三菱ガス化学、低誘電性樹脂「オリゴ・フェニレン・エーテル」製造装置を新設
低誘電性樹脂「オリゴ・フェニレン・エーテル」製造装置の新設について
三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小高英紀)は、四日市工場(三重県四日市)において、低誘電性樹脂であるオリゴ・フェニレン・エーテル(OPE:2官能PPEオリゴマー)の製造装置を完工いたしました。
年産300トンの生産能力を有する同装置は、現在試運転を行なっており、10月から量産品のサンプル配布を行なう予定です。
次世代の通信インフラ機器、情報機器、半導体試験装置等において高周波化・高速化が進行することに伴い、これらの機器に用いられるプリント配線板では、信号の高速伝送要求に対応するため、信号伝送損失の低い低誘電性材料が求められておりますが、同材料には低誘電性に加え、プリント配線板用材料として耐湿性、耐熱性、加工性が不可欠となります。
当社は、ポリフェニレンエーテル(PPE)の低誘電性、高耐湿性などを活かしつつ、溶剤に溶けにくいなどの加工性における難点を、低分子量化および分子量分布の均一化により解決することで、低誘電特性、高耐湿性、高耐熱性に優れるとともに、メチルエチルケトン、トルエン等の汎用溶剤に溶ける機能性樹脂としてOPEを開発いたしました。また、熱硬化性や光硬化性を有するエポキシ体やスチレン体などの誘導体を開発しております。
OPEおよびOPE誘導体の用途は、高周波対応基板および高速通信用基板における積層板、ビルドアップ層間絶縁材料、ソルダーレジストなどのプリント配線板用材料のほか、各種合成樹脂の添加剤、改質剤など幅広い領域での展開を期待することができます。
当社の機能化学品事業では、ポリカーボネートを始めとするエンジニアリングプラスチックや高屈折率レンズ材料、フォトレジスト用モノマー、特殊耐熱樹脂など様々な機能の樹脂を展開してまいりましたが、OPEおよびOPE誘導体を新たにラインナップに加えることで、同事業の一層の強化に努めてまいります。