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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2007'05.29.Tue

アンリツ、Mobile ワイヤレス通信システム向けシグナルアナライザ2機種を発売

業界最高水準の測定能力と測定スピードを実現

シグナルアナライザ MS2690A/MS2691A


 アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、業界最高水準の測定能力と測定スピードを兼ね備え、Mobile WiMAXやW-CDMA、第4世代携帯電話システムなど様々なワイヤレス通信システムにおいて幅広く使用できるシグナルアナライザMS2690A(周波数範囲:50Hz~6GHz)、MS2691A(周波数範囲:50Hz~13.5GHz)2機種を開発。5月25日から販売を開始いたします。
 MS2690A/MS2691Aは、平均雑音レベル-155dBm(2GHz時)、総合レベル確度±0.5dB(50Hz~6GHz時)など業界最高水準の測定能力を有するともに、最大31.25MHzの帯域幅の高速FFT(※1)測定およびRF信号波形を取りこぼし無く取り込むディジタイズ機能を標準装備したシグナルアナライザです。これまでの測定器では測定精度が劣化することが多かった3GHzを超える周波数帯域においても、高速・高確度な測定が可能。複雑化する次世代ワイヤレス通信システムの研究・開発や、高性能が要求されるデバイス、基地局の性能試験が効率よく行えます。
 また、MS2690A/MS2691Aのオプションとして、6GHzまでの周波数をカバーしRF変調帯域幅(※2)120
 MHzまでの信号を出力できるベクトル信号発生器も開発。MS2690A/MS2691Aに内蔵でき、デバイスの送信試験や移動通信基地局の製造試験で必要とされる信号出力タイミングに応じた信号解析を可能とする試験環境が省スペースで構築できます。


[開発の背景]
 Mobile WiMAXや第4世代携帯電話などの次世代ワイヤレス通信システムは、使用周波数帯域の広帯域化が進み、3GHzを超える高い周波数へと使用帯域がシフトし始めています。また、周波数の利用効率を高めるために、時間経過と共に信号がダイナミックに変化する方式が採用され複雑さが増しています。
そのような中、3GHzを超える高い周波数帯においても、優れた測定精度と広帯域解析能力を持ち、時間的変化を取りこぼしなく解析できる測定器が求められるようになってきています。
 そこで、アンリツは、業界最高水準の測定能力を持ち、信号波形を取りこぼしなく取り込めるディジタイズ機能を標準搭載したシグナルアナライザMS2690A/MS2691Aを開発。3GHzを超える周波数帯域においても、優れた測定精度、変調精度、広帯域解析能力を有しているため、次世代ワイヤレス通信システム関連機器の性能を高確度に測定できます。


[製品概要]
 MS2690A/MS2691Aは、業界最高水準の測定能力と測定スピードを実現したシグナルアナライザです。特に50Hz~6GHzの周波数範囲において、業界最高水準の総合レベル確度と変調精度および広帯域解析を実現。3GHzを超える周波数帯においても、高速・高確度に測定できます。優れたRF性能をベースとし31.25MHzの広帯域FFT解析が行えるベクトル・シグナル・アナリシス機能や、信号波形をデジタルデータとして高確度に取り込めるディジタイズ機能も標準搭載しており、複雑化する次世代ワイヤレス通信システムの研究・開発や、高性能が要求されるデバイス、基地局の性能試験が効率よく行えます。
 また、6GHzまでの周波数をカバーし、RF変調帯域幅120MHzまでの信号を出力できる内蔵のベクトル信号発生器オプションを搭載することで、信号発生器の出力タイミングに応じた信号解析が容易に行えます。さらに、Mobile WiMAX測定ソフトウェアMX269010AまたはW-CDMA BS測定ソフトウェアMX269030Aを搭載することにより、Mobile WiMAXやW-CDMA/HSDPAに対応した専用測定器とすることができ、端末、基地局、デバイスの各種解析が高速・高確度に行えます。
 なお、MS2690Aは50Hzから6GHzの周波数範囲に対応し、MS2691Aは50Hzから13.5GHzの周波数範囲に対応しています。


[主な性能・特長]
□業界最高水準のダイナミックレンジ
 平均雑音レベル-155dBm/Hz(2GHz時)、3次相互変調歪(※3)+22dBm(2GHz時)という業界最高水準のダイナミックレンジを実現しています。第3世代携帯電話の測定規格である3GPP内で規定されたスプリアス(※4)規格の一つである「カテゴリB」(※5)をフィルタやアンプなどの治具を使用せずに行えます。煩わしい校正作業が不要となり、カテゴリBの試験環境が低コストで簡単に構築できます。

