アナログ・デバイセズ、携帯計測機器など向けオクタルＡ／Ｄコンバーターを発売
業界最小で最も低消費電力な高速オクタルＡＤＣが携帯医療機器設計のチャンネル数増加を可能に
携帯計測機器や超音波機器設計向けに、競合デバイスに比べ最大６０％小さい設計サイズと１０％低い消費電力を実現
オクタルＡＤＣについて
ＡＤＩは、１４ビットまで拡張した初のオクタルＡ／Ｄコンバータ（ＡＤＣ）ファミリーを投入します。今回発表したのは、８チャンネルの高速コンバータ・ファミリー３製品（「ＡＤ９２１２」「ＡＤ９２２２」「ＡＤ９２５２」）で、低消費電力化とボードの省スペース化が設計の必須条件となっている携帯医療機器や超音波装置に最適です。１０ビットのＡＤ９２１２と１２ビットのＡＤ９２２２は、消費電力がチャンネル当たり１００ｍＷ未で、最高５１２チャンネルにもなる超音波システムの場合、競合製品に比べて最高５Ｗから６Ｗもの省電力をもたらします。業界初の１４ビット高速オクタルＡＤＣであるＡＤ９２５２は、レーダや高感度の非破壊試験装置などの高性能画像処理アプリケーション向けに適した最高のダイナミック・レンジを、設計者に提供します。
オクタルＡＤＣは、９ｍｍ × ９ｍｍの６４ピンＬＦＣＳＰ（リード・フレーム・チップ・スケール・パッケージ）で供給しており、競合ソリューションに比べて、４０％から６０％の省スペースを実現します。ＡＤ９２１２、ＡＤ９２２２およびＡＤ９２５２は、マルチ・チャンネル設計向けに、高いチャンネル数、シンプルなボード・レイアウト、そして小型なボード設計を可能にします。
最高５０ＭＳＰＳのサンプリング・レート
３種の新ＡＤＣは、超音波機器のダイナミック・レンジと画像解像度を向上したクワッド設計の「ＡＤ９２２８」コアをもとにしています。ＡＤ９２１２、ＡＤ９２２２、およびＡＤ９２５２は、最高５０ＭＳＰＳのサンプリング・レートをサポートし、シリアル低電圧差動信号方式（ＬＶＤＳ）データ出力を提供します。これらのデバイスは、マルチ・チャンネル画像処理やレーダ・システムに必要となる高性能特性を提供すると同時に、与えられたプリント回路基板（ＰＣＢ）面積内に、より多くのデータ・コンバージョン・パスのルーティングを可能にします。
医療用計測機器向けに最適な低ノイズ・フロア
低ノイズ・フロアは、医療用計測機器設計者にとって不可欠です。このたび、ＡＤＩが発表したオクタルＡＤＣでは、ナイキスト周波数まで、Ｓ／Ｎ比が７０ｄＢとなっており、性能を劣化させることなく、高いサンプリング速度を扱うことができます。
また、内蔵データ・レート・マルチプライアの特長により、シリアル・ポート・インターフェース（ＳＰＩ）を用いたデジタル・テスト・パターンの生成に加え、プログラマブル・クロックとデータ・アラインメントによる出力データの柔軟性向上を実現します。
供給と価格について
ＡＤ９２１２とＡＤ９２２２は、現在サンプル出荷中で、量産出荷は２００６年９月に開始予定です。４０ＭＳＰＳ製品の単価は、１，０００個受注時でＡＤ９２１２が３２ドル、ＡＤ９２２２が４４ドルです。５０ＭＳＰＳ製品の単価は、１，０００個受注時で、ＡＤ９２１２が４０ドル、ＡＤ９２２２が４９ドル、ＡＤ９２５２が５４ドルです。（いずれも米国における参考価格です）オクタルＡＤＣに関する詳細情報については、ウェブサイト www.analog.com/AD9212 および www.analog.com/AD9222 をご覧下さい。
＜ 製品に関する読者からのお問い合わせ先 ＞
アナログ・デバイセズ株式会社
techsupport.japan@analog.com