トピー工業グループ、「新中期連結経営計画(MS-2007)」を策定
「トピー工業グループ新中期連結経営計画(MS-2007)」について
満足をすべてのステークホルダーに
コーポレートメッセージは「One-piece Cycle」
トピー工業グループ(トピー工業株式会社およびグループ会社)は、このほど2007 年度~2009年度を実行期間とする中期連結経営計画(MS-2007)を策定し、スタートさせました。
当社は、1993 年度から2002 年度までの10 年間、グローバルスタンダードを乗り越え、激変した事業環境に対応するため、強靭かつ柔軟な経営構造の構築を狙いとする、中期経営計画(第1 次~第3 次構造改革計画)を順次推進してまいりました。
さらに2003 年度からは「10 年後も価値ある企業で在り続けるには、どんな企業になればよいか」をテーマに、今後10 年先を見越した経済環境の変化と、トピー工業グループの「長期的あるべき姿」をイメージした上で、中期的レンジで実行すべき課題と施策を掲げた中長期連結経営計画(MS-2003)をスタートしました。MS-2003 は、当初2003 年度~2005 年度の3 カ年計画でしたが、「グループ中核会社2 社の完全子会社化」、「橋梁事業の生産拠点集約」、「米国子会社4 社の再編」など、新たな連結経営体制を構築するための重要施策を実行した2006 年度を加えた4 カ年計画に延長し、先ごろ終了いたしました。
MS-2003 を継承したMS-2007 は、「新たな成長分野への一貫生産能力の増強」、「新製品・新生産方式の開発」、「連結経営の新たなステージへの発展」、「財務体質の強化」、「新たな利益配分方針」、「長期計画に基づいた施策の継続」の6 つを主要施策に、トピー工業グループの一貫利益の追求とさらなる躍進をはかり、株主様をはじめ、すべてのステークホルダーに満足いただくことをめざします。
なお、2009 年度最終目標として、連結売上高は2,920 億円(2006 年度比+2.4%)の微増ですが、利益面ではこれまで実行してきた不採算事業の整理と、MS-2007 での成長事業への重点投資効果が相俟って、営業利益195 億円(同+47.7%)と大幅増益を計画しております。
また、MS-2007 では、トピー工業グループが、社会の一員として、事業展開していく上での基本姿勢を表現するコーポレートメッセージ「One-piece Cycle」を新たに定めました。「鉄をつくり、鉄をこなす」、「素材から製品までの一貫生産」を最大の特色とするトピー工業グループが、社会をより豊かに、より暮らしやすくしていくために、鉄を媒体に、長年培ってきた「技術と品質」によって、社会と一体となって循環し、新たな動きを生み出したい。トピー工業グループの考えが「One-pieceCycle」には込められています。
MS-2007 の詳細は次ページ以下の通りであります。
1.MS-2007 の目標
※添付資料を参照
2.MS-2007 の主要施策
(1)新たな成長分野への一貫生産能力の増強
当社は、油圧ショベルに代表される建設機械向け履帯(クローラ)や資源開発用特大型トラックをはじめとする大型建設機械向けホイールなど建設機械足回り部品において、世界レベルで圧倒的シェアを有するトップメーカーです。その最大の特色は「素材から製品までの一貫生産」にあります。中国を中心に高水準で推移する建設投資や、世界的な資源開発需要の増加を背景に、建設機械分野は今後とも高成長が見込まれており、MS-2007 では建設機械足回り部品の一貫生産能力増強ため、70 億円を設備投資にあてます。
また、MS-2007 では、このほかに将来を見据えた戦略投資、環境関連投資など、3 年間総額340億円の設備投資を計画しております。
(2)新製品・新生産方式の開発
MS-2003 を継承し、すべての事業(鉄鋼、自動車・産業機械部品、橋梁・土木・建築、発電、その他)において、すべての分野(開発、技術、生産、購買、営業他)のレベルアップをはかり、他社が真似できない新製品・新生産方式の開発、グローバルレベルでの特色ある「オンリーワン」の地位確立に挑戦し続けます。
また、「技術」と「品質」に関しては、これまで自動車・建機メーカーほか数多くのユーザーから寄せられた厚い信頼をベースに、顧客ニーズを先取りしたさらなる向上をめざします。
(3)連結経営の新たなステージへの発展
トピー工業グループは、強靭で柔軟な連結経営体制の確立に取り組んでおり、グループ会社に対するガバナンス強化や、グループ会社の再編、不採算事業の整理などの改革を実行してまいりました。2006 年度は「中核会社2 社の完全子会社化」と「米国子会社4 社の再編」を行い、さらなる収益力強化を実行しました。
MS-2007 では、セグメント別経営の観点から連結経営体制を一層強化し、グループ一貫利益を追求し続けていきます。
(4)財務体質の強化
MS-2007 では、高水準での利益確保により、3 年間総額540 億円の営業キャッシュフローを創出する計画です。その有効配分には「足元の利益」、「将来の成長」、「長期的安定」の視点を満足させるため、引き続き「有利子負債の削減(2006 年度比△126 億円:△17.8%)」に取り組むとともに、「設備投資(3 年間総額340 億円)」と「純資産の積み増し(2006 年度比+190 億円:+22.8%)」に関しても高次元でのバランスをはかります。
(5)新たな利益配分方針
これまでの構造改革で実施してきた「収益事業への選択と集中」、「不採算事業の整理」により、トピー工業グループの収益リスク要因は極小化しております。また、MS-2007 における成長分野への投資により、その収益力は確実に強化される見込みです。
MS-2007 では株主様への利益配分に関して、従来の「安定的な配当継続」に加えて、「連結業績に応じた利益還元」を方針とし、連結配当性向25%程度を目標にいたします。
(6)長期計画に基づいた施策の継続
MS-2003 策定時と現時点において、トピー工業グループが属する業界の事業環境は、基本的に変わっておらず、MS-2003 で掲げた長期的施策は今後も有効であると認識しております。すなわち「製造業の国内空洞化」、「若年人口の減少」、「財政逼迫」など、長期的な構造変化に対応した諸施策は、MS-2007 でも継続・深化させてまいります。
3.「One-piece Cycle」
社会をより豊かに、より暮らしやすくしていくためにトピー工業グループが取り組む姿勢を表現しました。
※参考図は添付資料を参照
トピー工業グループの最大の特色は、「素材から製品までの一貫生産」にあります。これまでも、複数の事業部門それぞれが培ったノウハウを互いに共有することで、さらに独創性の高い技術を開発し、付加価値の高い製品を送り出してきました。設計から生産まで、素材から製品まで、多事業体であるトピー工業はもとよりグループ会社、さらには社会と一体となって、新しい動きを生み出したい、トピー工業グループはそう考えています。
以上