GE GE-PON用では世界初の光延長化装置の開発に成功
-FTTHサービスを従来比で2.5倍の最長50kmまで延長可能に-
古河電気工業は、GE-PON(注1)用では世界で初めての光延長化装置(FITELwave AG400シリーズ)の開発に成功しました。従来のGE-PON用装置での加入者端末までの最長伝送距離は、20kmでしたが、当社が開発した光延長化装置を用いることで、従来比2.5倍の50kmまで延長できるようになります。また、一本の光ファイバに波長の異なる光信号を多重化して伝送する、波長多重(WDM)機能も有しており、従来一本の光ファイバでサービスを提供できる最大加入者数は64世帯でしたが、FITELwave AG400シリーズを用いることで、従来比4倍の256世帯までの加入が可能になります。
■ FITELwave AG400 シリーズの概要
光ファイバを使用した加入者向け1Gbps(毎秒1ギガビット)の高速通信サービスを提供するシステムの多くは、GE-PONシステムと呼ばれる方式が採用されています。GE-PONシステムは、ネットワークセンタと加入者とを光ファイバで結び、異なる波長の光信号を双方向で多重して伝送するシステムです。1本の光ファイバを光分配器などで分岐する構成のため、GE-PONシステムの多くは、サービスが提供できる距離と分配数(1本の光ファイバに接続できる加入者数)が制限されていました。
当社が開発したGE-PON光延長化装置は、GE-PONシステムのサービス距離を最長30km延長(加入者端末までで最長50km)できます。すなわち、GE-PONのセンタ装置(OLT装置)に親局が接続され、最大30km先に設置された子局まで無中継で延長することができます。既存のOLT装置とONU装置の間に光延長化装置を配置するだけで容易に距離を延長することが可能で、子局以降は通常のGE-PONシステムと同等のシステムで構成することができます。
また、最大4回線分のGE-PONセンタ装置(4台のOLT装置)から伝送速度を低下させることなく、光ファイバ1心で多重伝送もできるため、1心あたりの分配数を従来比4倍の最大256世帯まで分岐が可能となります。(システム構成図参照)
本装置のラインアップとして、下記のシリーズを製品化していく予定です。
・製品名 FITELwave AG400シリーズ (GE-PON延長装置 4chWDM局内型)
特徴 4chWDMにより4PON回線を延長可能な局内設置型
発売時期 2006年秋
・製品名 FITELwave AG500シリーズ (GE-PON延長装置 4chWDM屋外型)
特徴 4chWDMにより4PON回線を延長可能な電柱などへ設置可能な屋外型
発売時期 2007年春
・製品名 FITELwave AG100シリーズ (GE-PON延長装置 1ch屋外型)
特徴 1PON回線を延長可能な電柱などへの設置可能な屋外型
発売時期 2006年秋
古河電気工業では、本装置の販売を2006年秋より開始する予定で、2008年までに400回線分の受注を見込んでいます。2006年6月14日~16日に東京ビックサイトで開催される展示会「ケーブルテレビ2006」(注2)で発表を行います。
■ 補足
(注1) GE-PON
Gigabit-Ethernet passive optical networkの略で、光分配器を用い光信号を分配して1000Mbpsの通信サービスをする方式のことです。
(注2) ケーブルテレビ2006
国内最大のケーブルテレビの展示会。2006年6月14日(水)~16日(金)まで、東京ビックサイトにて開催されます。詳しくは、下記URL を参照ください。
http://www.catv-f.com/
