富士フイルム、映画用デジタルフィルムレコーダー出力専用フィルム「ETERNA-RDI」などを発売
抜群のイメージシャープネスと色再現域の拡大を実現!
世界初 映画用デジタルフィルムレコーダー出力専用フィルム「ETERNA-RDI」
映画用カラーデュープフィルム「ETERNA-CI」
新発売
富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、映画用デジタルフィルムレコーダー(※1)出力専用フィルム「ETERNA(エテルナ)-RDI」(※2)、および映画用カラーデュープフィルム「ETERNA(エテルナ)-CI」(※3)を平成19年6月より発売いたします。
近年、映画製作では映像情報をすべてデジタル化し、デジタル処理で合成・色補正・編集などを行い完成原版(デジタルマスター)を作成するデジタルインターメディエイト(D.I.)と呼ばれる手法が急速に普及しています。一方、劇場公開ではフィルムを使った上映が主流のため、デジタルマスターからデジタルフィルムレコーダーを用いて映像をフィルムに記録(露光)し、オリジナルフィルムを作成することが必要です。従来この用途にはデュープ用フィルムを流用することが一般的でしたが、4K(※4)といった高精細のデジタル映像への対応に適したデジタルフィルムレコーダーからの出力専用の高性能フィルムのご要望が増えています。
新製品「ETERNA-RDI」は、これらのご要望におこたえし開発した世界初の映画用デジタルフィルムレコーダー向け専用フィルムです。
デジタルマスターからオリジナルフィルムを作成する場合、既存のデュープ用フィルムではレコーディング時のイメージシャープネスが不十分なケースがありましたが、「ETERNA-RDI」はデジタルフィルムレコーダーに適した専用設計とすることで、イメージシャープネスの大幅改良を実現し、より高精細なデジタル映像の出力に対応することが可能となりました。
また、露光光源にレーザー光を用いたレーザーフィルムレコーダーに対する写真特性も見直し、デジタル出力に重要な階調直線性や色分離性を向上させることで、デジタルレコーディングの再現特性が大きく向上しました。
今回、「ETERNA-RDI」に加え、上映用フィルムの原版(マスターポジやデュープネガ)の作成や、アーカイブ(保存)などに使用されるカラー用デュープフィルム「ETERNA-CI」を併せて発売いたします。「ETERNA-CI」は、従来品に比べシャープネス特性およびオリジナルに忠実な色再現特性がさらに向上し、よりオリジナルに近い映像を再現します。
富士フイルムは、今後も ETERNAシリーズをはじめとした映画用フィルムの商品開発に積極的に取り組み、クオリティーの高い製品を提供することで、映像制作に貢献してまいります。
(※1) 「映画用デジタルフィルムレコーダー」 … デジタル映像データを映画用フィルムに露光するための出力機。レーザー走査露光方式など、より高精細なデジタル映像データ出力に対応した機器が業界に浸透。
(※2) 「ETERNA」 … ETERNALからきた造語で、「永遠に残る」傑作・名作を同フィルムで映像クリエイターに創造していただきたいとの願いを込めたネーミング。
「RDI」 … Recording film for Digital Intermediate の略
(※3) 「CI」 … Color Intermediate の略
(※4) 「4K」 … 4Kとは映画画像の横方向の解像度を数字で表したものです(横方向4096画素)。オリジナルのフィルム解像度をそのままデジタル化する際には4K以上が好ましいとされ、デジタル映像を上映する際の基準として2006年に策定された DCI仕様では4Kを最高水準としています。(DCI = Digital Cinema Initiatives の略。技術仕様策定のために一時的に設立されたハリウッド7大スタジオの合弁会社)
記
1. 製品名
デジタルインターメディエイト用レコーディングフィルム 「ETERNA-RDI」
カラー用デュープフィルム 「ETERNA-CI」
2. 発売日
「ETERNA-RDI」 および 「ETERNA-CI」 35mm TACタイプ 平成19年6月
(*)「ETERNA-RDI」 および 「ETERNA-CI」 35mm PETタイプも今後発売する予定です。
3. 特長
「ETERNA-RDI」
(1) 画期的なイメージシャープネス改良
ETERNAシリーズで導入したスーパーエフィシェントカプラー技術(※5)により、イメージシャープネスを大幅に向上させました。フィルムレコーディング時の画像のにじみを抑制し、より高精細な映像再現を実現しました。
さらにデューププリント時にイメージシャープネスを改良したカラー用デュープフィルム「ETERNA-CI」と組み合せることでトータルクオリティーの向上が図れます。
(※5) 「スーパーエフィシェントカプラー技術」
現像時の発色効率を向上させたイエローカプラー。高効率に発色するため、乳剤層を薄層化することができ、光の散乱を小さくすることで、濁りの少ない鮮鋭度の高い画像再現を実現します。
(2) 混色の大幅軽減
色再現特性を悪化させる分光混色を大幅に軽減しました。分光混色の無い有効露光領域を増やすことでより広い色再現特性の実現が可能となりました。
(3) 幅広いラチチュードと直線性
フィルムレコーディング時の写真特性を見直し、直線性の向上を図るとともにラチチュードを拡大しました。(ベース上の濃度2.2以上 : Status M測定)高露光付近の直線性を大幅に改善し、実用露光域を広げています。
「ETERNA-CI」
(1) 抜群のシャープネス
スーパーエフィシェントカプラー技術により、イメージシャープネスをさらに向上しました。
デューププリント時の解像度劣化を低減させます。
(2) 忠実な色再現特性
スーパーエフィシェントカプラーの導入に加え、カラードカプラーによる重層効果を最適化することで理想的な色補正を実現しました。オリジナルネガからのプリントと見劣りの無い忠実な色再現を可能にしました。
(3) 階調バランスの最適化
オリジナルネガの階調をあますところなく再現できるよう、階調直線性およびカラーバランスをさらにリファインしました。色再現特性の向上とあいまって、よりオリジナルに近いデューププリントが得られます。
<本件に関するお問い合わせ>
イメージング事業部 営業部 映画グループ TEL 03-3406-2338