JASA、「JASA認定組込みソフトウェア技術者試験クラス2」試験要綱を発表
JASA認定組込みソフトウェア技術者試験クラス2の試験要綱発表
~組込みシステム業界発信の試験制度、試験詳細を公開~
社団法人組込みシステム技術協会*1(略称「JASA」、東京都中央区、会長 松尾隆徳)は、6月1日に組込み技術者向け資格試験制度(ETEC*2)創設を発表しましたが、このたびJASA認定組込みソフトウェア技術者試験クラス2(エントリーレベル向け)の試験要綱がまとまりましたので発表します。
1.組込みソフトウェア技術者試験とは
ものづくりにおける「組込みソフトウェアコ*3開発技術者」の役割が飛躍的に大きくなり、その養成とスキル向上は、官民あげての大きな課題となっています。また、増大するニーズのために、高度な専門知識・技術と豊富な経験を持った「組込みソフトウェア開発技術者」の不足は深刻な状態となっており、このことは経済産業省の「2006年組込みソフトウェア産業実態調査報告」にも明らかです。ソフトウェアの品質の確保が、ユビキタス社会の信頼性と安全性を担保するともいえる展望の中で、技術者の技能向上は社会的な要請となっています。またIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が組込みソフトウェア開発に必要なスキルを明確化・体系化するための枠組みであるETSS*4(組込みスキル標準)を2005年に公表しました。
このような状況の下、組込みシステム業界の業界団体であるJASAは、業界発信の組込み技術者向け資格試験制度としてETEC(Embedded Technology Engineer Certification;組込み技術者資格試験)を創設しました。
このETECの中で、JASAが最初に実施する試験が「組込みソフトウェア技術者試験クラス2」です。組込みソフトウェア技術者としての知識レベルの指針となるとともに、キャリア指標の一つとなることを目的としています。試験の特徴として、合否判定ではなく点数(スコア)方式を採用し、学習の達成度判定、技術者評価などに活用ができます。また試験は何度でも受験可能であり、技術者の学習意欲を支援します。
2.試験概要
1)試験名称
日本名:組込みソフトウェア技術者試験クラス2
英語名:Embedded Technology Software Engineer ClassII
2)クラス2試験の特徴
・初歩の組込みソフトウェア開発技術者に必要な知識の有無を確認するための試験です。
・試験の結果は点数(スコア)方式で表示され、JASAはその結果を証明します。
・試験はCBT方式により何度でも受験することが可能です。
3)試験の詳細
対象者像:エントリレベルのソフトウェアエンジニア技術者としての知識能力があることを判定します。
・上級者の指導のもとにプログラミング作業を行える技術者
・プログラミング経験がなく入社して3年目までの組込みソフトウェアプログラマ
・大学・専門学校の組込みソフトウェア教育を受けている学生
認定方式:点数(スコア)の認定で、JASA認定の証明書が発行されます。
試験時間:90分(アンケート等含む)
出題形式:多肢選択式(四肢択一)100問程度を予定
受験費用:15,000円(税別)を予定
受験場所:全国の指定試験会場(毎日予約、受験可能)
受験方式:CBT方式(コンピュータでの受験)
3.今後の予定
9月 ベータ試験の実施(試験問題妥当性分析・調査試験)
10月 JASAにて、ベータ試験結果を分析し、試験問題の妥当性を評価
11月 本試験開始
詳しくは専用ホームページ「組込みソフトウェア技術者試験クラス2試験要綱」をご覧ください。
http://etec.jasa.or.jp/ETEC_SW2_Outline.pdf
*1 (社)組込みシステム技術協会(JASA)
日本システムハウス協会から本年度改名。組込みシステムの業界団体で、毎秋に開催されるETショーの主催団体です。業界の技術の向上を計り、業界のプラットフォームとなる活動を行なうことによって、業界に属する会社や技術者が活性化されることを目的としています。
URL http://www.jasa.or.jp/top/
*2 ETEC(組込み技術者資格試験制度)
ETECは組込みシステム技術協会(略称「JASA」、東京都中央区、会長 松尾隆徳)が実施する、組込み業界発信の組込み技術者向け資格試験制度です。
ETSS(Embedded Technology Skill Standards;組込みスキル標準)に準拠し、平成18年11月より順次、資格試験の本試験が開始されます。
URL etec.jasa.or.jp
*3 組込みソフトウェア
コンピュータ応用機器に組み込まれて、機器の機能を実現しているソフトウェアのこと。TV、DVD、携帯電話、自動車、カーナビ、デジカメなどの様々な機器に組み込まれており、いまや組込みソフトウェアなくしては、「ものづくり」は成立しないといっても過言ではなくなってきています。
*4 組込みスキル標準(ETSS;Embedded Technology Skill Standards)
組込みスキル標準は、組込みソフトウェア開発に必要なスキルを明確化・体系化するための枠組みであり、組込みソフトウェア開発者の人材育成・活用に有用な「ものさし」(共通基準)を作るための体系です。「スキル基準」、「キャリア基準」、「教育カリキュラム」などを提供しています。
URL http://sec.ipa.go.jp/download/200504eb.php