サカタのタネ、中生小輪一重咲きトルコギキョウの新品種「おり姫ミニ」を発売
新品種
人気の当社一重咲き覆輪品種『おり姫』に小輪タイプが新登場
トルコギキョウの新品種『おり姫ミニ』を発売
ピンク色の厚く鮮やかな覆輪と花弁の外側が上品にカールする"ベル形"のかわいらしい花形が特徴
サカタのタネでは、厚く鮮やかなピンク色の覆輪※１と花弁の外側が上品にカールする"ベル形"のかわいらしい花形が特徴のトルコギキョウの中生小輪一重咲きＦ１品種『おり姫ミニ』を開発いたしました。当社では２００３年６月に、花弁の縁部分にピンクの覆輪が濃く入り「まぼろしの銘花」といわれてきた長野県在来の固定品種の特徴を保った大輪一重咲きのＦ１品種の『おり姫』を発表しました。同品種は、優れた育成素材と当社の誇る育種技術の運命的な出会いを、ちょうど花が咲き始める７月ごろの七夕の話に重ね合わせ命名したものです。『おり姫』は発売以来、大変好評を博している当社の人気品種で、今回開発した『おり姫ミニ』は同品種待望の小輪タイプで、花束やアレンジに扱いやすくトルコギキョウの可能性をさらに広げます。新品種『おり姫ミニ』の種子の販売は、全国の種苗店を通した生産者向けに２００６年１０月１０日から開始し、税込希望小売価格はペレット種子３，０００粒入９，４５０円です。
※１ 花弁の縁部分に入る模様で、地色と異なる色が縁部分に入るものをいう。
かつて、トルコギキョウの覆輪品種の多くは、覆輪部分が細かったり、その色が薄かったり、あるいは、流れといわれる花色のにじみが出たりといった欠点が目立ち、品質を安定させることが覆輪品種育成の課題となっていました。その問題を解決し品種として確立するためには遺伝的な固定が必要不可欠ですが、そのことが難しかったため安定した覆輪のＦ１品種の育成がそれまでできずにいました。それに対し『おり姫』は、当社の誇る育種技術により覆輪部分の色のりはそのままにその特徴を保ったままＦ１品種化することに成功したものです。
今回、開発した『おり姫ミニ』は、『おり姫』の特徴であるピンク色の厚く鮮やかなくっきりとした覆輪はそのままに小輪化を実現したもので、花弁の外側が上品にカールする"ベル形"のかわいらしい花形を持つ今までにない新しいタイプのトルコギキョウです。中生種のため、夏から秋かけての高温期の高冷地の栽培に特に適し、草勢が強く、茎は剛直で、花弁は厚く、高温期においても花色は色あせし難く、生育そろいがよいため安定して高品質の切り花を高い歩留まりで一斉採花できます。
『おり姫ミニ』は、小輪タイプの特性を生かし花束やアレンジなど幅広い用途で扱いやすくトルコギキョウの市場をさらに広げる斬新な品種として期待されます。
【 『おり姫ミニ』の作型 】
添付資料をご参照ください。
【 価格（税込希望小売価格） 】
ペレット種子３，０００粒 ９，４５０円
※営利以外の一般向け絵袋の発売は未定
【 生花出荷開始 】
２００７年６月より主要生花市場へ出荷開始、２００７年７月より本格出荷
＜トルコギキョウについて＞
トルコギキョウ（Ｅｕｓｔｏｍａ ｇｒａｎｄｉｆｌｏｒｕｍ）は、北アメリカ原産で、原種は草丈が約９０ｃｍで、花は一重で、花色もブルーに限られていました。戦前、主にヨーロッパで改良され、同時期、日本へも導入されました。戦争をはさみ海外では多くの品種が絶え、日本に残った品種から現在までに花色や一重咲きなど花形の充実がなされ、茎を強健にする、あるいは生態型などでの育種が進められてきました。当社においても１９７５（昭和５０）年には１品種しかなかったものが、現在では９３品種を有するまでになっており、パンジー、ペチュニアなどと並ぶ当社の代表品目のひとつとなっています。日本のトルコギキョウ品種がけん引役になり、現在では世界のトルコギキョウ市場の約７割※を日本の品種が占めるようになっています。
多くの切り花品目で、作付面積、出荷量が、減少傾向にあるなかで、トルコギキョウは前年度比同等の生産状況を示しており、平成１７年花き卸売市場調査結果の概要（農林水産省）によると年間出荷量は、１億２，４７３万本で、キク、カーネーション、バラ、ガーベラ、ユリ、スイートピー、スターチスなどに次ぐ、出荷量第９位、卸売金額６位、１本あたりの単価は１０３円で、品目別ではユリに次ぐ第２位の品目となっています。また、トルコギキョウは、冠婚葬祭、ホームユースなど、すべての切り花ジャンルで周年を通し利用されています。
※：当社データに基づく推定値
【 読者からのトルコギキョウ『おり姫ミニ』に関するお問い合わせ先 】
株式会社サカタのタネ 花統括部 電話０４５－９４５－８８０４