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2024'11.26.Tue
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2007'05.29.Tue

ファンケル、発芽玄米のカレーが食後の血糖上昇抑制に有効など研究成果を発表

「人気メニューのカレーライスでも、食後の血糖上昇抑制に発芽玄米が有効」
第50回日本糖尿病学会年次学術集会にて発表
ファンケルと東京慈恵会医科大学の共同研究


 株式会社ファンケル(本社:横浜市中区、代表取締役社長執行役員:宮島和美)では、2003年より東京慈恵会医科大学附属第三病院糖尿病・代謝・内分泌内科 横山淳一教授と共同で、発芽玄米の有用性について研究を続けてまいりました。この度、発芽玄米のカレーが白米のカレーに比べて、インスリン分泌への負担を増やさずに食後の血糖上昇を抑えることが明らかになり、この結果を日本糖尿病学会(2007年5月24日~26日、於仙台市)にて発表いたしました。

●本研究の経緯
 海外では、糖尿病などの生活習慣病に対し、発芽玄米や玄米などの全粒穀物(精製度の低い穀物;ホールグレイン)を食生活に取り入れることの有用性を示す研究報告が数多くなされています。一方、日本においては、全粒穀物に関する研究は少ないのが現状です。
 こうした状況を踏まえ、当社総合研究所は、東京慈恵会医科大学附属第三病院糖尿病・代謝・内分泌内科横山淳一教授と共同で、発芽玄米が血糖値に与える影響を継続的に研究し、これまでに(1)発芽玄米が白米に比べて健常人の食後血糖値上昇を抑制(2)発芽玄米を主食とした和食(焼き魚定食)が白米に比べ健常人の食後血糖上昇を抑制(3)発芽玄米が白米に比べて空腹時の血糖値が高い人の食後血糖上昇を抑制――などの結果を日本糖尿病学会で発表してまいりました。
 今回の試験は、国民的人気メニューのうち、食後の高血糖をきたしやすいカレーライスに着目し、ごはんを発芽玄米と白米にした際の食後血糖およびインスリン分泌について、比較検討いたしました。

●試験方法
 試験は、健常な成人男女12名(女性5名、男性7名、平均年齢32才、平均BMI20.5kg/m2)を対象に、クロスオーバー法にて実施しました。被験者には試験前日の午後9時までに指定の食事を食べ、その後試験終了まで水以外の飲食を中止して頂きました。試験当日の午前9時に糖質75gに相当する発芽玄米228gまたは白米208gを、レトルトカレー210gと水150mlとともに5~15分で食べてもらいました。さらに、食前、および食後30・60・120・180分後に採血を行い、血糖値と血中インスリン値を測定しました。

 図)食後の血糖値の推移
 (※ 関連資料を参照してください。)

●試験の結果
 右図の通り、発芽玄米カレーを食べた後の血糖上昇は、白米カレーを食べた後に比べて低く抑えられました。血中インスリン値についても、発芽玄米カレーを食べた後は、白米カレーに比べて低く推移しました。また、食後180分間までの血糖及び血中インスリンの代謝の指標となる血糖上昇曲線下面積、インスリン上昇曲線下面積いずれも発芽玄米カレーを食べた後は白米カレーを食べたあとに比べて統計学的に有意に低い値となりました。さらに、食味の点でも発芽玄米カレーは白米カレーに比べてすぐれていることがアンケート調査から明らかになりました。
 発芽玄米カレーは、白米カレーに比べてインスリン分泌への負担を増やさずに食後の血糖上昇を抑えたことから、白米を全粒穀物である発芽玄米におきかえることで、糖尿病を予防し、また糖尿病の血糖コントロールを良好にする効果が期待されます。

●今後の予定
 発芽玄米と白米の摂取が糖尿病患者の血糖値にどのような影響を与えるかの臨床試験も開始するなど、今後も発芽玄米の持つさまざまな機能性を科学的に解明するため、継続的に研究を続けてまいります。
 当社では発芽米の価格を今年4月から20%値下げして、よりお求めやすい形でご提供しております。今後は、通販やスーパーなど一般流通ルートのほか、中食や外食、さらに社員食堂、学校給食などへの発芽玄米の提案を強化していく予定です。


【 ファンケル総合研究所 健康食品評価グループ 伊藤 幸彦 】
 肥満症が深刻な問題となっている米国の食事指針では、国民の健康の為に主食として全粒穀物(玄米、全粒粉のパンなど)を積極的に摂るように推奨し、そのためのエビデンスも数多く報告されています。しかし、米を主食としてきた日本においては、穀物の健康上の有用性に関する研究が少ないのが実情です。現在、健康や美容を意識した玄米ブームや雑穀ブームが起こっております。これらを一過性のブームで終わらせないためにも、私たちは、引き続き発芽玄米の機能性についてデータを蓄積し、日本の重要な農産物である米の機能性を明らかにし、そのすばらしさを発信していきたいと考えています。おいしくて、手軽に炊ける発芽玄米を、ぜひ、皆様の健康増進にお役立てください。

 1975年8月5日京都府生まれ
 2001年東京都立大学理学研究科終了後、同年株式会社ファンケル入社。以来、一貫してサプリメントと発芽玄米の機能性研究に従事。


(※ 図などは関連資料を参照してください。)

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