味の素、三共と新規糖尿病治療薬「AJD101」の開発・製造販売権契約を締結
味の素(株)、三共(株)と新規糖尿病治療薬AJD101の開発・製造販売権契約を締結
~ 糖尿病領域治療の新たな選択肢の拡大へ ~
味の素株式会社(本社:東京都中央区 社長:山口範雄、以下味の素(株))は、本日、三共株式会社(本社:東京都中央区 社長:池上康弘、以下三共(株))と、味の素(株)が開発中の新規糖尿病治療薬AJD101および関連化合物の独占的な開発ならびに製造販売に関する契約を締結しました。
本契約により、三共(株)はAJD101の全世界での開発ならびに製造販売に関する独占的な権利を持ちます。味の素(株)は、本薬剤の一部製造に関する権利を留保するほか、一部の開発については三共(株)と共同してこれを行います。
また、本契約締結に際し、三共(株)は、味の素(株)に46億円の契約締結一時金を支払います。さらに今後定められたステージごとにマイルストーンの支払いと、本薬剤の上市後は、売上高に応じたロイヤルティの支払いを予定しております。
AJD101は、味の素(株)において独自に創製された、これまでにない全く新しいメカニズムを持つ糖尿病治療薬で、現在海外にて第一相臨床試験の段階にあります。AJD101は、経口投与でインスリンのシグナル経路を活性化することにより血糖降下作用を示す画期的な薬剤であり、これまで種々の糖尿病モデル動物で、血糖降下作用が認められているほか、非臨床試験の結果から、低血糖を起こしにくく、膵β細胞の疲弊を起こしにくい薬剤になる可能性が示唆されています。
国際糖尿病連合(IDF:International Diabetes Federation)の調査によると、世界の糖尿病人口は1億9,400万人(2003年)で、生活習慣の変化により2025年には3億3,300万人に増加すると予測されており、現在1.5兆円/年程度の糖尿病薬市場も、2010年には2兆円規模に拡大することが予想されています(国内では「平成14年度糖尿病実態調査報告書」[厚生労働省健康局]によれば、糖尿病が強く疑われる人が約740万人、糖尿病の可能性を否定できない人を含めた場合は約1,620万人と推定されており、患者数は年々増加しています)。本薬剤の開発は医療における糖尿病領域の治療の選択肢を拡げ、患者様のQOLの向上に大きく貢献すると考えております。
味の素(株)と三共(株)は、2001年12月に速効型食後血糖降下剤「ファスティックR」錠の販売で提携を開始しており、本品目は2番目の提携となります。今後は、三共(株)ならびに第一三共グループと相互に協力をすすめ、本薬剤の早期の上市を目指します。
今後も、味の素グループだからできる創薬・創食をとおして、世界の人々の健康とよりよい生活に貢献していきます。