富士フイルム、「Adobe PDF Print Engine」搭載の次世代ハイブリッドワークフローシステムを提供
印刷物製作工程の大幅な省力化・効率化を実現!
世界初「Adobe PDF Print Engine」搭載の次世代ハイブリッドワークフローシステム
「FUJIFILM WORKFLOW XMF」販売開始
富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、POD(Print On Demand)などのデジタル印刷機とオフセット印刷機へのデータ出力を統合管理し、データ出力先の切替を容易にするハイブリッドワークフローシステム「FUJIFILM WORKFLOW XMF」の販売を、4月より欧州で開始いたしました。欧州を皮切りに、今後日本をはじめ世界各地域で順次発売してまいります。
「FUJIFILM WORKFLOW XMF」は、一般的な出版・商業印刷における「企画・デザイン」「製版」「校正」「刷版」「印刷」「製本・加工」の各工程の一元管理を可能とし、印刷物製作工程の大幅な省力化・効率化を実現する画期的なソフトウェアです。
RIPエンジン(*1)には、Adobe社の「Adobe PDF Print Engine」を世界で初めて搭載(*2)いたしました。
近年、印刷業界では印刷物の多様化により多品種・小ロット化が進む一方、短納期化への要求がますます強まっています。こうしたなか、印刷物製作の効率化のため最も注目されているのは、PDFデータを介して顧客・制作者側と印刷会社とのコミュニケーションを行うことを可能とする「PDFワークフロー」です。
また、小ロット・短納期対応に適しているデジタル印刷機の品質・性能が向上し、商業印刷分野などへの導入が一層進むことが予想されている中で、オフセット印刷とデジタル印刷を別々のワークフローで構築するのではなく、納期・品質・数量・コストに応じて、印刷機の使い分けが可能な「ハイブリッドワークフロー」の運用ニーズも高まっています。
「FUJIFILM WORKFLOW XMF」は、「PDFワークフロー」に対応した「Adobe PDF Print Engine」を搭載。PDFデータを「PostScript」(*3)に変換した後処理していた従来のAdobe社のRIPエンジンに比べ、「Adobe PDF Print Engine」はPDFデータを変換せずにそのまま処理するため、文字・イラスト・画像の解像度、クリエイティブ効果、カラーマネージメントなど顧客・制作者側の意図をより忠実に反映し、正確かつ柔軟で迅速なコミュニケーションが可能です。また、従来印刷会社が行っていたデータを微調整する作業が減り、作業効率を高めることができます。
さらに「FUJIFILM WORKFLOW XMF」は、「ハイブリッドワークフロー」の運用環境を実現するため、「インテリジェントオートメーション」機能を搭載。オフセット印刷機とデジタル印刷機の切替えを素早く、容易に行うことを可能とすることで、印刷直前でも印刷機の変更に柔軟に対応することができます。一例として、数量の多い初版10,000部はオフセット印刷で製作し、短納期かつ小ロットの追加500部はデジタル印刷で製作する、というような顧客ニーズにお応えすることができます。
富士フイルムは長年にわたり、印刷製版機材のリーディングカンパニーとして、オフセット印刷向け製版用フィルム・PS版・CTP版および、ソフトウェア、プレートセッターなど、多様な製品群の開発・生産・販売をワールドワイドに展開してまいりました。今後も世界の印刷産業の発展に貢献すべく、取り組んでまいります。
*1: RIP(Raster Image Processor) Postscript等で記述された、印刷用の文字・画像データを、プリンタ等で出力できるように変換するソフトウェアやハードウェア。
*2: 平成19年4月現在発売されている製品で世界初。(当社調べ)
*3: Adobe 社が開発した、文字・画像を記述するための言語。
記
1.品名 : 「FUJIFILM WORKFLOW XMF」
2.主な特長
(1)Adobe社の「Adobe PDF Print Engine」を世界で初めて(*2)搭載
Adobe社の新世代RIPエンジン(*1)である「Adobe PDF Print Engine」を世界で初めて搭載。PDFをPostScript(*3)に変換していた従来のAdobe社の「CPSI」(*4)に比べ、PDFをそのまま処理する「Adobe PDF Print Engine」は、よりPDFを正確に処理することができ、さらにPDFを高速に処理できるため、作業効率を高めることができます。
(2)「インテリジェントオートメーション」機能の搭載
異なる印刷機(出力デバイス)への切替えを素早く容易に実現します。従来、印刷機を変更する場合、色管理や印刷特性といった印刷機固有の特徴に応じ設定を変更したり、再度、面付け*5をやり直す必要がありましたが、「インテリジェントオートメーション」機能の搭載により、内蔵された面付けエンジンが自動的に面付けを変更するだけでなく、あらかじめ登録されたルールに基づいて印刷機の特徴にあわせて出力時の設定を自動的に変更します。印刷現場の最終ニーズによる印刷直前の印刷機の変更に対応することができ、柔軟なワークフローを実現します。
(3)「JDF(*6)ネイティブアーキテクチャー」による設計・開発を採用
経営管理システム、受発注システムといった業務システムや印刷物製造工程の各種製造設備間の情報伝達の自動化を実現するための標準規格であるJDFの基本概念をベースに、設計・開発した製品です。今後のハイブリッドワークフローやクロスメディア(*7)の拡大に関する多様なニーズに対応することが可能です。
(4)「3Dプルーフ」機能の搭載
3Dシュミレーション技術を採用し、印刷物の仕上がりイメージを立体的に再現します。仕上がりイメージをわかりやすく迅速に簡単に顧客や制作者へ伝えるために活用できるばかりでなく、作業者が作業結果を確認したり、再版時に現物イメージを確認するなど、印刷物製作工程においても活用が拡がる機能です。
*4: 「Post Script」をベースにしたAdobe社の従来のレンダリングエンジン。PDFを処理する場合にはPDFを一旦Post Scriptに変換してから処理する必要があった。
*5: 印刷機による印刷は、1ページ単位ではなく、大判の用紙に4、8、16、32ページというように、複数ページをまとめて印刷する。この用紙に折りや断裁といった加工を行い、一冊の本に仕上げるため、ページの順番がきちんと並ぶように、あらかじめ配列する作業のこと。
*6: JDF(Job Definition Format)は、電子化された製造指示書の書き方やルールで、製版・印刷・印刷後加工における工程を統合するための共通の規格を制定し普及・浸透を進めている国際的な団体であるCIP4が提唱する標準規格。印刷物の製造手順とページコンテンツを独立に管理するという基本概念をもち、JDFネイティブアーキテクチャ-とはこの基本概念にもとづいたアーキテクチャ-。
*7: 出版物や宣伝広告の相乗的な効果を出すことを狙って、ある情報を紙媒体や電子文書など様々な表現媒体(メディア)を組み合わせて制作・発行すること。
●本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
お客さま グラフィックシステム事業部 TEL 03-6271-3026