東洋炭素、半導体用途向け拡大で等方性黒鉛の生産能力を増強
等方性黒鉛の生産能力増強について
~年15,000トン体制を確立し一段の成長とグローバル展開を加速~
東洋炭素株式会社(代表取締役社長 近藤照久)はこのたび、旺盛な需要に呼応するべく主力製品である等方性黒鉛の生産能力を増強し、年15,000トン体制を確立することを決定いたしました。
当社は既に昨年より等方性黒鉛の設備増強を業界に先駆けて実施し、年8,000トンから11,000トンへの大幅増産を順次実現中ですが、その完遂を本年2007年秋に前倒し実行し、逼迫する足下の需要に対応いたします。これに加えて今回、主力工場である詫間事業所(香川県三豊市)の敷地内に今後2年以内に新たに年4,000トン規模の新プラントを立ち上げ、2009年秋には供給を開始する計画です。
等方性黒鉛を取り巻く環境としては、産業の高度化の進展に伴い特に高機能・高品質で高パフォーマンスなカーボン部材への要求が高まっているとともに、高機能カーボンを必要とする用途・領域が特にグローバルベースでますます拡がっております。
具体的には、半導体用途における300mmウエハー台頭による大型材の質・量含めた要求増をはじめ、放電加工電極用や工業炉向けなどの既存市場が継続的に成長していることに加えて、環境意識の高まりを背景として需要が急拡大中の太陽電池用途や、さらなる成長が期待される発光ダイオード関連の化合物半導体用途ならびに原子力・医療用途などの新規成長分野において、当社の等方性黒鉛に対する需要は一段と高まってきております。これらの動きは日本国内はもちろんのこと、むしろ海外市場において顕著であり、当社が早くから展開してきた欧州・米国・アジアの三極に加えて、インド・ロシア・東欧などの新興経済国へと急速に拡がりつつあります。
当社は等方性黒鉛のリーディングカンパニーとして、これらのグローバル市場の強い要請に応えるとともに、今後の一段の成長とグローバル展開の加速を実現するべく、このたびの能力増強を決定した次第です。
今回新設するプラントは、原料から成形・焼成・黒鉛化の各工程にわたって、当社独自設計の設備と新しいプロセス・ノウハウを盛り込んだ最新鋭の大型プラントとなり、コスト・品質競争力を一段と高めるとともに、特に当社が圧倒的な強みを有する大型材の対応能力を高めることも含めて、さらに高機能な差別化品を展開していくことを主眼としております。加えて、素材の増量に先んじて既に本年初頭より加工および高付加価値処理工程の大幅な増設および拡張を実行中ですが、今回その規模をさらに高めて最先端のニーズに呼応した高付加価値化・高度化を実現して参ります。
これにより、世界最大かつ最先端の等方性黒鉛一貫工場である詫間事業所は、東洋炭素グループのグローバル戦略の基幹工場としてさらなる進化と拡大を遂げる計画です。なお今回の投資の詳細については現在詰めておりますが、加工等の関連工程も含めた一連の投資額は、現段階では100~150億円規模を想定しております。
このたびの能力増強を契機に、当社はグローバル展開を一段と加速し、等方性黒鉛をコアとする高機能カーボンのグローバル・トップ企業としての地位をさらに確固たるものとして参りますが、これに満足することなく、名実ともに業界をリードする当社の品質・技術優位性をさらに高めて、引き続き一層の成長を志向して参る所存です。
以上