タカタ、子供の交通事故傷害低減のための「腹部傷害評価ツール」を開発
タカタ、フィラデルフィア小児病院をはじめ世界の安全研究の先端グループと共に
子供の交通事故傷害低減のための「腹部傷害評価ツール」を開発
タカタ株式会社(社長:高田重一郎、本社:東京都港区、以下タカタ)は、この度、米国の研究機関およびフォード社と協力し、自動車に乗車している子供の腹部傷害を評価するツールを開発しました。なお、本開発に関する概要は、5月23日(水)にパシフィコ横浜にて開催される自動車技術会学術講演会にて、発表を予定しております(*)。
腹部傷害については、米国の事故統計から、4歳ぐらいから8歳ぐらいの子供が、自動車に装備されているシートベルトを使用したまま事故に巻き込まれた際、腹部(内臓)に深刻な傷害をもたらす頻度が非常に多いことが知られています。これは体格の小さい子供が成人用シートベルトを装着するため、適切な位置を拘束できないことが要因のひとつとされています。しかしながら、これまでのチャイルドダミー(※子供の体型をした衝突試験用人形)には、ベルト荷重による腹部の変形などを測定する機能が備わっておらず、子供の腹部傷害を軽減する保護システムの開発において、大きな課題となっておりました。
タカタでは、2003年より、フィラデルフィア小児病院(以下CHOP)との共同研究として、ヴァージニア大学など自動車安全研究において高い技術をもつグループの協力を得て「チャイルドダミー腹部傷害評価ツール」開発プロジェクトをすすめて参りました。
また、このプロジェクトに参画しているフォード社からは、同社が独自開発したアダルトダミー腹部傷害評価ツールの技術をもとに、本評価ツール開発において多大な支援と協力を受けております。
このプロジェクトは、実際に発生した事故を調査し、腹部傷害のメカニズムを把握するとともに生体力学的研究を重ね、その特性を正確に測定できるツールの開発へとつなげていくもので、同研究の数々の成果は、今回の自動車技術会学術講演会を初めとする多くの学会で発表され、高い評価を得ております。
本評価ツールを使用することにより、より適切なシートベルトやチャイルドシートなどの保護装置を開発することができ、子供の腹部傷害低減、並びに、義務化されているにも関わらず着用率が49.4%と過半数に達していない国内のチャイルドシート着用率の現状(※2006年6月警察庁とJAF/社団法人日本自動車連盟の調査より)に対しても貢献できると考えております。
また、この他も子供の乗員保護研究の一環として、側面衝突保護を正しく評価する方法について前述のCHOP、米国運輸省連邦交通安全局(NHTSA)と共同研究を進めております。
タカタは今後も、交通事故犠牲者ゼロの夢に向かって、乗員保護装置の総合メーカーとして、法規やアセスメントで要求される基準を満たす製品はもとより、常に一歩先の安全性を追求し続けています。
(*) 講演時間: 12時30分~14時10分、会場: 511(5F)、Session #31 『Occupant Protection』
【本件に関するお問い合わせ先】
タカタ株式会社広報室(03-3582-1293)
合わせてタカタホームページ( http://www.takata.com )もご覧下さい。