東京ガスなど3社、燃料電池ターレット式構内運搬車の共同開発契約を締結
燃料電池ターレット式構内運搬車の共同開発契約を締結
東京ガス株式会社(東京都港区、社長:鳥原 光憲)、JFEコンテイナー株式会社(兵庫県伊丹市、社長:谷口 勲)、関東農機株式会社(栃木県小山市、社長:稲葉 克志)の3社は、このたび、燃料電池ターレット式構内運搬車(以下、「燃料電池ターレット車」)を共同開発する契約を締結しました。なお、本共同開発は、本年5月、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の新利用形態燃料電池標準化等技術開発にて助成を受けています。
3社は今後、燃料電池のクリーンな特性を活かした新しい利用形態として、燃料電池ターレット車を、5年間を目標に開発し、既存のターレット市場への導入を目指すほか、平成24年以降に移転予定の環境性を重視した計画が進められている東京都豊洲新市場などの新規需要にも対応していきたいと考えています。
【完成イメージ】
* 関連資料 参照
■ 幅広く利用されているターレット式構内運搬車
ターレット式構内運搬車は、ガソリンエンジンなどを動力とする「エンジン式」や充電式バッテリーを電源とする「電動式」があり、主に生鮮市場や工場構内などの運搬作業用として、国内で約11,000台が利用されています。
近年では、生鮮市場内やその近隣地域に対する環境配慮のため、低公害の「天然ガスエンジン式」を導入するケースが増えていますが、市場の建物内や冷蔵設備を備えた倉庫内などでは、排気ガスを排出しない「電動式」のみに仕様を限定されている場合があります。しかし、「電動式」は充電に約8時間を要し、1回の充電で走行可能時間が2時間程度と短いため、使い勝手が悪い面があります。
■ クリーンな燃料電池を利用
燃料電池は、水素と空気中の酸素を用いて発電し、有害な排気ガスを排出せずクリーンであることから、自動車の動力源として近年注目され、多くの自動車メーカーにより開発・実証が進められています。燃料である水素の充填が数分間で済む燃料電池をターレット式構内運搬車に応用できれば、既存の「電動式」に比べ、使い勝手が飛躍的に向上することが期待できます。
本開発において3社は共同で、燃料電池ターレット車を開発するとともに、燃料である水素を供給する方式として、水素を充填したカセット式容器で供給するシステム、ならびに、車両に搭載されたタンクに短時間で水素を充填するシステムの開発をあわせて行います。
さらに、燃料電池ターレット車の安全性検証や安全基準の検討を行っていく計画です。
■ 本開発における各社の主要な役割
・ 東京ガス(株)
燃料供給者として、燃料電池自動車用水素ステーションの開発経験などを活かし、主として燃料電池ターレット車に水素を供給する充填所の開発を担当します。
・ JFEコンテイナー(株)
高圧ガス容器メーカーとして、35MPa高圧水素複合容器の開発経験を活かし、主としてカセット式水素供給システムや車両内部の水素供給システムの開発を担当します。
・ 関東農機(株)
ターレット式構内運搬車メーカーとして、圧縮天然ガスエンジン運搬車および電動運搬車の開発経験を活かし、主として車両の開発を担当します。
以上