武田薬品、米アルケミックス社とアプタマー医薬品の共同研究で合意
アルケミックス社とのアプタマー医薬品共同研究について
当社は、6月11日、米国のバイオ製薬企業であるArchemix Corp.(マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下「アルケミックス社」)と、アプタマー医薬品の創製に関する共同研究を行うことで合意しました。
今回の契約締結により、アルケミックス社は、当社が提示する3つの創薬ターゲットに基づき、アプタマー医薬品の候補化合物を創製します。当社は、この共同研究から見出されたアプタマー医薬品について、全世界での独占的研究・開発・製造・販売権を獲得する一方で、契約一時金6百万ドル、研究費、研究開発の進捗に応じたマイルストンおよび販売額に基づくロイヤルティを支払います。なお、その他の経済条件は開示しておりません。
アルケミックス社の社長兼CEO Errol De Souza氏は、「今回の提携は、アプタマー医薬品の有効性を追求していく上で、重要なステップとなるものです。グローバルに事業を展開している武田薬品との提携は、当社にとって昨年来6件目となるものですが、アプタマー医薬品の臨床開発を早期に開始する、という当社の目標実現に資するものと考えています」と述べています。
当社の医薬研究本部長 大川滋紀は、「アプタマー医薬品には、様々な疾病の治療に大きな変革をもたらす可能性があります。アルケミックス社は、アプタマー医薬品創製のリーダーとして素晴らしい業績を挙げており、この共同研究が、当社の将来の成長の源泉である研究開発パイプライン強化に繋がるもの、と期待しています」と述べています。
<アプタマーについて>
アプタマーは明確な三次元構造を有する一本鎖の核酸であり、抗体同様、標的分子に結合することにより、薬効を示します。アプタマーは、高い特異性と親和性、化学的安定性、低い免疫原生、タンパク質相互作用など、低分子化合物と抗体の両方の最適特性を兼ね備えています。生物学的製剤であるモノクローナル抗体とは異なり、アプタマーは化学的に合成されます。
<アルケミックス社について>
アルケミックス社は、株式非公開のバイオ製薬企業であり、様々な疾患の予防・治療に資するアプタマー医薬品の開発を行っています。主として急性の循環器系疾患、血液疾患、癌の領域における創薬に取り組んでおり、自社開発品および共同研究開発品のいくつかは臨床開発段階にあります。その中ではARC1779(選択的抗血小板薬)は、2007年中に第2相臨床試験を開始する予定です。アルケミックス社はアプタマーに関して多くの特許を有しており、Merck Serono, Pfizer, Elan Pharma, Nuvelo, Antisoma、Regado Biosciencesなどと提携しています。
以上