ワイスと武田薬品、関節リウマチ治療薬「エンブレル」の市販後全例調査登録が終了
関節リウマチ治療薬「エンブレル(R)」の全例調査登録終了に関するお知らせ
4月27日に開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会において、ワイス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:倉田進、以下「ワイス」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:長谷川閑史、以下「武田薬品」)が発売している関節リウマチ治療薬「エンブレル(R)(一般名:エタネルセプト)」の市販後全例調査登録終了が報告されましたので、お知らせします。
エンブレルは2005年3月の発売以降、日本における本剤の安全性・有効性を調査するため、市販後の一定期間については、投与症例について全例を登録することが義務付けられていました。今回の登録終了により、エンブレルを処方できる医療機関が拡大され、当該調査で得られたエビデンスをもとに、より多くの関節リウマチ患者さんにとって治療の選択肢が広がることになります。
本調査に学術的・科学的見地から指導・助言を行った、日本リウマチ学会抗リウマチ薬市販後特別調査委員会(PMS委員会)委員長・日本リウマチ学会理事長・北海道大学 病態内科学講座 小池 隆夫教授は、「日本におけるエンブレルの全例調査は、私たち医師にとって大変心強い結果となりました。関節リウマチ治療薬における世界最大規模の全例調査で安全性が検討され、治療効果の発現パターンなど、有効性についても大変興味深い結果を得ることができました」と述べています。
エンブレルの全例調査登録終了は、厚生労働省へ提出された7,091症例(生物学的製剤の全例調査としては世界最大規模)の安全性・有効性データをもとに決定されたもので、主な調査結果は以下のとおりです。
・重篤な副作用の発現率は5.7%で、肺炎、発熱、感染症などが含まれます。
・評価指数DAS28※1 を用いて分析した結果、エンブレルの有効率は84.1%でした。
・患者さんの56%が自己注射による治療を行いました。
※1 DAS28(Disease Activity Score:疾患活動性スコア)は、欧州リウマチ会議(EULAR)が提唱する評価指数で、世界で一般的に使用されている指標の一つ。
ワイス執行役員メディカルディレクター・メディカルアフェアーズ本部長 鈴川 満雄は、「全例調査で得られたエンブレルの安全性および有効性のエビデンスをもとに、今後も引き続き、患者さんの立場に立って関節リウマチ治療の発展に貢献していきます」と述べています。
また、武田薬品のコーポレート・オフィサー 医薬営業本部長 山中 康彦は、「関節リウマチによる痛み・腫れ・こわばりなどで日常生活が制限されている患者さんへ、ワイスと協力しエンブレルをお届けすることで、多くの患者さんのQOL向上に、より一層貢献できることを大変嬉しく思います」と述べています。
エンブレルはワイス株式会社と武田薬品工業株式会社がコ・プロモーションを行っており、2005年1月に承認、同年3月に発売されました。
以 上