オンコリスバイオファーマ、ＦＤＡから制限増殖型腫瘍溶解ウイルス「テロメライシン」の臨床試験許可を取得
日本初、独自開発の制限増殖型腫瘍溶解ウイルス「テロメライシン」の臨床試験 米国で実施許可
オンコリスバイオファーマ株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：浦田泰生）は制限増殖型腫瘍溶解ウイルス「テロメライシン」（開発コード：ＯＢＰ－３０１）の第ｉ相臨床試験の実施を許可するとの連絡を米国ＦＤＡより受けました。
オンコリスバイオファーマは本年３月に臨床試験の実施をＦＤＡに申請し、当局から指摘された課題への対応を行ってまいりましたが、今般、当社の回答内容に対するＦＤＡの了承が得られたため、臨床試験を開始することが可能となりました。
これにより、テロメライシンは、臨床試験の場で初めて評価される日本発のアデノウイルス製剤となります。
「テロメライシン」の第ｉ相臨床試験の対象となるのは、各種固形癌患者のなかでも既存の癌治療では効果が得られず、他に有効な治療の選択肢のない患者です。
また、この第ｉ相臨床試験は、Ｍａｒｙ Ｃｒｏｗｌｙ Ｍｅｄｉｃａｌ Ｒｅｓｅａｒｃｈ Ｃｅｎｔｅｒ（米国テキサス州、ダラス）において本年１０月までに開始され、２００７年末までに終了する予定です。
◆制限増殖型腫瘍溶解ウイルス「テロメライシン」（開発コード：ＯＢＰ－３０１）について
「テロメライシン」は、ヒトアデノウイルス５型のＥ１領域にテロメラーゼプロモーター（ｈＴＥＲＴ）を組み込んだ制限増殖型の腫瘍殺傷ウイルスであり，更に同領域にＩＲＥＳ遺伝子を導入することによって複製効率を高めています（図１）。テロメライシンはテロメラーゼ活性が上昇している癌細胞の中で特異的に増殖し，癌細胞を壊死させますが、正常細胞中での増殖能力はごく弱く，細胞毒性を示さないため，癌細胞のみで増殖して癌細胞を壊死させることが特長です（図２）。動物実験において、マウスに移植・増殖されたヒト結腸がん細胞がテロメライシン投与後１５日で壊死にいたったことが示されました。オンコリスバイオファーマ（株）は、すでに前臨床試験を終え、高い抗腫瘍効果を示し、かつ異常な所見はほとんど認められませんでした。臨床では主に癌組織への局所注入による治療を行い、そのことによって、従来の抗がん剤に見られるような全身性の副作用が大幅に軽減され、より高いＱＯＬを得ることが期待されています。
プロモーター：遺伝子の上流にある特別な塩基配列で、転写を促す因子が結合すると 遺伝子の発現が認められる。
※参考図：「図１」と「図２」は添付資料を参照
◆オンコリスバイオファーマ株式会社について
（ＵＲＬ：http://www.oncolys.com）
オンコリスバイオファーマ株式会社は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・腫瘍外科学 田中紀章教授、岡山大学医学部・歯学部付属病院 遺伝子細胞治療センター 藤原俊義助教授らの研究成果である制限増殖型腫瘍溶解ウイルス「テロメライシン」を事業化を目的として、２００４年３月に設立されたベンチャー企業です。２００６年３月にはＦＤＡにテロメライシンの治験開始申請（ＩＮＤ）を行いました。
現在は、癌領域のみならず、ＨＩＶ感染症に代表される重篤な感染症も新たな重点開発領域としています。
１．商号：オンコリスバイオファーマ株式会社
２．代表者：代表取締役社長 浦田泰生
３．所在地：東京都港区六本木３－１６－３３ 青葉六本木ビル７Ｆ
４．設立：２００４年３月１８日
５．資本金：１０億５，８２１万円
＜本件に関するお問い合わせ先＞
オンコリスバイオファーマ株式会社
Ｔｅｌ：０３－５５７５－３３７８
ＦＡＸ：０３－５５７５－０４８８
Ｅ－ｍａｉｌ：anticancer@oncolys.com
以 上