KDDI研究所、e農業を実現する農産物生産管理/情報公開システムを開発
e農業を実現する農産物生産管理/情報公開システムの開発と実証実験の実施について
(株)KDDI研究所(埼玉県ふじみ野市:所長 秋葉重幸 以下、KDDI研究所)は、農業分野におけるICT(情報・通信技術)ニーズに応えるため、三菱電機エンジニアリング(株)による「e農業日誌Webサービス」[1]にKDDI研究所が試作した「携帯電話版ライフログ」を組み合わせ、「携帯電話による農産物生産管理サービスと専用ブログによる生産情報公開サービス」を提供するシステムを開発し、本システムを活用した実証実験を、5月初旬より、栃木県立宇都宮白楊高等学校(栃木県宇都宮市:学校長 柴田富男)と共同で開始しました。
農業の生産現場では、ICTの活用によるPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルの効率化が期待されています。現状の「e農業日誌Webサービス」は、PCの利用を前提としているため、生産者が作業場所で作業計画の確認と作業記録の作成を行うためには紙での記録などが必要でした。
KDDI研究所では、携帯電話に備わった機能(GPS、カメラ、バーコードリーダー等)から取得した情報を、ネットワーク上に配備された機能(緯度経度から住所に変換する機能、バーコードから商品情報を取得する機能等)を用いて再構成し、簡便な操作で個人の行動に応じた各種情報を収集、自宅のPC上で簡単にブログ化するサービスである「携帯電話版ライフログ」を試作しています。
「e農業日誌Webサービス」と「携帯電話版ライフログ」を組み合わせることで、携帯電話で位置情報、日時、使用する農薬・肥料情報のいずれかの情報を取得するだけで作業計画の確認や作業記録が残せる農産物生産管理機能と、この作業記録をもとに簡便に成育日記(ブログ)を作成し公開できる生産情報公開機能の、2つの機能を有する携帯電話アプリケーションを開発しました。
本システムは、携帯電話を利用するため導入が容易な上、農業の生産現場においてGAP(Good Agricultural Practice:適正農業規範)に適合した作業の徹底管理が可能となります。これにより、消費者にとっては、安全で信頼性のある農産物の供給を受けることができ、かつ、農業生産者との間でブログを介してコミュニケーションすることが可能となります。また、消費者から意見をいただくことで生産者の生産意欲の向上にもつながります。
今後、実証実験での利用者の評価を参考に商用化の検討を行ってまいります。
なお、KDDI研究所が開発した技術は、総務省から委託を受けて実施している「ユビキタスネットワーク制御・管理技術の研究開発」[2]の成果を応用したもので、RFID(電子タグ)を用いた生産管理にも対応が可能です[3]。
※e農業日誌は三菱電機エンジニアリング(株)の登録商標です。
以上
【参考URL】
[1] http://www.mee.co.jp/sales/other/e-nougyou/
[2] http://www.ubila.org/
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060601_3.html#bs3
[3] http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/0927/index.html