelR技術は亜瀝青炭や褐炭中の水分を低減させ熱量を向上させる技術で、亜瀝青炭や褐炭を瀝青炭並みの品位に向上させる技術である。またK-FuelR技術は硫黄、窒素、水銀、二酸化炭素等の排出を低減させる効果が認められ、亜瀝青炭及び褐炭をクリーンなエネルギーに改質し、環境負荷低減が期待される。
住友商事はEvergreen社及びEvergreen Asia社と共に、インドネシア等環太平洋地域での炭鉱開発を含めた石炭改質事業や発電所併設型の改質事業を展開していく。更にEvergreen社が米国で検討している石炭改質事業への参画や改質用の石炭供給及び改質炭の販売等の分野でも協力。発電効率を向上させ環境負荷を低減させるK-FuelR技術を基に、未開発資源の開発を行っていく。
(*1)瀝青炭(れきせいたん) :水分が少なく炭素量が多い石炭。発電用や製鉄用等に広く利用されている。
(*2)亜瀝青炭(あれきせいたん):瀝青炭と似た性質を持つが、水分を15~45%含むため扱いにくいことから用途が限られている。埋蔵量が豊富で、有効活用の研究が進められている。
*以下、添付資料をご参照ください。