三洋電機、火災警報器用の円筒形リチウム一次電池を開発
業界最高(※1)レベルの高容量とハイパワー・長寿命を実現!
火災警報器用の円筒形リチウム一次電池を開発
品名 円筒形リチウム一次電池
品番 CR17450E-N
出荷開始 2007年7月
当初月産 500,000個
三洋電機株式会社(以下、三洋電機)は、ブランドビジョン「Think GAIA」のもと、快適な暮らしと地球環境への配慮を両立させ、さらなる事業拡大に挑戦しています。
この度、高容量でハイパワーな火災警報器用途の円筒形リチウム一次電池 「CR17450E-N」 の開発に成功し、6月から量産、7月から出荷を開始します。当初の生産数量は月産50万個程度からはじめ、10月には月産100万個に拡大していく予定です。
(※1) 2007年6月5日時点、火災警報器用リチウム一次電池において
■ 主な特長
1. 業界最高(※1)レベルの高容量(当社従来比約10%アップ)を実現
2. 容量アップとトレードオフの関係にあるハイレート特性を確保
3. 高信頼性を確保(期待寿命10年)
■I. 概要
三洋電機は、1976年に業界で初めて二酸化マンガンリチウム一次電池の開発・実用化に成功。銀塩カメラやデジタルカメラ、電子メーター用途などに展開し、事業を拡大してきました。火災警報器用途には1990年代前半から参入し、国内では約70%のシェア(※2)を持っています。三洋電機は、リチウムイオン電池や、「eneloop 充電池」など、二次電池分野で大きな強みを持っていますが、本製品の量産にあたっては、生産拠点である三洋エナジー鳥取株式会社に生産ラインを増設し、生産能力を従来の1.4倍に高めます。高性能一次電池の分野でも、これまで培ってきた技術力を活用し、さらに進化・多様化していく用途市場の要求に応えてまいります。
(※2) 2006年度 リチウム一次電池を採用した火災警報器において(三洋電機調べ)
「火災警報器」は、煙や熱を感知して、音声や警告音で火災の発生を知らせる機器です。消防庁によると、住宅火災で死に至る原因の約7割が逃げ遅れによるもので、死者の半数が65歳以上の高齢者となっています。日本における住宅火災による死者数は年々拡大しており、2003年以降は3年連続で1,000人を突破しています。(※3) これを受け、2004年6月に消防法が改正され、戸建住宅や共同住宅への「火災警報器」設置が義務付けられることになりました。(※4) このため、火災警報器市場は年率10%以上(※5)の成長率で拡大しており、この分野における電池の重要性がますます高まってきています。火災警報器用の電源には、AC電源タイプやアルカリ乾電池・リチウム一次電池などの電池タイプのものがありますが、電気工事が不要で停電時にも使えるのが電池タイプのメリットです。その中でも、約10年と、乾電池に比べてはるかに長い寿命を誇るのがリチウム一次電池です。リチウム一次電池を使うタイプは、約10 年と長寿命で、乾電池タイプのように毎年電池を交換する必要はありません。
(※3) 消防庁調べ。
(※4) 新築・改築住宅の場合は2006年6月から、既存住宅は自治体ごとに異なりますが、2011年6月までには設置が必要。
(※5) 三洋電機調べ。
■II. 特長
1.業界最高(※1)レベルの高容量(当社従来比約10%アップ)を実現
電池部品の薄型化が可能な新構造を採用し、電池内部の体積を有効活用することで、火災警報器用として一般的なサイズである17450サイズ(直径17.0mm、高さ45.0mm)において当社従来品「CR17450E-R」(公称容量2400mAh)より約10%アップの、2600mAhという高容量を実現しました。
2.容量アップとトレードオフの関係にあるハイレート特性を確保
通常、電池の容量を大きくすると、ハイレート特性(パワー)が弱くなります。例えば、従来の「CR17450E-R」(公称容量2400mAh)を2600mAhに高容量化するとパワーが約10%減ってしまいますが、極板材料の最適化などにより、従来と同等のパワーの確保に成功しました。
3.高信頼性を確保(期待寿命10年)
火災警報器用電池には、「長寿命」かつ、いざという時に使える「長期保存後の性能維持」が求められます。当社では、レーザーによる封口(電池のキャップ)溶接技術、材料の最適化を用い、10年という長寿命を実現。約1年で交換が必要となる乾電池に比べ、交換の手間が少なく、経済面でも環境面でもメリットがあります。
■III. 仕様
* 関連資料 参照
<お問い合わせ先及び資料請求先>
三洋電機株式会社
パワーグループ モバイルエナジーカンパニー リチウム電池事業部 リチウム技術部
〒656-8555 兵庫県洲本市上内膳222番1号
TEL (0799)-23-2923