東レなど、汚染物質分解微生物検出用の超高感度DNAチップを開発
汚染物質分解微生物検出用超高感度DNAチップを開発
-低コスト、環境低負荷な土壌・地下水浄化の革新ツール-
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原 定征、以下「東レ」)と松下環境空調エンジニアリング株式会社(大阪府吹田市、社長:片田裕、以下「MEA」)は、このたび、東レが開発した超高感度DNAチップ技術と、MEAが国立大学法人岐阜大学、独立行政法人産業技術総合研究所ヒューマンストレスシグナル研究センターと共同開発した土壌・地下水浄化に有効な微生物情報を組み合わせた、汚染物質分解微生物検出用の超高感度DNAチップを開発しました。
これは、土壌・地下水の塩素系揮発性有機化合物(VOC)汚染を浄化するための事前検証法として、バイオレメディエーション法(微生物による土壌・地下水浄化)の有効性を検出するマイクロアレイ技術の中核となるチップです。東レが開発した超高感度DNAチップ“3D-Gene”に、MEAのVOC分解微生物のDNA情報を搭載し、東レのDNA検出技術と、MEAによる土壌・地下水浄化に有効な微生物情報とマイクロアレイ技術を組み合わせて実現しました。今回、従来方法ではVOC分解微生物が検出できずバイオレメディエーションが不可能と判断されていたサイトでこの新しいチップを用いて検証を行い、バイオレメディエーションが可能なことを実証しました。
本開発により、従来使用していたチップと比較して、約100倍の感度を実現し、1チップで22種類のVOC分解微生物を同時に検出・微生物数の同定が可能になりました。従来では検出できなかった微量のVOC分解微生物を検出でき、安価で安全に浄化できるバイオレメディエーション法が適用できる汚染サイトの範囲を広げることが可能になります。
今後、MEAでは、東レ製のDNAチップを用いて、土壌浄化事業をさらに進めてまいります。
東レは本開発を機に、“3D-Gene”を中心とするバイオツールビジネスの育成拡大を加速します。従来の臨床分野に加えて、環境分析や食品分析等、早期の普及が見込まれる非臨床分野で用途拡大を推進し、同分野向けのバイオツールビジネスを100億円規模に育成拡大してまいります。
なお、超高感度DNAチップ“3D-Gene”開発の一部はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「バイオ・IT融合機器開発プロジェクト」の助成を受けて取り組んだものです。
【特徴の補足説明】
※添付資料を参照
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