日清オイリオグループ、「中鎖脂肪酸」の摂取は「筋肉を太くする」可能性をヒト試験で確認
「中鎖脂肪酸」の摂取は「筋肉を太くする」可能性をヒト試験で確認
~日本栄養・食糧学会大会にて発表~
日清オイリオグループ株式会社(取締役社長:大込一男)は、財団法人日本レスリング協会(会長:福田富昭)の協力のもと、健康オイル「ヘルシーリセッタ」に含まれる機能成分「中鎖脂肪酸」の摂取は、アスリートに対し「筋肉を太くする」可能性のあることを導き出しました。
第61回日本栄養・食糧学会大会(2007年5月17日~20日 国立京都国際会館)で発表いたします。
日清オイリオグループは、『おいしさ・健康・美』の追求をコアコンセプトとして、「植物のチカラ」の可能性を追求し、健康的で幸福な「美しい生活」(Well-being)を提案してまいりました。そして、財団法人日本オリンピック委員会JOCオフィシャルパートナーとして、卓球の福原愛選手を始めとする日本代表クラスのトップアスリートを応援し、食生活の面からもサポートしております。
また、当社は「中鎖脂肪酸」の機能について、長年にわたり研究を続けております。「中鎖脂肪酸」は、厚生労働省許可の特定保健用食品である健康オイルやファットスプレッドの「体に脂肪がつきにくい」機能の関与成分として認められています。現在、アスリートを対象とした栄養管理を通して、「中鎖脂肪酸」の「エネルギーになりやすい」特長から導かれる「疲労回復や持久力の向上」について研究を行っています。
記
<第61回日本栄養・食糧学会大会 発表概要>
・主 催 (社)日本栄養・食糧学会
・会 期 5月17日~20日
・会 場 国立京都国際会館
・演 題 「男子レスリング競技者への食事介入と中鎖脂肪酸の摂取が体組成に及ぼす影響」(講演番号 4J-16p)
・発表者 専修大学 久木留 毅 准教授
・共同研究者
お茶の水女子大学生活環境研究センター 近藤 和雄 教授
日本女子体育大学 田口 素子 講師
専修大学 佐藤 満 教授
筑波大学大学院 河野 一郎 教授
日清オイリオグループ(株) 野坂 直久、鈴木 佳恵、笠井 通雄
<発表内容>
【背景・概要】
競技者のパフォーマンス向上に対して、トレーニングだけでなく食事が重要であるとの認識が広がりつつあります。また、レスリングなどの階級制競技では、LBM(除脂肪体重)の大きい競技者は筋量も多く、相対的に有利といわれています。これらのことから食事内容に気をつけ、普段から体組成を適切に維持管理することは大変重要です。しかし、競技者自身がきちんとした食事を準備することは多くの困難が伴うため、栄養サポートが近年注目されています。中鎖脂肪酸は、母乳やパーム油などに含まれる脂肪酸の一種で、体に脂肪がつきにくいなどの特長があり、弊社商品「ヘルシーリセッタ」「リセッタソフト」はこの中鎖脂肪酸を配合しております。弊社では、健康が気になる一般の方を対象に、中鎖脂肪酸の研究をしてまいりました。今回、スポーツ振興に向けた取り組みの一環として、男子レスリング競技者を対象に、栄養指導と併せて中鎖脂肪酸を摂取していただき、体組成の維持管理に対する影響について試験を行いました。
【方法】
実験の意義及び内容を十分説明し、同意を得られたレスリング競技者大学生男子16名を対象といたしました。対象者は事前に栄養指導を実施し、栄養管理は行わずに2群に分かれて試験食品(中鎖脂肪酸を含む油脂ないしは調合サラダ油を含む)を2ヵ月間継続摂取しました。7日間の事前調査及び2ヵ月間の試験食品摂取中は、食事内容の記入・カメラ撮影、早朝空腹時の体重測定、活動時間を毎日記録し、身体測定(身長、体重、体脂肪率、胸部・腹部・臀部周囲径、9部位の皮下脂肪厚および筋厚、安静時代謝量)を開始時、1ヵ月後、2ヵ月後に実施いたしました。
【結果】
対象者16名の試験食品摂取中のトレーニング時間・栄養摂取量は、2群間で差はありませんでした。そして、下肢筋厚の変化値について有意差を認めました(2ヵ月後の調合サラダ油群:-2.8±2.5mm、中鎖脂肪酸油食群:1.8±3.2mm、平均値±SD、p<0.05))。(図1)
一方、体脂肪率並びに各部位の皮脂厚は両群とも減少した結果、有意差を認めませんでした。(図2)
【まとめ】
日常的に練習を行うレスリング競技者大学生男子において、食事指導と併せて中鎖脂肪酸を摂取した群の競技者は、下肢筋厚において有意に高値を示しました。このことから、中鎖脂肪酸の摂取は体組成の維持管理に有効な可能性が示唆されました。
以 上
図1 試験食品摂取中の下肢筋厚4部位の推移
※ 関連資料参照
図2 試験食品摂取中の皮脂厚(腕・脚・腹部・背部など)9部位の累積値の推移 ※ 関連資料参照