英グラクソ、子宮頸がん予防ワクチン「Cervarix」がオーストラリアで承認を取得
2007年5月21日ロンドンおよびリクセンサート(ベルギー)発
子宮頸がん予防ワクチンCervarix、
10~45歳の女性を対象にオーストラリアにて承認取得
グラクソ・スミスクラインの子宮頸がんワクチンが世界で初めて承認
グラクソ・スミスクラインplc(本社:英国 以下:GSK)は、同社の子宮頸がん予防ワクチンCervarixが、オーストラリアの医薬品審査当局(Therapeutic Goods Administration)より、子宮頸がんの原因としてもっとも多く見られる特定のタイプのヒトパピローマウイルス(HPV)により起こる、前がん病変および子宮頸がんに対する予防ワクチンとして5月21日付けで承認されたと発表しました。これによりCervarixはオーストラリアにおいて10~45歳の女性に対して接種が可能となりました。今回の承認は、GSKの子宮頸がん予防ワクチンCervarixとしては世界で初めての承認となります。
GSKのワクチン研究開発部門であるGSKバイオロジカルズ社のプレジデントであるジャン・ステファンは、次の通りコメントしています。
「今回のオーストラリアでのCervarixの承認は、世界中の女性を苦しめる子宮頸がん撲滅への大変重要なマイルストーンの一つです。特に27歳以上の女性に対する子宮頸がん予防ワクチンの承認は世界で初めてとなります。このワクチンは、子宮頸がんの予防において科学的に大きく貢献することを意味するものであり、革新的なワクチン開発にGSKが積極的に取り組んでいることを反映するものです。今回の承認はGSKにとって素晴らしいニュースであり、このワクチンはGSKの更なる成長の牽引役となるでしょう。」
このワクチンには、強い免疫応答をもたらし、予防効果を長く持続させることを目的として開発されたAS04と呼ばれるGSK独自開発の免疫増強剤(アジュバント)が組み込まれています。発表されている臨床データによると、従来のアルミニウム塩のみをアジュバントとするワクチンに比べ、このGSK独自開発のアジュバントを加えた子宮頸がん予防ワクチンは長期間にわたり強い免疫応答を持続できることが示されています。(*5)
「画期的なアジュバントを添加した最初の子宮頸がんワクチンであるCervarixにおおいに期待しています。私たちのゴールは、子宮頸がんから女性を守るための考えうる最善の方法を提供することです。」とジャン・ステファンは述べています。
Cervarixは4万人以上を対象とした臨床試験で効果が検証されてきました。それらの試験からHPVのタイプ16と18によりおこる前がん病変に対してCervarixは長期間高い予防効果を示し(*1)、高い安全性と忍容性のあることも確認されました。(*6,7,8) また試験データから、このワクチンはターゲットとしているHPVタイプ16と18だけでなく、異なる発がん性タイプのHPVに対しても予防効果を示すことが予備解析から示されました。
GSKは欧州EMEAや、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの審査当局への同ワクチンの承認申請に続いて、本年3月に米国FDAにも生物製剤承認申請(Biologics License Application)を提出しています。
* 日本においては、昨年4月より臨床試験を開始しています。
子宮頸がんは世界において45歳以下の女性の死亡原因の2番目となっており、毎年27万人以上がこの病気で亡くなっています。(*2) 子宮頸がんは、HPVの持続感染からがんへ進行するとされています。50~80%の女性は一生のうちに一度はHPVに感染するとされており、年齢と共にそのリスクは高くなります。(*3) だからこそ、27歳以上の女性においても子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を予防し、HPVの持続感染と子宮頸がんへ進行するリスクを減らすことが非常に重要となるのです。HPVには100種類以上の異なる遺伝子タイプが存在し、そのうちの約15種類のタイプが子宮頸がんの原因とされています。その中でもHPVの16と18のタイプを合わせると、世界における子宮頸がんの原因の70%を占めています。(*4)
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