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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.24.Sun
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2007'05.14.Mon

フジッコ、黒大豆成分の内臓脂肪蓄積抑制効果を証明

黒大豆成分の内臓脂肪蓄積抑制効果についての学会発表
シアニジン-3-グルコシドの脂肪滴肥大化抑制作用を細胞試験で確認

-日本栄養食糧学会第61回大会で発表-


 フジッコ株式会社(代表取締役社長福井正一)は、黒大豆種皮中に含まれる成分であるシアニジン-3-グルコシドに内臓脂肪の蓄積を抑制する作用があることを、内臓脂肪細胞を用いた試験で証明しました。
 本試験結果については、第61回日本栄養食糧学会(京都国際会館、5月17日~20日)にて発表いたします。

▲研究の背景
 当社はこれまでに静岡県立大学石田均司講師との共同研究を行い、黒大豆種皮の抽出物が卵巣摘出したラット更年期モデルや高脂肪食負荷した雄性ラットの肥満モデルを用いた動物実験(※)で内臓脂肪蓄積を抑制することを確認したことから、肥満やメタボリックシンドロームの抑制あるいは改善に黒大豆は有用であると考え、研究を進めてきました。
 黒大豆の種皮には、優れた抗酸化活性を示すポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれています。アントシアニンはブルーベリーやカシスなどにも含まれていますが、黒大豆種皮にはアントシアニンの中でもシアニジン-3-グルコシド(C3G)と呼ばれる成分が特に豊富に(黒大豆種皮中アントシアニンの90%以上)含まれることが大きな特徴です。今回はこのC3Gの内臓脂肪への作用を確認するため、内臓脂肪細胞培養系を用いた試験を行いました。

 ※日本栄養・食糧学会第60回大会にて発表。

▲研究内容
 本試験では、市販ラット内臓脂肪細胞初代培養キットVAC-01(プライマリーセル(株))を使いました。24 well plate に1.2×105個ずつ各wellに細胞を播種してから3日間培養した後、C3G添加培地に交換し培養を継続しました。このとき、C3G 無添加の通常培地で培養継続したものを対照区(無処置区)としました。C3G添加培地での培養開始から5 日後の細胞をオイルレッドO染色し、細胞内脂肪滴の大きさを顕微鏡観察しました(図1.)。その結果、C3G添加培地で培養した細胞では無処置区に比べて大きな脂肪滴が少なくなっており、またそれは添加したC3Gの濃度が高くなるほどその傾向が強いことが観察されました。
 次に、この染色細胞からオイルレッドO色素を抽出し、細胞内中性脂肪量として比較しました(図2.)。
 この試験では脂肪滴の大きさと抽出される色素量とは比例関係になります。測定の結果、C3G添加培養した試験区では抽出される色素量が無処置区よりも濃度依存的に減少し、C3G 100μMの添加濃度では統計学的に有意な減少であることが分かりました。しかしながら、この試験系では脂肪細胞が培養中に死んだりして数が減ってしまった場合も同様に抽出される色素量は少なくなりますので、内臓脂肪細胞の数や生存率へのC3Gの影響を確認する必要があります。そこで、同細胞を96 well plate に2.4×104個/wellとなるように播種後、上記方法にて同様に培養した細胞について、細胞数計測アッセイを行いました(図3.)。その結果、C3Gは内臓脂肪細胞の数や生存率を低下させないことが分かりました。従って、図1.や図2.で確認された効果は、C3Gが細胞内の脂肪蓄積量そのものを低下させたことによると考えられました。
 以上より、C3Gは内臓脂肪細胞の脂肪蓄積を濃度依存的に抑制することが分かりました。昨年の同学会で報告したとおり黒大豆種皮抽出物はラット肥満モデルの内臓脂肪沈着を抑制することを私たちは見出していますが、その作用にC3Gが強く関係していることが今回分かりました。近年世界的に問題とされている肥満・メタボリックシンドロームの予防や改善に、C3GあるいはC3Gを豊富に含む黒大豆の有用性が期待できます。黒大豆は中国では漢方の素材として重用されるなど、古くから健康食として親しまれてきました。今後も黒大豆やその成分について、研究を進めていきたいと思います。

* 関連資料 参照
 図1.内臓脂肪細胞培養8 日目における脂肪滴の顕微鏡観察像(400倍)
 図2.各試験区での内臓脂肪細胞に蓄積された脂肪量の比較
 図3.各試験区での細胞数比較

▲発表予定
 日本栄養食糧学会第61回大会(京都国際会館、5月17日~20日)
  発表日時:5月20日(日)10:00
  会場:京都国際会館C 会場
  発表:内臓脂肪細胞初代培養系に対するシアニジン-3-グルコシドの作用【演題番号4C-6a】
      フジッコ株式会社 田村真也、吉田正、戸田登志也

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