協和発酵と明治乳業、MRI用経口消化管造影剤「ボースデル内用液10」を発売
日本初の「磁気共鳴胆道膵管撮影における消化管陰性造影」の効能・効果を有するMRI用経口消化管造影剤『ボースデル内用液10』新発売
明治乳業株式会社(東京都江東区 社長:浅野 茂太郎)と協和発酵工業株式会社(東京都千代田区 社長:松田 譲)は、両社で共同開発したMRI用経口消化管造影剤 「ボースデル内用液10」(一般名:塩化マンガン四水和物)について、平成18年9月15日付で薬価基準収載されましたので、製造販売元=明治乳業株式会社、販売元=協和発酵工業株式会社として、平成18年9月25日より製品販売を開始いたします。
なお、本剤の製造は明治乳業株式会社が、製品流通および製品情報提供収集活動は協和発酵工業株式会社が実施いたします。
本剤は、MRI(磁気共鳴コンピュータ断層撮影)による胆道および膵管の撮影を目的とした、塩化マンガン四水和物を有効成分とする経口消化管造影剤であり、日本で初めて「磁気共鳴胆道膵管撮影における消化管陰性造影」の効能・効果を取得した造影剤です。
また本剤により診断における改善が見込まれるとして、薬価基準収載において類似薬効比較方式(I)の有用性加算(II)が適用されました。
磁気共鳴胆道膵管撮影(MRCP:Magnetic Resonance Cholangio-Pancreatography 以下、MRCP)※は、体内の水分の存在状態の違いを捉えて臓器を画像化するMRI検査の一種で、胆道(胆嚢および胆管)および膵管の全体像把握および病変の有無の診断、術後の経過観察などで実施されます。
MRCPは、水分を強調し、水分のあるところが白く造影されます。そのため消化液によって胆道・膵管も白く造影されますが、本剤を服用しない場合、同じく白く造影される胃・十二指腸と重なってしまうため、胆道・膵管の明瞭な画像が得られず、診断の妨げとなることがありました。
MRCPの際に本剤を服用することで、胃・十二指腸を黒く造影(これを「陰性造影」といいます)出来るため、白く造影される胆道・膵管が明瞭になり、診断能の向上が期待出来ます。
こうした優れた造影効果に加え、アルミラミネートフィルム製のパウチ容器に充填された液剤であるため、磁場の環境でも使用可能であり、また用時溶解の必要も無いことから、胆道・膵疾患診断において、その有用性が期待されております。
両社では、本剤の新発売によって、新たに腹部画像診断領域に対しての寄与・貢献が出来るものと考えています。
以上
※ 従来の胆道・膵管診断では、内視鏡を用いて胆道・膵管に直接造影剤を注入し、胆道・膵管のX線写真を撮る方法(内視鏡的逆行性胆道膵管撮影:ERCP(Endoscopic Retrograde Cholangio-Pancreatography))が行なわれていましたが、身体への侵襲の苦痛や膵炎等の副作用を伴う可能性がありました。 しかし最近では、MRI機器が急速に進歩・普及したことに加え、数ミリ径の胆道・膵管を画像化する磁気共鳴胆道膵管撮影(MRCP)が開発されたことで、苦痛を伴わず、より安全な胆道・膵疾患検査が行えるようになり、MRCPによる検査は広く定着しています。
「ボースデル内用液10」の製品概要
■製品名 : ボースデル内用液10(Bothdel OralSolution10)
■一般名 : 塩化マンガン四水和物
■効能・効果 : 磁気共鳴胆道膵管撮影における消化管陰性造影
■用法・用量 : 通常、成人には1袋250mL〔塩化マンガン四水和物36mg(マンガンとして10mg)を含む〕を経口投与する。
■組成 : 1袋(250mL)中に塩化マンガン四水和物36mg(マンガンとして10mg)、添加物として還元水アメ、キサンタンガムを含有する。
■薬価基準収載日 : 平成18年9月15日
■薬価 : ¥1,311.40-(250mL1袋)
■販売開始日 : 平成18年9月25日