□6GHzまでの卓越した総合レベル確度(真値との差異)
 50Hzから6GHzまでの周波数帯範囲において、±0.5dBという優れた総合レベル確度を実現。3GHzを超える高い周波数帯を使用するMobile WiMAXやWireless LAN、次世代ワイヤレス通信システムなどの対応製品の送信パワーなどを高確度に測定できます。
   
□業界最高水準の測定スピード
 MS2690A/MS2691Aは、最大31.25MHzの周波数帯域を高速に測定できるベクトル・シグナル・アナリシス機能を標準で搭載しています。従来の掃引型スペクトラムアナライザでは数秒かかっていた変調信号や
ノイズのバラつきの平均化処理を瞬時(約0.1秒)に行えます。また、Mobile WiMAX測定ソフトウェアMX269010AまたはW-CDMA BS測定ソフトウェアMX269030Aを用いた変調解析測定においても、高速化(当社比20倍)を実現しています。

□最大31.25MHz帯域のRF信号を高確度にデジタルデータとして取り込み可能
 MS2690A/MS2691Aは、最大31.25MHz帯域のRF信号を高確度にデジタルデータとして取り込めるディジタイズ機能を標準で搭載しています。RF経路での信号劣化を最小限に抑えているため、取り込んだデジタルデータは補正作業なしでMATLABなどの解析ツールで使用できます。
※MATLABは、The MathWorks, Inc.の登録商標です。

□高性能ベクトル信号発生器(オプション)の内蔵が可能
 高性能ベクトル信号発生器は、周波数範囲125MHzから6GHzをカバーしており、専用の信号発生器と比較しても遜色のないレベル確度とACLR(※6)性能を有してします。さらに、BER(誤り率)測定機能やAWGN(※7)加算機能も標準で装備しています。MS2690A/MS2691Aに内蔵することで、デバイスの送信試験や基地局の製造試験で必要とされる信号出力タイミングに応じた信号解析が可能となり、試験環境が省スペースで構築できます。


[対象市場・用途]
□Mobile WiMAX、W-CDMA/HSDPA方式携帯電話端末、基地局およびデバイスの研究開発・製造
□次世代ワイヤレス通信システムの研究・初期開発
□各種デジタル無線システム、デジタル家電、カーエレクトロニクス、レーダーなどの性能試験


[営業情報]
□販売開始:平成19年5月25日
□予定販売台数(初年度1年間):国内/海外計 300セット
□価格: 
  シグナルアナライザ MS2690A(周波数範囲:50Hz~6GHz)    400万円
  シグナルアナライザ MS2691A(周波数範囲:50Hz~13.5GHz) 480万円
  ベクトル信号発生器 MS2690A/MS2691A-020         200万円
  Mobile WiMAX測定ソフトウェア MX269010A            120万円
  W-CDMA BS測定ソフトウェア MX269030A             80万円


[用語解説]
※1 RF変調帯域幅
 高周波無線信号出力における変調された信号の帯域幅。

※2 FFT:Fast Fourier Transform
  高速フーリエ変換。フーリエ変換とは信号中に含まれている周波数成分を抽出する処理。

※3 3次相互変調歪
 2つ以上の信号が相互に影響し合って発生する歪の一つで、狭帯域の機器で問題になりやすい。アンプの直線性を評価する際に利用される。

※4 スプリアス
 標準の送信信号(搬送波)以外の不要な周波数成分。

※5 カテゴリB
 3GPP TS25.106のスプリアスエミッションで定められた規格の一つ。カテゴリAに比べて、電力の条件が細かく決められている。

※6 ACLR:Adjacent Channel Leakage power Ratio
 隣接チャネル漏洩電力比。無線通信システムでは、周波数をある幅(チャネル)に分けて使用している。通常は一つのチャネル内に収まるように通信するが、出力電力を上げた場合に、隣接するチャネルに漏れ出すことがある。ACLRはこの漏れ出した量の評価に使われる。

※7 AWGN:Additive White Gaussian Noise
 相加性白色ガウス雑音。擬似的に発する雑音のこと。CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)方式では複数の基地局や移動機が同一周波数を使用している。希望しない基地局や移動機信号をAWGNでシミュレートすることにより受信機を評価する。

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